さくらもちモチ

感想@NHK連続テレビ小説「なつぞら」第19週：なつよ、開拓者の郷へ*ネタバレあり　[NHK連続テレビ小説感想] [編集]

NHK 連続テレビ小説「なつぞら」の感想です。
今回は、第19週「なつよ、開拓者の郷へ」について記します。

以下の記述にはネタバレがあります。

前回の感想記事はこちら。
【「なつぞら」第18週：なつよ、どうするプロポーズ*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2019-08-06-2



坂場さんのプロポーズを受けたなつに続き、
十勝に戻った夕見子も雪次郎から求婚されたことで、
柴田家に春が二つもやって来ました。
先週の坂場さんの掌返しといい、
今週の農協の工場騒動といい、駆け足展開で、
雪次郎のプロポーズも唐突だったので、
雑な作りという印象が強かったのですが、
東京のアニメーター編よりは面白かったです。

ただ、これはツッコミを入れずにはいられませんでした。
雪次郎「（夕見子のことが）昔からずっと好きだ」
→学生の頃に好きだったのは知ってる。
でも夕見子を意識している描写が大人になってからあったのは
今週の放送からでは？

夕見子「結婚するならあんた（雪次郎）しかいないと思ってた」
→「いつから」と問われた夕見子「なんとなく。気付いたら」

創作の世界では、
登場人物の台詞に相応の意味と重みがあります。
雪次郎が「ずっと好きだった」と言ったなら、そうなんでしょう。
夕見子が無自覚のうちに
雪次郎を結婚相手だと認識するようになったと言ったんですから、
視聴者はそれが嘘だとは言えません。
でも「なつぞら」全体に言えることですが、
過程の描写をすっ飛ばして、唐突に結果だけを流したり、
細やかな心情を台詞だけで説明されると、
私にはとても薄っぺらく思えてしまうので、
共感や感動といった心が震えることには繋がらなかったです。
今回も「へー、そうなんだ」と流して終わってしまいました。


何より、主要人物の年齢がなつとほぼ同じだということと、
狭い世界での結婚話ばかりなので、
先週・今週の結婚ラッシュは何なんだろうと首を傾げました。
この「なつぞら」の世界では、
主人公のなつが結婚しようとしないと
彼女に近しい人は自由に結婚できないのかと
意地の悪いことも一瞬だけ思いました。

あと、土曜日の結婚披露宴にて、
なつが白無垢姿なのに、一緒にいる夕見子が打掛姿なのが
とても気になりました。
合同結婚式なら二人とも白無垢じゃないんですかね。
もし、先進的な考えを持つ夕見子が、
よくある白無垢姿を嫌がったというなら、
それを拒否するシーンを入れるべきでは？と思いました。



他、私がとても気になったのは、
富士子さんのなつへの過剰な賞賛です。
嫁入り道具の一つとして、
お料理のレシピノートをなつに渡すシーンはとても良かった
（夕見子には敢えて渡さないところも良かった）のに、
いくら幸せに浮かれた比喩とはいえ、
夕見子の結婚もなつが運んだ奇跡として挙げられていたのには
ちょっと閉口しました。
それこそ、夕見子に「なんでもかんでも、なつのお陰なの？」と
怒鳴ってほしかったです。
たとえなつが柴田家に来なかったとしても、
夕見子はちゃんと良い子に育ったでしょうし、
良い人と結婚できたと思います。

それに、なつが我慢強いという評価は
幼い頃の印象だけでなのではないでしょうか。
少なくとも、東京に来てからのなつは、
勢いに任せて暴言を吐くことが多く、
謝ったとしても形だけ……という方が目立っています。



結婚披露宴の直前で、カレンダーで再び月日が流れましたが、
この間も坂場さんは無職なんですよね……。
なつが納得していることとはいえ、
「いいのか、それで」と思いました。
また、二人の新婚生活だけでなく、
婚約期間の日常の描写が全く無い状態で
それなりの時間が経過してしまいましたが、
次週はもう妊娠・出産・育児シーンに入るようで。
驚かされました。


続きはこちら。
【感想@NHK連続テレビ小説「なつぞら」】
第20週：なつよ、笑って母になれ*ネタバレあり
https://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2019-08-17-3