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感想@アニメ「鉄血のオルフェンズ」 [アニメ感想]

テレビアニメ「鉄血のオルフェンズ」の感想です。
以下の記述にはネタバレを含みます。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ Blu-ray BOX Flagship Edition (初回限定生産)

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ Blu-ray BOX Flagship Edition (初回限定生産)

  • 出版社/メーカー: バンダイナムコアーツ
  • 発売日: 2020/03/27
  • メディア: Blu-ray


BS11で一年間再放送されていた
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」が、
先日、最終回を迎えました。
漫画「皇国の守護者」の伊藤悠先生がキャラデザということで、
これは良い機会だと思い、
私もこの再放送をほぼ初見でずっと追いかけてきました。
皇国の守護者 1 (ヤングジャンプコミックス)

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  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/03/18
  • メディア: コミック

漫画の「皇国」は、
今でもたまに読み返すぐらい好きです。
(漫画版を読むと原作の小説も読みたくなるので、
結果的に佐藤御大の小説も同じくらい読んでます)



鉄血を見始めてちょっと驚いたのは、
戦い方や演出が他のガンダムと違った点です。
打撃が主で、敵の攻撃を受けても機体が盛大に爆発せず、
外装がへこんだり剥がれたりしていたり、
ビーム兵器のような飛び道具が出てこなかったことが、
とても新鮮でした。
その泥臭さが鉄血のキャラデザに合っていたので、
大変良かったです。

また、主人公たちの鉄華団が孤児の集団ということで、
何も無いところからのし上がっていくだけでなく、
大人に利用されて振り回された挙句、敗北して終わるのも、
他のガンダムには無いように思えたことから、
独自性を強く感じました。
ただ、これには、佳境に入ったにもかかわらず物語が失速し、
主人公たちが辛い目に遭う機会が増えるにつれて爽快感が失われ、
そもそも見ていて楽しくない時も少なくなかったことから、
高い評価をつけることには抵抗を覚えます。
以前、ネットで、
制作側は鉄血で「滅びの美学」を描きたかったと見ました。
私も新撰組が好きなので、その魅力については理解できるものの、
全50話を観てきた最後があの最終回というのは、
その労力に見合わない気がしました。

その最たるものは、ラスボスとなったマクギリスの件です。
1期のマクギリスはまだ良かった……。
マクギリスが仮面の男として暗躍した設定は面白かったですし、
彼が親友だったはずのガエリオを裏切り、倒すというのは、
実は生きていたガエリオが復讐に走るというその後も含めて、
熱い展開で、私も好きでした。
しかしながら、2期のマクギリスについては
とても見ていられなかったです。
話が進むにつれて浅はかな行動を取るようになった彼に対して、
策士キャラ設定はどこにいったんだと、私は何度も苦笑しました。
金髪碧眼というノーブルな外見、櫻井孝宏さんの格好良い声と、
私の好みどストライクなキャラだっただけに、本当に残念でした。
(死ぬ直前の顔アップの作画がとても良かったのは、嬉しかったです)
そういえば、マクギリスの死後のアルミリアについて、
描写が無かったように思うのですが、
ちゃんと幸せになってくれればいいなと願っています。
マクギリスがロリコンになるかどうかは別として、
幼いアルミリアが彼の婚約者として毅然としていたのは
とても好きでした。
全てを捨てて彼女の元に帰っても良かったのにね、マッキー……。



主人公・三日月の死に方についても、
あれはないだろうと思いました。
三日月については特に思い入れは無かったのですが、
目の前の敵を何の感情もなく殺せるキャラという設定には
新鮮味があり、好きでした。
善人・悪人問わず、敵がぐだぐだ言っている途中で
三日月が容赦なくサクッと倒す様子は、
無慈悲で残酷であると同時に、
生きた戦闘マシーンとして純粋であるとも思えてならず、
オルガとの絆をより強く感じられる要素でした。

三日月は常に最強キャラとして描かれ、
実際、最後の戦闘でも無双を誇りましたが、
そんな彼が宇宙からのビーム兵器で撃たれるという展開は、
驚いた以上に呆れました。
強過ぎた三日月を制作側が持て余した感が強かっただけでなく、
ビーム兵器をあまり使ってこなかった作品の特色も
ここで一気に失ったように見えました。
普通に戦ったのでは三日月を絶対に倒せないので、
ラスタルだけでなく、制作側も
奥の手を使うしかなかったとは分かるのですが、
彼を殺す手段をビーム兵器以外にしてほしかったですし、
そもそも何をやっても彼を殺すのが難しいというなら、
いっそ生かしても良かったのではないかと思いました。



そして、ヒロインの一人・クーデリアについて。
お姫様ポジションのヒロインが、
住む世界が違う主人公たちと関わることで触発され、
心を成長させていくというのは、
ガンダムに限らずよくある展開です。
クーデリアもまさにそうで、
鉄華団と親しくなっただけでなく、
1期の終盤で身近な側近を目の前で失ったのを受けて、
活動家として本格的な第一歩を踏み出しましたが、
2期に入ると蚊帳の外に追い出されていたのが不思議でした。
彼女と三日月の関係も、何だったんだろうと思っています。
1期での不意打ちのキスが大変良かっただけに、
2期になってアトラから
「クーデリアさんも三日月の子供を作ろう」と言われた時は、
耳を疑いました。
アトラには、彼女が子供子供と言い出したあたりから、
変な生々しさを感じるようになり、
私は苦手感を覚えるようになりました。
また、メリビットさんの件も含めて、
鉄血は主要キャラのカップリングが理解できませんでした。
メリビットさんについては、
てっきりオルガと恋仲になるものだと思っていたので、
「え? そっち?」と驚かされました……。



あと、絶対に触れておきたいイオク様について。
通常ですと、やる気が空回りする熱血キャラは、
ネタ要因として作品ファンから愛される場合が多いですが、
イオク様を見ていたら、
実力が伴わない場合は逆にヘイトを集めてしまうのだと
よく分かりました。
ポンコツの度合いがあまりに大きいと、見ていて苛立ちます。
制作側もちゃんとそれを理解していて、
彼を敢えて現実世界での叩かれキャラにしていると感じられたのも、
私は嫌でした。
作中で部下から慕われているようなのが、唯一の救いでした。



このように、不満を書きだすと止まらないのですが、
一年間、毎週ずっと観てきたのを思うと、
作品としては好きだったんだと言えます。
(途中で視聴を挫折したガンダムはたくさんあるので……)
放送は欠かさず録画していたので、
時間がある時にでも最初から見直したいです。



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2021-03-08 08:54 
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