SSブログ

感想@映画「ナルニア国物語第2章カスピアン王子の角笛」 [映画・舞台]

先日、封切られた映画「ナルニア国物語第2章カスピアン王子の角笛」」を
父と見てきました。

以下はその感想です。
ネタバレを含みますので、
これから映画をご覧になる方はご注意下さい。

尚、私は
原作:読んでない
前作(第1章):先日のテレビ放映で見た
という状況です。

子供の頃は本当に多く本を読んでいたのに
海外のファンタジーが苦手で、ずっと未読です。
でも、この映画を見たのを機に
図書館で借りてみようかなと思っています。



第1章をテレビで見た時の正直な感想は
「うーん、退屈?」と宜しくないものでした。
なので、この映画も全く期待していなかったのですが
意外に面白かったです。



────
では、感想です。

上記のように私は原作を読んでいませんでしたので
“ナルニア”の世界観に馴染めていません。
だからなのか、アスランが本格的に登場すると
彼によって物語のパワーバランスを崩されてしまうことに
抵抗を感じてしまいます。
今回も、川の神が登場して橋を壊していくシーンでは
「アスランが出ればそれでいいのか」と思い、
「だったら、最初からアスランを呼べばいいのに」とも思いましたが、
本気でアスランに会いたいと願ったルーシーだけが
アスランを迎えに行けた状況を踏まえると、
そういう世界なんだと理解せざるを得ないというか、
ここを素直に受け入れられるか否かで
映画に対する(もしかすると原作にも)評価や好感度が変わると
思います。

そう、アスランはナルニア国の創世主ですが、王ではないんですよね。
そして、ナルニア国に対して深い愛情を持っているけれど
過保護に接することはない……。
これは、
やる事をやり尽くした民から本気で望まれない限り姿を現わさないアスランの姿勢に
よく出ていると思います。
それと、アスランは争いことを嫌ってはいますが
最後、短剣を抜いた末娘のルーシーと共に橋に立ったアスランの姿から
決して否定はしないんだなと伝わってきました。

アスランが出てきたら大団円で終わると分かるので
ついつい、映画に「ご都合主義だな」と難癖をつけてしまいたくなりますが、
きっと原作でのここのシーンでは、
心地よい爽快感を味わえそうだと思いました。
信じないとよくないことが起きる
→信じたら良いことがある(アスランに会える)という流れも
とても分かりやすいですしね。
これが児童文学の傑作であることを考えれば、
アスランが全てを超えた(超越した)存在であっても良いと思います。



さて、今作は、
前作での活躍がほとんどなかった次女スーザンが、
“暇さえあれば矢を射る”という感じで、格好良かったです。
構え方が素敵でした。
砦で、「打ち方、構えー」って叫んでいるところは
男まさりに凛々しかったなぁ。
前作ではルーシーのお姉さんって程度の存在感ですが
今回はちゃんと女王様していたと思います。
(これは、ピーターとエドマンドにしてもそうです。
人としても、身分ある立場としても成長しましたよね)
でも、いくら射っても減らない矢と、
完全に剣の間合いで無理に矢を射っているのには
ツッコミを入れたくなりました。
スーザン役の女優さんは、失礼ながら正統派の美人さんではないと思うのですが
ぽってりとした唇や、そばかすが浮いている薄い肌がキュートでした。
最初と最後の制服姿と、ドレス姿に萌えました。



格好良かったと言えば、
イケメン俳優のベン・バーンズをキャスティングした
カスピアン王子もそうですが、
なんといっても次男のエドマンドだと思います!
特に私は、第1話の「ライオンと魔女」をテレビで見たばかりで、
中盤までの彼のなよなよとした心の弱さをよく知っていたので
「あのエドマンドが……」と、子を思う親のような気持ちになりました。
中盤で、ピーターが雪の女王に魅入られそうになった時に
エドマンドが後ろから雪の女王に剣を突き立てるシーンでは
拍手を贈りたくなりました。
他、城内戦では、
己が危なくなるのも恐れずに味方の危機を救ったりして、
何かと大活躍しているのが見ていて面白かったです。
ピーターの果たし状を代理人としてミラース王に持っていった時の
自嘲するような台詞もかわいかったです。
洒落がきいてました。



長男ピーターは……エドマンドに比べると
ちょっとなさけない部分もありましたが
戦闘は格好良かったと思います。
でも、一の王としての経験があるとはいえ
“まだまだ未熟で若く、熱い、身分ある立場”というキャラが
カスピアン王子の描き方とかなりかぶっていたので
勿体ない気がしました。
でもピーターは、ミラース王との一騎討ちが良かったと思います。
あの、興奮と痛みでわけ分からなくなって
剣を拾わずに盾と手足による肉弾戦に替わっていったのは
とてもリアリティがあると思いました。
効果音も凄かったです。剣と剣がぶつかり合う時とか。
そして味方も敵も斬られまくっているのに血が流れないのは
さすがディズニーです。



そのかっこいいカスピアン王子は……
外国人俳優に全く興味がない私でも久し振りに見愡れるほど
いい男でした(笑)。
ただ、途中から彼の顎の割れ具合が気になっていたのは秘密です。
でも素敵ですよね……ポスターとか買いたくなりました(笑)。
カスピアン王子は今回の主人公だそうですが
シリーズ全般の主人公としてペベンシー兄妹があるのは大前提なので
今回はダブル主役っぽい感じですが
そのせいで出番の割に印象が薄いのがやはり勿体ないです。
ピーターとミラース王の一騎討ちで見てるだけっていうのが……。
スーザンを助けに行った時は「おお」と思いましたが
逆に言うと、あの場面での活躍はそれだけなので、
(罠を発動させるために墓から出るところは良かったです)
もっと生かし方があったんじゃないかと思えてなりません。
寧ろ、ピーターかカスピアン王子、
どっちかに絞って描写した方が
良いのではないかとも思ってしまいました。
(でも、それでも不満は出ると思います。
主要キャラが多過ぎなんですよね/笑)
城内戦でも最後の全面戦争でも活躍していましたけれど、
他のキャラにまぎれているのと、
ピーターとミラース王の一騎討ちのような“魅せる”場面がなかったので
まさに見せ場が少なかったというか……。
カスピアン王子とピーターとの一騎討ちは挨拶程度なので
アレ以上、長引かせる必用もありませんでしたし。
ううん、難しい。



そのカスピアン王子とスーザンの淡い恋は、
あれでもう会わないのならいいのかなと思いました。
というか、二人で意識しまくりなのがよく伝わってきたので、
最後、「ここでキスしちゃいなよー」と思っていたので
その通りになって嬉しかったです。
カスピアン王子はともかく、
一人が好きなスーザンはファーストキスっぽいから
それも泣けますね。
最後、皆で集まるところはちょっと感傷チックに描かれていて
私も涙腺がうるっと弛みそうになりました。
最初で最後のキスかもしれないと思うと激しく萌えました。




そして、人間たちの腹黒さが面白かったです。
一騎討ちで、意外にいい人だったグロゼ−ル卿が
ピーターをボウガンで射らなかったのは嬉しい予想外でしたが、
(仰向けに倒れたカスピアン王子を刺さなかったことも)
ソペスピアン卿があそこで急変するとは思わなかったので
(小心者だからこそ、ミラース王が弱ると同時に強気に出られたのでしょうが)
びっくりしました。
全面戦争で、どう考えてもナルニアの負けが目に見えていたのに
皆で頑張っているのは痛々しくて、せつなかったなぁ。
せつないと言えば、城への夜襲ですね。
撤退がうまくいかなくて
多くのナルニアの兵士が城内に取り残された場面では、
ディズニーなので、描き方こそきつくはなかったですが
やはり見ていて辛かったです。



その他の輝かしい脇役たちの中では、
アナグマのトリュフハンターが好きでした。
きっと映画を見た人は(おそらく原作のファンの方も)
リーピチープを挙げるんでしょうが
私には、ちょっと狙い過ぎのように思えました。
でも! 天敵のネコの口を結わえちゃったシーンは
笑いました。
おかしかったです。
それと、セントールはCGだと分かっていても凄いですね。
小さな女の子が剣を高く上げられなくて、
親?が手助けしてあげるシーンが好きでした。
人間では、スーザンに片思い中の男子学生を挙げます(笑)。
空気読めない感じといい、押しの強さといい
いい味だしてますよね、彼。



感想をまとめますと、
第1話が残念に思えた私でしたが、この第2話は充分に楽しめました。
アスランの圧倒的過ぎる存在感を始めとして
つまらないツッコミを入れたくなるところもありましたが、
美しい森を中心とした自然と、カスピアン王子のいい男ぶりと、
ディズニーにしては多いであろう戦闘シーンのどきどき…という魅力で
充分にカバーできます。
描かれていることが多いのですが、その割に煩くない撮り方なので、
次から次へと話が進んでいく濃厚な内容の割には
見ていて疲れないと思います。
(私は、三谷幸喜監督や、
「踊る〜」シリーズを撮られた本広克行監督の作品のような、
細部にまでサービスたっぷりの映画は見ていて疲れてしまうので、
そういうのが好きな人だと
逆にこの映画は物足りないかもしれません)
終わったあと、「あぁ楽しかった」と素直に思えました。

王子がもっと目立っていたらという思いはやはり強くあります。
その分、次男のエドマンドの活躍が目立っていたので良しとしましょう。
姉妹は(上記ではルーシーに全く触れてませんが)
かわいかったので、それだけでいいです(笑)。

映画館にはあまり進んで行かない方なので、
この映画を見る為に足を運ぶことはもう無いでしょうが
DVDのレンタルが始まったら、エドマンドの活躍をもう一度見るために
借りてみようかなと思っています。

大人の普通料金……だと、
ナルニアの世界が好きでない人には、高いと思えるかもしれません。
でも、レディース&メンズデーや割り引き対象の日なら
寧ろ安過ぎるぐらいの値段だと思います。
前売価格ぐらいが打倒かと。

少なくとも、第1章の映画よりは面白いので、
あのテレビ放映が逆宣伝にならなければいいなぁと思います。
とりあえず私は図書館に行って原作本を借りなければ。
子供がライバルっぽいので、頑張ります。



────
感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。


2008-05-25 01:20  nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。