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感想@ドラマ「ゴーストライター」第3話:罠か、チャンスか、デビューの甘い誘惑*ネタバレあり [テレビドラマ感想]

ドラマ「ゴーストライター」の感想です。
今回は第3話「罠か、チャンスか、デビューの甘い誘惑」についてです。

キャストさんはこちら(敬称略)。
遠野リサ(中谷美紀)
川原由樹(水川あさみ)
神崎雄司(田中哲司)
小田楓人(三浦翔平)
塚田真奈美(菜々緒)
田浦美鈴(キムラ緑子)
遠野大樹(高杉真宙)
遠野元子(江波杏子)


前回の感想はこちら。
【第2話:夢か結婚か、それとも嘘か…泥沼の決断*ネタバレあり】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2015-01-22-2

以下の記述にはネタバレを含みます。

————

第3話のあらすじはこちら。

 小説執筆に行き詰った遠野リサ(中谷美紀)に代わり、川原由樹(水川あさみ)がプロットを書くようになってから連載小説の評判が上がり始めた。リサは罪悪感を抱えながらも、由樹のために彼女の才能の扉を開いただけだと自分に言い聞かせてプロットを書かせ続ける。

 事情を知らない小田颯人(三浦翔平)は、再び神崎雄司(田中哲司)に由樹の原稿を読んで欲しいとお願いする。耳を貸そうとしない神崎だったが、由樹の名前を聞くと原稿を受け取る。

 リサは、由樹に豪華な仕事部屋を与えた。恐縮する由樹に、リサは駿峰社で始まる新連載のプロットは設定からストーリーまで自由に書いていいと告げる。

 神崎がリサの事務所にやって来た。対応した由樹に神崎は、新連載はプロットだけでなく小説を書いてみないかと持ちかけた。突然のことに戸惑う由樹。

 リサはテレビ局の廊下で、同時期に新人賞を受賞して以来ライバルと言われていた女性作家の向井七恵(山本未來)とすれ違う。人気作家となったリサとは反対に数年で姿を消した七恵は、10年ぶりにエッセイ本を出すことになったという。事務所に戻ったリサは、神崎から七恵のエッセイ本と自分のエッセイ本の発売日が同日であると知らされる。

 数日後、由樹が新連載『おとぎの国の住人』のプロットを提出した。それを基に小説を書き始めるリサだったが、由樹もまたひそかに『おとぎの国の住人』の小説を書き始めていた…。


今回も面白かったですヽ(o・ω・o)ノ
一時間があっという間に過ぎました。
特に、暗躍する神崎雄司(田中哲司さん)の下衆っぷりが
たまらなかったです。
彼のせいで、遠野リサ(中谷美紀さん)と
川原由樹(水川あさみさん)の対立が深まり、
二人とも辛い思いをさせられていますが、
他人事として外から見る分には面白いです。



今回は、由樹に対するリサの依存度が高まるにつれて、
由樹の中で不満もより高まっていくという
負の連鎖が見られました。
もし、リサが家に引きこもるタイプの作家さんだったなら、
由樹もまだおとなしくしていたと思います。
でもリサは、既に文化人タレントとして活躍しているようで、
テレビや雑誌、講演会といった形で表に立つ機会が多いんですよね。
そこでの、新刊への感想に対するお礼や謙遜の言葉も、
作品の元となるエピソードの披露も、
本来は由樹が発するべき言葉なので、
彼女は相当悔しかっただろうなとは容易に伺えます。
別にテレビに出たいわけじゃない、
人前で喋りたいわけじゃないけれど、
その作品を出した自分が正当な評価を全く受けられず、
赤の他人が嬉々としてそれを受け取っている姿は、
言葉で言い表せないほど辛かったでしょう。
放送の終盤で出た由樹のどっきりは、
今後見られるであろう彼女の裏切りを予感させることもあり、
かなり怖かったです。

また、自分名義の本を出せる誘惑に負けた由樹の気持ちにも
深く共感できました。
これまでの苦労を思えば、
また、「これが駄目だったら田舎に帰る」と決めたほどの
その作品に対する思い入れの深さも踏まえれば、
たとえ本屋の片隅にひっそりと置かれる程度でも嬉しいことです。
でも、ネームバリューが無い現実は
由樹が想像していたより厳しかったようで……。
前に、新人賞を獲った若い男性が、
「賞を獲ただけならたくさんいる」言われていたように、
賞を獲っただけでは駄目→本を出しただけでは駄目となって、
結局、“出した本が売れなければ駄目”になり、
“未来永劫、ずっと本が売れ続けなければ駄目”となって、
リサのように苦しむのかなと思いました。
そういう仕事なので当然なのかもしれませんけれど、
リサが感じているプレッシャーは
彼女が「今の状態が続くなら死んだ方がまし」と
思わず呟いたように、
半端なものではないようだと実感できました。



ぎすぎす、ひりひりした緊張感が漂う空気が続く中で、
リサが息子の大樹(高杉真宙さん)に向かって
どうして小説を書こうと思ったのか、
これまで書き続けてきたのかを語るシーンだけは、
彼女の表情が柔らかかったのも相まって、
空気も少し和んでいました。
肝心の大樹が「言い訳かよ」と言って水を差していましたが、
そこで彼女の気持ちを彼が汲めるようになったら、
彼女も救われるのになぁと、
思わずにはいられなかったです。

また、向井七恵(山本未來さん)の登場も良かったです。
長い間、書けなかった→そこから復活した彼女を見たリサが
「私も、書けるようになったらまた書けばいいんだ」と
思い直してくれれば、
まだ傷は浅くて済んだのでしょうが
(尤も、それではドラマにならないですが)
既に書けない状態であるのに、
平然とそうでない振りをし続けるのは、
見ていて痛々しいと思えてならず、
せつない気持ちになりました。



来週からは、
いよいよリサと由樹の優位が逆転するのでしょうか。
もはや由樹無しでは成り立たない分、
リサはより哀れになっていくと思いますが、
そこから這い上がるであろう彼女への期待を抱いて、
今後も熱く見守っていこうと思っています。


続きはこちら。
第4話:原稿をください…消えた天才作家の誇り*ネタバレあり
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-5

宜しければ合わせてご覧ください。


2015-01-28 10:13  nice!(0) 
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