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感想:漫画「おおきく振りかぶって」第2巻*ネタバレあり [おおきく振りかぶって]

講談社アフタヌーンで連載中の漫画
「おおきく振りかぶって(ひぐちアサ著)第2巻」の感想です。

内容が、先の巻や、
単行本にまだ収録されていない話に及ぶ場合があります。
また、当然ながらネタバレがあります。
(これを書いている現在は、七巻まで出ています。
また、私は本誌を購読しているので、その先を読んでいます)

本誌アフタヌーンの感想はこちら↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/archive/c338259

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二巻は、前半が一巻の続きの三星戦、
後半(というより残り四分の一ぐらい)が春季大会の観戦です。

今回の目玉は
三星戦では、中等部時代の仲間との和解、
春季大会での観戦では、阿部と榛名との再会だと思います。

■まずは試合。
叶の必死さと、完全になめてかかった三橋をうち崩せないせいで、
徐々に本気になってくる三星面々の描写は
かなりリアリティがありました。
また、三橋が
「オレは三星に戻りたいのか」と自問自答するのも良いですね。
結果的に三橋は西浦に留まるわけですが、
こうしたことを乗り越えた上で、彼自身の意思でそうしてるのが、
はっきりと分かるので。

その前の、ベンチに戻れない三橋が可哀想で……。
球場やテレビで観戦したことがある人はお分かりでしょうが、
部員がベンチに戻らないのって、尋常じゃないですよ。
また、今回が練習試合だからこそ平気なんでしょうが、
公式戦ならまずあり得ません。注意されます。
でも、そうじゃない練習試合としても、おかしいことです。

ここでは、阿部の
「ベンチに……入らねェ、入れねェんだ」という台詞しかないですが、
その直前で三橋を見送っている西広くんは
どういう気持ちだったんだろうと思うと
ちょっと悲しくなります。
三橋のことを仲間内で言うに言えず、でも凄く気になるので、
さぞかし落ち着かない状態だったのかと。
P123最後の「あ! 復活した!」から続く
P124のベンチの様子が、それをよく表わしていると思います。
「に!」と三橋の肩を叩く田島も良いし、
真っ赤な顔の三橋も良いです。
皆、本当に良い子ですね!
こういう描写があるから、ニシウラーゼが大好きです。

あと、滅多にないですけど、
三橋が自分の意見を言うのも珍しくて良いです。
(織田の、目を瞑った打席のこと)
阿部が三橋に首を振らせない分だけ、
三橋の意見を取り入れる描写は、
彼がワンマン捕手でないようにする大事なエピソードだと思います。

織田への最後の一球を読む時は、凄く緊張しました。
その分、“ホントのエースになる!!”のページは
感動しました。
後ろから、皆が駆け寄ってくるのもいいなー。
もし、甲子園を賭けた試合で勝てた試合では、
阿部がマウンドに駆け寄って、三橋に抱きついてほしいです。

その後の、三星中等部の面々が三橋に謝っているところも
見どころです。
大丈夫だと思いつつ、「戻らねェってハッキリ言え!」の阿部が
ちょっと焦り気味なのも良いです。
叶に「淋しくないのか」と問われた後、三橋が答える場面で、
ニシウラーゼの顔が和んでいる(表情が柔らかめ)に
なっているのも
皆のホッとした感が出ていて良いと思います。
引き続き阿部も見守ってますが、
完全に安心してるっぽいですしね。

■次は日常編&春季大会試合観戦

初登場の三橋家&三橋母!
栄口くんが“イイ人”認定されるのもこの回です。
というか、
三橋は食べ物をくれる人がいい人なんでしょうか(笑)。

栄口に声を掛けようかと必死に迷っている三橋が哀れです。
挨拶したけど、返されなかったらどうしようかと思うことは、
子供ならよくあると思うんです。
でも、「あいさつしていいのかな」とか
「やなカオされないかな」とか……
ここまでくると、もう不憫です。
三星時代は、きっと挨拶しても無視されたり、
あからさまに嫌な顔をされたりしてきたんでしょう。
でも、そんな彼が勇気を振り絞って
「……お……お、お、おはよう!」と挨拶できたのは
凄いです。
それだけ、あの合宿が有意義だったんでしょう。
挨拶をした相手が、
部の中でもかなりの気遣い人・栄口くんだったのも
幸運だったかもしれません。
即答で「はよ!」ってされただけで
じ〜んと感激してる三橋はかわいい。
栄口くんがそれに気付かずに、
冷静に三橋を観察しているのも良いです。

感想とはちょっとずれますが、
シガポの“リラックスと集中”の解説で、
脳内でコスプレしてるモモカンがかわいいです。
勿論、ヘビと言われて硬直している千代ちゃんも。
この回から、千代ちゃんもちょっとずつ出番が増えてくるので
嬉しいです。

手を繋ぐというのも、「おお振り」の中で
重要なポイントだと思います。
皆での瞑想は勿論ですが、その後の描写で、
相手の手に触れるということが何度となく出てきますので。
また、この瞑想では、部員だけじゃなく、
千代ちゃんと監督とシガポも加わっているのが良いです。
部全体でまとまろうとしている感じが出ています。

そして、春大!
阿部を語る上で絶対に外せない榛名の登場です。
この巻では意味深長に終わってて煽られますね(笑)。
でもここでは、阿部の気持ちがよく出ています。
旧友との再会のはずなのに、
対峙中、一度も笑顔を出さないのと、
両手を後ろに回し続けている部分です。
阿部はそれなりに緊張してたと思います。
というか、呼ばれてるのに出ていかないんだから、
よほど会いたくなかったんだと(笑)。
下の名前だけで分かっちゃう千代ちゃんが
なにげに凄いです。
部員が分からない分だけ余計に。

あと、会場へのランニングの直後で、
涙ぐんでる花井がかわいいです。
三橋は、長距離が得意らしいので、
ガクッと倒れこんでいるのは、
疲れたのではなく、気恥ずかしさかと思われます。
田島のチンコ日焼け発言もいいです。
水玉パンツ……!
注意されただけで、すぐに服を着るところもかわいい。

この巻では、榛名と阿部の過去が分からないので、
阿部の態度が生意気&素っ気無く見えますが、
三巻を読んだ後に読み直すと、
「なるほどねー」と自然に納得がいきます。
両手を身体の後ろにやりたくなる気持ちも分かりますので、
是非どうぞ。


2007-04-02 21:40  nice!(0)  コメント(0) 
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