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感想@漫画「ぼくらの」月刊IKKI2008年7月号*ネタバレあり [ぼくらの:感想]

鬼頭莫宏先生の連載漫画「ぼくらの」月刊IKKI2008年7月号感想です。

ネタバレを含みます。
今回も、「ぼくらの」の戦闘において重大な事が判明しています。
単行本派の方、本誌をこれから読まれる方はご遠慮下さい。


先月号(2008年6月号)の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-04-25

単行本の感想はこちら。
全体と第1巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-24
第2巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-24-1
第3巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-24-2
第4巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25
第5巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25-1
第6巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25-2
第7巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25-3
第8巻の感想↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-02-25-4


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では参ります。
何度も書きますが、
ネタバレを避けていらっしゃる方は閲覧をご遠慮下さい。






orz

先月号と同じ始まりで恐縮ですが、今月号も扉でがっくりとしました。
いや……「がっくり」だと、まるで私が鬼頭先生に失望したみたいですね。
それは違います。

もう悲しくて悔しくて、そしてそしてやりきれなくて
思わず書店でIKKIを一度閉じてしまいました。
そのまま続きを読む気になれませんでした。



はい。先月号は「宇白順:1」だったので
今回は当然、彼の二回目に当たり──
彼がパイロットとして選出される話を読めるのかなと思っていたのですが
見事に外れました。やられました。
でも、先月、ウシロが次のパイロットだと覚悟を決めたばかりなので
違う覚悟を新たに(しかも急に)しなきゃいけない現実に
読者として激しく動揺してしまいました。

はい……そうです。
今回のサブタイトルは「町洋子:1」。
そして漫画の中で、彼女が本当にパイロットに選ばれてしまいました。

いつもは憎たらしいコエムシでしたが
初めて動揺している彼を見て、少し好感を持ちました。
「やっぱりなぁ」って。
コエムシが人間だった頃の想像として、
皮肉たっぷりの高校生ぐらいの引きこもり少年が頭に浮かびました。




上記でも注意書きとして記しました通り、
今回も戦闘におけるルールの幾つかが明白となりました。
その中でも、以下の二つが強く印象に残りました。

・最後のパイロットが、別の地球に行って引き継ぎ戦を行なう
・引き継いだ後の地球の勝敗によっては、また戦闘を始めさせられる可能性がある

前者については、想像が確定しただけですので
ココペリ(画楽先生:アニメと同じですか?←まだアニメをそこまで見てない)が
地球にやってきた理由と、
彼が身を置いていた状況が判明して、ようやく納得できたという感じでした。
分からなかった事が分かりましたので、ホッとしました。

また、マチも好きなので
彼女がパイロットに選ばれてしまってショックなのですけれど
ウシロほど最終戦に相応しいキャラはいないと思うので、
この点についても、腑に落ちたというか、素直に受け止められました。
マチの台詞にもありましたが、
いくら別の地球とはいえ、新たなパイロットを選出する際には
必ず心が痛むと思うんです。
同情するのが当たり前です。
心情的に言ったら、マチは例外ですが、
自分の地球の為に戦って死ぬ“だけ”の方が気楽です。
でもウシロは、皆の死を見てきた他に、
自分の地球の為に他の地球でパイロットを選び、契約させて、
戦闘し、死ななければならない……これってかなり酷だと思うんです。
勿論、他のパイロットより長く生きられたのだから
その代償は当然なのかもしれませんが
私だったら嫌だなぁと思ってしまいます。
で、その嫌な役回りを、
これまで色んなことから逃げていたウシロが負うのは
物語として最上であり、当然のことだと思いました。
でも辛いです……。



マチもね……今回、彼女の全ての台詞、表情が
さばさばとしたもののように感じられました。
そもそも、マチはココペリと同じで、
前の(ジアースを前回所持した)地球の人のようですが
彼女が一巻で皆を洞窟に誘っていることからして、
パイロットの選出に一役買ってるのは明白です。
それに対する責任感や、
これまでの皆(マチの地球の人々も含めて)の死に様を見て、
彼女にも思うところがあったんでしょうね。
見開きの、マチの一言には大変重みがありました。
↑「あたしはこの星のために戦って死ぬよ」です。

だって、自分の地球の人の為に死ぬ事だってあり得ないのに、
他の地球の人の為に戦って死ぬって……。
それだけ、マチは死んでいった皆と本当に仲間だったんだと思いました。
ココペリも、今度は真剣にサポートすると思います。
いえ、絶対にしてほしいです。
いいお兄ちゃんじゃなかったら、死にゆくマチと共に
私が読者の一人として恨みます。



話は少し戻りますが、
ウシロとカナちゃんのお父さんを、今回は見ていられませんでした。
どんな気持ちで彼がカナちゃんのお葬式に臨んだのか……。
個人的に、ウシロは死体を地球に転送させない
(消滅させるか、ジアースの隙間に入れさせる)気がします。
でも、戦闘に入れば(ウシロの姿が消えれば)
タイムリミットに縛られる以上、
お父さんには嫌でもウシロの死が分かりますよね。せつない。

今月号は、先月号でひたすら伏せられていた
カナちゃんの遺体(の一部)が露になりました。
最後にカナちゃんを着替えさせなかったウシロの気持ちは、
もし私服にさせちゃうと
カナちゃんが普通の少女に戻ってしまうというか、
カナちゃんはパイロットとしてはとても幼かったけれど、
一人の人間として
この地球の為に立派に戦ったんだっていう証にしたかった表れかなと
推測しました。

ウシロは、カナちゃんの死も田中さんの死も本当に悲しがっているようだけれど
それに浸ってはいられない厳しい環境にあるというのが
読んでて辛かったです。
次号(来月号は休載だそうで)からは、マチと遺族を回るそうですが
またたくさん泣かされるんだろうなと思います。
アンコやコモのお父さんは、その死に関わった以上、
ある程度のけじめをつけられているでしょうが、
何も知らないうちに死んじゃったワクや、
心臓の一件を知らないツバサたち、
もしかしたら今も娘を必死で探しているかもしれない
マキのお父さんを想像すると
胸が痛みます。



そうそう、今回は遂に椅子が出てきました。
田中さんと関さんは、別マガジンですが
不足分として普通に追加されてましたね。

そして、想像通り、ウシロの椅子は田中さんのコックピットでした。
ウシロの、
「オレだ」
「オレの椅子だ」
「オレが望んだ」
という三連発の台詞は、とても短いですが、だからこそグッときました。
そう、彼がこの椅子がいいと望んだからこそ、
田中さんのコックピットの椅子が現れたんですよね。
田中さんは勿論ですが、未来ちゃんの思いも一緒にして
ウシロはこの椅子に座るんだと思います。

マチの椅子は、由来が分かりません。
別の地球のものでしょうか。
もしそうなら、この後で、別の地球時代の回想があったら嬉しいなぁと思います。
でもこれ、マキの椅子(マチが選んで座ってた)に酷似してますよね。
だとすれば、マチは本当に
この地球で知り合った仲間たちを大事に愛おしんでいるんですね……。

あと、田中さんと関さんの椅子も分からなかったので知りたいです。
田中さんは学校の椅子っぽいですが
普通に軍内部にもありそうな椅子に見えました。
田中さんがパイロットとして契約したのは
絶対にウシロのことがあったからなので、
ウシロが通っていた
(もしくは、彼を産んだ当時に彼女が通っていた)学校の椅子かなとも
思いました。


それと、マチがコエムシに気になることを言ってましたね。
「次のコエムシを誰にするか、だいたい決めてあるんでしょ」云々の質問です。
ということは、生き残った誰かか、死んでいった誰かが
次のコエムシになるのかもしれません。
これが分かれば、どういう経緯で
今のコエムシがそうなったかも分かるので、
非常に興味深いです。





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感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。

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続き(2008年9月号)の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-07-31-1

宜しければ、合わせてどうぞ。


2008-05-24 17:41  nice!(0)  コメント(0) 
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