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感想:漫画「おおきく振りかぶって」第7巻*ネタバレあり [おおきく振りかぶって]

先月末に発売されたアフタ本誌により、
いよいよおお振り七巻が発売されるとは分かっていたものの、
具体的な発売日を失念していた私にとって、
今日はびっくりでした。
山積みになってる千代ちゃん&シガポの表紙が!!
千代ちゃんはともかく、
シガポのネクタイの柄に、ちょっと笑ってしまいました。
あれは奥さんのセンスなのかな。
ま、夏っぽいからいいか。

さて、五〜六巻に続き、七巻も、最初から最後まで試合です。
この七巻の発売が遅くなったのは、
やはり単行本化するための修正作業において、
ひぐち先生が思うように時間を取れなかったせいだとは思いますが
(島崎くんの“四振”も直されてましたね)
やはり試合の途中の巻なので、
結果がつくらしい次の八巻を含めて、もっとペースアップして
サクサク出して頂きたかったというのが本音です。

以下、単行本の感想なのでネタバレがあります。
アフタ本誌で既に読んでいますので、
思うことに関しては一部重複しているかと思います。
(前の日記は、レンタルが終了したので、ログが残っていないのですが)
あと、私はアベミハ&タジハナのカプ萌え中です。

そして長文です。

────

今回の巻は試合の中盤以降の話なので、
最後に向けての大盛り上がりを残しつつ、
山有り谷有り……という展開です。

六巻までお読みの方はご存知かと思いますが、
この試合の序盤は、西浦を完全に舐めてた桐青高校に油断があり、
その隙をつく形で西浦が先制点を取ります。
しかし、さすがは去年の優勝校。
底力がある他、
ここぞという時に見せる素晴らしい実力で西浦を徐々に圧倒していく──
という話を受けて、七巻が始まります。

この巻の見どころは

・雨が酷くなっているので、
点差がつけばコールドゲームとして試合が途中で終わる可能性がある。
(コールドというと、大量得点差がついた時を思い浮かべるでしょうが、
このように降雨によるものもあります)

・桐青打線が徐々に三橋の球を捉え出しているのに、
肝心の三橋がオーバーペースのせいでバテ気味。

・攻撃の要である田島を含めて、思うように追加点が取れない。

が、挙がるかと思います。

最初は西浦優勢だったものの、
じわじわと桐青に力の差を見せつけられるという展開なので、
西浦>桐青の私にとっては、アフタ本誌で連載を追っていた頃は
本当に辛い数カ月間でした。
朝五時頃、家の裏のコンビニで買って、
家でドキドキしながら詠んだものです。

ワイルドピッチで追加点された後、
ルリの登場→退場までは、今、読み返してもせつないー!
そして、今回の書き足しページ!!
三橋の握力が戻った直後、
応援団の三人がホッとするページがありますが
(浜ちゃんが「がんばれよ。ぜってーあきらめんなよ」と言うページ)
もう……ね、泣きそうになります。
試合は雨のせいで終わるか終わらないかの瀬戸際だし、
ワイルドピッチで逆転→四球→何とかその回が終わったけどまだ不安
という流れは、
応援している側にとっては辛いですよね。
浜ちゃんは野球小僧だったので、
あの四球がわざとだって分かったかもしれませんが
(三橋が四球なんて滅多に出さないのを知ってるルリも含む)
他の一般の生徒なら、
「え? フォアボール? なさけないね」なんて
悪い方に誤解して思っちゃうかもしれないじゃないですか。
自校が負けてる試合って、「頑張れ!」って心から思うものの、
エラーなどでは明らかにがっくりしますから、
この時のスタンドの雰囲気は
あまり良くなかったんじゃないでしょうか。
でも、とりあえず試合続行が決まってホッとした浜ちゃんら三人が
気合いを入れ直して応援を頑張る……と、考えただけで、
私は感動しそうになります。

あと、西浦の攻撃の見せ場である桐青・高瀬対田島の戦いは、
今回は田島の三振で終わりますが
田島の最終打席に繋がるエピソードなのもあって
読んでてドキドキしました。
なんといっても、それまで散々
「田島は凄い」というのを出してきたので、
田島でも打てない→他の部員でも、もうどうしようもない
っていう危機的状況がよく出てますものね。
逆転されている以上、何としても点を取らないと勝てない。
点を取るためには、この高瀬を攻略しなきゃいけない。
でも、頼りの田島でも駄目
(彼の場合は、
他の部員にはあまり投げられてないシンカーに負けてるだけなので
純粋に今回だけが不調という意味はないのですが)
……こうやって連ねて書くだけでも、
負の連鎖みたいなものが見えてきます。
ここでも、
積極的に田島を応援しようとした浜ちゃんが良い味を出してますね!
この巻に限らないことですが、
ひぐち先生も実際に父母会の一員として試合に行かれているせいか
こういう応援の描写とか、話を入れるタイミングとかが
とてもお上手ですよね。
読んでて、「分かる分かる」と思ってしまいますもん。
この田島の打席にしても、
実際に戦っているのはグラウンドに立つ選手たちですが、
感極まったような利央の「ピッチャーがんばれー!!!」に始まり、
なにげに応援合戦になっているのが印象的で、心に残ります。

打てなかった田島が、一瞬だけ涙ぐむほど落ち込んでいるのに
自分で気持ちを切り替えたシーンは、やはり愛おしいです。
彼がコーチャーで走っていった後、
モモカンがホッとしたように息を吐いたのには
物凄く共感しました。分かるよ、分かる。
そして、その回の攻撃が終わって、
いつもなら励ます立場にいる田島が、
この時だけは逆に皆から励まされているのも良い……。
最終打席に入る直前の田島のことを、思い出しちゃいました。
(こちらは八巻に入ります)

そうそう、この時は、
水谷くんが、ちゃんと狙ってヒットを打てて良かったなーと。
だって、打席に入る前〜入ってる最中も、
三橋を気遣うモノローグが入ってるじゃないですか。
しかも、その対象の三橋は、ちょこんと正座なんかしちゃってるし。
前の打者(沖くん?)が敬遠されて、
満塁策取られたのが分かった瞬間の「……え?!」っていう顔が
とても好きです。
巣山くん曰く「まいあがってる」水谷くんですが、
でも、三橋を楽にさせたいから打ってやりたいって気持ちが
モノローグにありありと出てますよね。
けれど、改めてこの部分を読み直して確認したのですが、
こういうストレートな台詞は出てこないんですよ。
なのに、水谷が三橋を心配したり、優しく思い遣ったりしてる気持ちが、
「……オレは、ビックリしちゃったよ」を始めとする
言葉の端々に出ている気がします。
“男・水谷”って感じでした。

そして、かなり飛びますが、
ホームでのクロスプレーにおいて、
ブロック甘くて(阿部の体格を考えれば仕方ないかも)
吹っ飛ばされた阿部を見て
青ざめてる三橋が……!
その後に思いきり阿部に怒られてるのも含めて、
やっぱりこの辺はカプ者としては非常に萌えました。

ああ、九回の攻防を前にして、この巻は終わるんですね。
なにせ桐青戦の最後が掲載されたアフタは、
確か82Pぐらいありましたよね(笑)。
本当に本当に、次の巻が楽しみです。

────
以下はおまけに関する感想です。

■まずは、定番となりつつある?巻末のおまけ解説。
タッチアウトについてはともかく、フォースアウトについては、
実際に野球を見ながらでも説明が難しいので、
ひぐち先生もよくまとめられたなーと思います。

一応、フォースプレイ(フォースアウト)のWikiを貼っておきます
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4

物凄く端折っていうと、
ランナーは、ベースにくっついている間は安全です。
しかし、一つの塁に二人以上のランナーはいられないというルールがあるため、
どうしても進塁しなきゃいけない状況になる場合があります。

例えば、一・二・三塁全てが埋まった満塁状態の時に、
次の打者が四球(フォアボール)になったとします。
四球になると、その打者は自動的に一塁に行けます。
(これも、一塁に行くまではフォース状態です。「行かなければならない」ので)
しかし、一〜三塁にはそれぞれのランナーが既にいるため、
そのままでは四球となった打者が一塁に進めません。
なので、打者を一塁に行かせるために、
各塁の打者をそれぞれ一つ先に進塁させます。
一塁ランナーは二塁に、二塁ランナーは三塁に、
そして三塁ランナーはホームに返ります(得点が入る)。
この、進塁しなければならないことを、フォースの状態というわけです。
ちなみに、この例で挙げた得点方法を、「押し出し」と言います。

フォースの状態になるというのは、良くもあり悪くもあります。
また、自分たちが攻撃なのか守備なのかで、がらりと変わります。
“進塁しなければならない”ということで、
ランナーの行動は、ある程度、守備側に読めるようになってしまいます。
なので、自チームの守備中、
相手チームのランナーが出ていて、アウトカウントに余裕がある場合は、
その時の状況を適確に判断し、より守りやすいようにします。
(アウトカウントを取りやすくする)
そのまま普通に試合を進める時もあれば、
このように塁を埋めてフォース状態にする時もあるわけです。
これは、アウトカウント数や、ランナーの人数&場所、
試合状況によって変わります。
(勝っているのか負けているのか、同点なのか、
また、それぞれのチームの状況や戦力でも違ってきます)

ピッチャーは投げるので結構精一杯なので、
こういう時に、キャッチャーがあれこれと考えて組み立ててあげると
楽なわけです。
……なので、崎玉のイッチャンは、
大地くんが全然頼りにならないため、
あの試合では物凄く苦労したわけですよ。
暑くて疲れているのに、
配球の組み立てと状況判断も一人でしなきゃいけないわけですから。

単行本でひぐち先生が例として挙げられている和さんの例ですが、
ここではタッチプレイの例も兼ねてるので、
ちょっと分かり難いかなーと思います。
(といっても、
野球を観戦していれば、そう珍しくもなく見られるものなのですが)
この漫画を通して野球に触れた方で、
いまいち理解できないとおっしゃる方は、
それぞれを分けて考えたあとで、
融合しているその例について考えられると良いかもしれません。

タッチせずにアウトにできる時(フォース状態)と、
タッチしないとアウトにならない時(フォースでない状態)があって、
タッチせずに済むならしない方が楽なので
(コンマ一秒を争う素早い動きが要求されるので、
余計な動作は省きたい&
タッチしたつもりがしていなかったというミスも防ぎたい)
敢えて和サンは、フォース状態を西浦に作らせるために、
四球にして、一塁を埋めて満塁策を取ったというわけですな。

今回、この例において、
ひぐち先生の注意書きはないですけれど、
水谷は八番打者で、それまでの打席も宜しくない結果が出ているので、
彼ならば簡単に三振を取れるorフライかゴロに打ち取れると
和サンが予想できたからなのもあるはずです。
その試合で好調なバッターを前に、こうしたことをやってしまうと、
もし彼に大きな一打があった場合、
塁を埋めて楽にするつもりだったランナーに予想以上の進塁を許したり、
下手をすればホームに帰られる可能性もあるので。
(万が一、これでホームランを打たれたら、
ランナー+打者分の得点が入るので、目も当てられません)

■次は氷オニ。
以前に日記などで書いたかもしれませんが、
関東北部に住む私は、一度もやったことがないです。
聞いたこともなかったので、おお振りで始めて知りました。
それこそ、慌ててネットで調べましたよ。懐かしい。

ちなみに、ジャングルジムでの彼らを見た時に、
“ジャングル氷オニ”を、一瞬だけ
“ジャングル氷オナニー”と読み違えてしまって、
「いくら、ひぐち先生が下ネタ大好きでも、今回のこれはやりすぎ!」と
勝手に思ってしまいました……。
すぐに気付いたあとは、そんな自分が嫌になりました orz

これ、逆立ちっぽいことをしてるのは、
最初、何故か花井かと思ったのですが、
彼はジャングルジムの向こう側の端にいるので、
これは田島ですよね……? 運動神経良いし。

というか、
ジャングルジム組は、向かって左から、
田島、巣山、三橋、花井、泉で合ってますよね?
オニは二人で、巣山と泉なのかな。

で、下のへばってる組(笑)が、向かって左から
水谷(持ってるのはストップウォッチ?)、西広、栄口、阿部
……そして顔が見えない沖、なのかな。
西広もなんか危ういですが、どう見ても沖には思えないので
このように判断しました。
踏み外してる例の三橋の絵がかわいい★
私は女なので経験はないですが、確かに痛そうです(笑)。

今、思ったんですが、泉は助け役?
凍った三橋を溶かしてる人??

■次はカバー見返し。
次は誰だろうというのが、単行本を買う時の楽しみの一つですが
まさか、にしうらーぜのママンたちとは!
しかも、母親→子、子→母親の呼び方付き!
私は同人で、健全オールキャラ小説を書いているのですが
登場人物として母親たちもよく出すので、
下の名前だけでも判明したのは物凄く有難いのですが、
呼び方まで分かったのは、本当に助かります。嬉しい!
小説に関しては、量が多くて修正しきれないので、
あれらは過去に書いたものとして割り切ってそのまま展示しますが、
これ以降、発表するものに関しては、
このプロフィールに合わせて正しく書いていきます。
皆の名前に「へぇ、ふうん」と思いましたが、
一番、興味を持ったのは、花井のお母さんです。
やっぱり花の名前なんだーと思って。
もしやお父さんが婿入りしたのではと、推測してます。
(そうでなくても、お父さんも木や草花の名前だったら凄いですね)

ママンたちが、子供らの幼い頃の写真を持っているのも嬉しい。
泉くんにびっくりです。
坊主? ということは、もしかして浜ちゃんもそうだったとか?

■最後に、カバー裏。
私は千代ちゃんも大好きなのですが、
彼女の部活中の行動についてはあれこれと想像するばかりだったので
きちんとした行動設定を出してもらえて
(特にオニギリのボード! あんなのがあったとは)
まさに、ありがたや〜と思いました。
で、田島から貰ったという巨大麦わら帽子が凄いですね!
あんなのが存在することすら知らなかったので
見た瞬間は目が点になりました。びっくり。
マウンドに芽が生えた時のミニ三橋&阿部の絵がかわいい〜。
(三橋はネコ目なのに、阿部は白目剥いてるのがもう/笑)
千代ちゃんのマネージャー業については、
まさに最後のコマのお友達が発する言葉に
全てが集約されているような気がしました。

以上です!
ザッと書いたのですが、ここまでまとめるのに二時間近く掛かりました。
疲れたので、単行本を読んで萌え萌えしてきます。


2007-01-23 22:35  nice!(0)  コメント(2) 
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コメント 2

そっすよねー

やっぱりこのペースで試合描いてもらって、
読者としてはとっても嬉しいけど、
実際問題このペースで決勝までいかせてもらえるんだろうか
ってゆう漠然とでも確実に忍び寄る不安感がぬぐえないです
一試合に約3巻・・・
何試合もやったらエライ巻数、出版までの時間になっちゃいますよね

でも、今巻も良かった!
それぞれの思いがモモカン、アベ、向こうの監督、和サンをメインに錯綜に錯綜しまくってて、こっちまでハラハラでした!
心配するハマちゃん、まだ状況を楽観視してるライバル校サイドとも時折うまくリンクしてあって良しでした!
まさかのワイルドピッチ、田島の不調に、ミハシの球の性質に気づき始める和さん。不安要素がジワジワと紙越しにつたわってきました
でもやっぱり、一度見たブロックプレーを心配して、バックホームをためらったミハシに詰め寄ったアベはミモノでした。DVに負けるな★
by そっすよねー (2007-03-03 21:37) 

さくら

>そっすよねー様

初めまして。
まさにおっしゃる通りで。
やっぱり野球マンガなので
試合描写の丁寧さは、いちファンなので嬉しいのですが、
このペースで県大会を描き続けていくとなると
かなりのページ数&年月が必要ですよね(笑)。
私も、毎月、一喜一憂しています。

>ミハシに詰め寄ったアベ
あの迫力は凄いですよね!
びびりまくっている三橋は可愛いですが。
あと通訳の田島は凄いと思いました(笑)。

コメントありがとうございました。
by さくら (2007-03-05 19:22) 

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