さくらもちモチ

アニメ「ぼくらの」DVD1〜4巻感想*レンタル版（ネタバレあり）　[ぼくらの：感想] [編集]

アニメ「ぼくらの」の感想です。
レンタルでDVDの1〜4巻を借りてきました。
*セルとレンタルでは、一枚辺りの収録数が違うようです。
レンタルは一枚につき二話収録なので、第八話まで見ました。

「世界の滅亡か、ぼくらの死か。」
http://bokurano.jp/

＞夏休み——自然学校にやってきた15人の少年少女。
＞そこで、小学生の宇白可奈を除く14人の中学1年生は
＞ココペリと名乗る謎の人物と突然、契約を結ぶ。

＞戦いに負けたり、勝負がつかず４８時間経過すると、地球は破壊され、
＞全人類のみならず地上の全生物が死滅する。
＞操縦者は、事前に契約した者の中から選ばれた１名がなる。
＞操縦は一人で行い、勝手に変更する事は許されない。
＞ロボットは人の生命力で動く。一戦闘する代わりに、操縦者の命を奪う。

乗ったパイロットが死ぬロボットアニメです。
この設定からして凄いです。

ロボット作品は数多くありますが、
隙間を見つけたというか
よくぞこの設定を世に出して下さったと
原作者の鬼頭氏にありがとうと言いたくなりました。

以下はネタバレを多く含みますのでご注意下さい。

暇だから、なにか見てみようかな……と思って借りた
アニメのDVD。
それが、今回の「ぼくらの」でした。

おたくな環境に身を置いてますので、
タイトルは知ってました。
でも、「みなみけ」とか「らき☆すた」とか
ここ数年、平仮名のタイトルが付けられた萌え系作品の名前を
よく見ていたので、
いわゆるアキバ系のような、そういう作品なのかと思ってました。

てっきり、「僕」が一人称の主人公の男の子の日常生活が
描かれているのかと（苦笑）。
かわいかったり変だったりする同級生や先輩後輩がいて
「ぼくらの」楽しい学園生活が語られる……みたいな。

ええ、OPを見てびっくり。
まず、真面目そうな絵柄の点。
（萌え系が真面目じゃないというわけではないですが）
そして、歌！！！

実は私、この歌をずーっと探してました。
私は、オールジャンルの某企業系同人誌即売会に
サークルとして出てますが、
去年、この曲をよく耳にしてたんですよ。
で、聞いた場所が場所なので、
アニメかゲームの主題歌なんだろうとは察しており、
またその特徴的な歌声からSee-Sawの人なんだろうとも
想像していたのですが
いかんせん、それだけでは分からず……。
つい先日（1/27）のイベントでも聞いたばかりで
「この曲は何なんだろうな」と思いながら
その印象的なサビを鼻歌で奏でてました。

そうしたら、この「ぼくらの」の主題歌
「アンインストール」だったわけです。
前奏で「ん？　これってもしや」と思ったので、
Aメロ、Bメロときて、サビに差し掛かった時には
思わずガッツポーズをしてしまいました。
いやー長かった。ようやく謎が解けました。
最初、石川智晶さんというお名前にもピンとこなくて、
「あれ？　See-Sawじゃないんだ？
似た声の人もいるもんだなー」と思っていたら
実はそのボーカルの人だったという。
個人名義で出されてたんですね。
この辺は疎いので、知った瞬間に驚くことばかりでした。

そんなわけで、オープニングから幸先良かったのですが
本編を見て、自分との想像との落差にもうびっくり（笑）。
OPは、探していた歌がこれだったという感動が先に来ていたので
映像をあまり気にしてなかったんですが、
お気楽極楽学園生活じゃない雰囲気は
OPで既に充分に出てましたね。

ちなみに、アニメが原作レイプ、改悪だという噂は
以前に何となく耳にしてました。
DVDを見ながら、あちこちネットサーフしてて、
「あぁ、そういえば騒いでたなぁ」と思い出した程度です。

大袈裟な感じの歌が好きなので、
気にしていた上記の通り、「アンインストール」を聞いて
嫌でも気分は盛り上がったのですが、
まさかこんなにシリアスな内容だったとは！！

第1話「ゲーム」でのココペリのうさん臭さに「？？」となりつつ、
Wikiを見ながらDVDを見る暴挙へ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BC%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%AE

最初のパイロットに選ばれたことを喜ぶワクに
「あぁ……」と苦笑を向けつつ
（↑最初に死んじゃうのになーと憐れむ心境で）
本当に呆気無く死んでいった彼にびっくり。

そしてDVD2巻。
コエムシの底意地の悪そうな性格に苛々しつつ、
一気に見続けました。
（今一番のラブキャラ・戦国BASARA2の竹中半兵衛の声を
石田さんがなされているので余計に/笑）

そして、第4話「強さ」から、見ていて段々とやばくなってきました。
自然学習学校が中止になった直後、
代わりに迎えに来た兄に向かって、
父親が迎えに来なかったことを諦めたように言っていたコダマが、
死を前にして（パイロットに選ばれたと分かった後で）
忙しい父親に会いに行った展開は、
やはり子供だなぁと納得できる行動でした。
尤もコダマにとっては、感傷を抱くというよりは、
父親を認めるため（父親は正しいという確認をするため）でしたが。

コダマの父親が死んだ時に、
「あぁ、この作品は簡単に人が死ぬんだな」と強く自覚した気がします。
それは、ワクや、
DVD第1巻で出てくる海の家？の野次馬カップルが死んだ時にも
感じてましたが、
ここで改めて、作品の方向性を思い知らされたというか。

ウシロ→カナへの暴力は、Wikiで見ていたこともあって
あまり注目してませんでした。
今はとりあえず、死んでいくキャラに焦点を当てていこうと思いながら
見ていきました。
キャラで好きなのは、モジとコモ。
Wikiで、例外なく彼ら二人も死ぬんだと分かってショックでした。

DVD第3巻、4巻については、見ていて辛かったです。
カコが、外見やちょっとヘラヘラしている感じが
おお振りの水谷くんに似ているので、
私は彼を見た時から水谷くんを重ねて見てしまったので
部屋で暴れているカコを見た時はびびりました。
「水谷くんじゃない……」（当たり前なんですが）とも思いました。
*おお振りの水谷くんはとっても良い子なので。

でも、チズに対しては健気で、人当たりもよくて、
その一方で家の中や他の（気の弱い）男子には横暴な所を見せるというのは
思春期の男の子にはよくありがちな
（カコの場合は極端でしょうが）ことだと思うので、
そのリアルさが、逆に見ていて辛かったです。
なんていうか……そういうのは、知っててもやはり目を背けたいものなので。

チズの、家族に対する苛々もよくあることですよね。
程度の差はあれ、誰でも感じるものだと思います。
だから、チズの気持ちはよーく分かるのだけれど、
私がもう大人だからか
チズのお姉さんや両親の気持ちの方がよく分かってしまうので
見ていて、チズが痛々しく思えました。
下着が盗まれた云々の後、
「分かるけど、もうちょっと落ち着いたら」と
声をかけたくなりました。

だから、「自分を分かってくれる先生」の畑飼に
チズが惹かれたのも分かりますが
畑飼が見るからに怪しく（笑）、また、面談の時に
チズの姉と彼が二人きりになるシーンを挿んでいることからして
これは絶対……と分かるようになっているので、
彼の部屋に姉が入るのを見たチズのシーンは、
予想通りだったことが残念でした。
（↑話が在り来たりだという意味ではなくて、
こういうのを見たらチズが絶望するのは目に見ているので、
できれば違うエピソードが良かったな……と思ったので）
でもこれ、原作の漫画のエピソードの方が酷いんですね。
どっちもどっちで、見ていて気分のよいものではないですが。

畑飼は本当に最低だと思うので、
腰を抜かしつつ一人で先に去っていった彼を見て、
チズの姉が見損なったと思えばいいと思いました。
これで彼ら二人がくっついたとかいったら
チズが可哀想すぎます。

チズは、カコを「殺した」罪を償うと、
きっちりとかたを付けて死んでいきましたが、
結果的に何もせずに死んでいったカコはどうなんでしょう。
現実では、死に意味を持たせること自体つまらないことですが、
こういうアニメだと、
意味すら持たせてもらえなかった死を迎えた彼というのも、
個性に繋がるんだなぁと
ちょっと無情さを覚えました。

あと、すごいなと思ったのが、
チズが戦いを迷った時、
先に死んでいったワクやコダマの死を無駄にするのかと
誰か（女の子）に言われて、
「じゃあ、皆も続いてくれる？」と返したことです。
あれは、これから死ぬ人じゃないと言えない台詞だなと思いました。
だって、皆が続いてくれなければ、
ワクもコダマもチズ自身の死も無駄になるわけですから。
言葉での返事じゃなく、
小さな頷きでの応えというのも良かったと思います。
返事をした方も、決して他人事ではなく
自分達も死ぬんだ……って実感しているのがよく出ていたかと。

────

今回の感想は以上です。
5巻以降の続きも借りてこなきゃ！
そして原作も！！

今回はところどころで涙ぐみましたが、
今後は更にそれが多くなりそうです。
続きが本当に楽しみです。
（原作を見てないので、14話以降が改悪と言われていても、
今の内はまだ素直に見られるのではないかと……）

一応、アニメを見終わったら原作に手をつける予定です。

*可愛かったのでコエムシのアイコンをお借りしました
http://sasasa.s206.xrea.com/bokurano/
*ネタバレを含むサイト様なので未読の方はご注意を