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感想@映画「北の零年」*ネタバレあり [映画・舞台]

映画「北の零年」をDVDで観ましたので
感想を記します。

北の零年 通常版 [DVD]

北の零年 通常版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東映
  • メディア: DVD


主な出演者さんはこちら(敬称略)
小松原志乃:吉永小百合
小松原英明:渡辺謙
アシリカ(高津政之):豊川悦司
馬宮伝蔵:柳葉敏郎
小松原多恵:石原さとみ/大後寿々花
堀部賀兵衛:石橋蓮司
馬宮加代:石田ゆり子
持田倉蔵:香川照之

以下の記述にはネタバレを含みます。


————

図書館でDVDを借りて観ました。
タイトルと吉永小百合さん主演という点だけ知っていて、
こちらが明治維新直後の北海道開拓話であることは
DVDのパッケージを見て初めて知りました。
日本史好きですが、恥ずかしながら、
“庚午事変”という出来事も初めて見聞きしました。
この事件が無ければ
淡路島が兵庫県にならなかったかもしれないというのは
凄いですね。
【ウィキペディア】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%9A%E5%8D%88%E4%BA%8B%E5%A4%89



「すべての夢はゼロから始まる…。」というキャッチコピーもあり、
私は、小松原夫婦たち稲田家の家臣が、
冬の厳しい天候や痩せている大地に苦しめられながらも
力を合わせて必死に生きていく話だと思っていました。
DVDの特典として
劇場予告やテレビCMが見られるようになっており、
「この結末は誰も思い付かない」というようなナレーションが
入っていましたが、
ええ……こんなに最低な結末だとは全く思っていませんでした。
意外で意外でびっくりしました。

言葉は悪いですが、
「誰が見たいんだ、こんな映画」というのが一番の感想です。
劇場予告やテレビCMでは、
家臣たちが開墾に苦労するシーンばかりが使われていましたが、
これを見て「映画館で観てみたい」と思った人は
さぞ「裏切られた」と悔しく思ったことでしょう。
そんな内容の作品でした。



多分、スタッフさんは、
小松原志乃(吉永小百合さん)を
けなげな女性として強調するつもりで、
小松原英明(渡辺謙さん)の裏切りを描いたのでしょうが、
最低最悪な形で失敗しています。
もしかしたら、
上記のようなお約束の王道展開を望む私のような観客を
良い意味で裏切る為に、
わざと普通でない展開にしたのかもしれません。
でも、それが完全に裏目に出ています。
物語の前半で、小松原英明をあんなに良い男に描いたのだから、
最後には志乃の元にちゃんと戻ってこなくちゃ駄目でしょう。
今まで戻らなかった理由も、
他の女性と結婚して子供まで作ったから……でなくて、
たとえば、悪い人に捕まっていたとか、記憶喪失だったとか、
つまらない理由で構わないので、
志乃に対して貞節であってほしかったです。
とにかく小松原英明が酷すぎます。
これ、誰も不満を言わなかったんでしょうか。
言っても揉み消されちゃったのでしょうか。
監督がこれでよくOKを出したなと呆れています。



小松原英明の失踪後、
皆からの冷たい仕打ちに耐えかねた志乃たち親子が
雪の中で行き倒れになった直後も、
いきなり五年も飛んでしまってびっくりです。
五年後は色々と変わっていましたが、
本来、物語の肝となるのは、
徐々に変わっていったこの五年間ですよね??
物語の序盤では、
テロップで「一年目 冬」という説明を出していたんですから、
略さずに、そのまま丁寧に描いてほしかったです。

そういえば、とある少年が
持田倉蔵(香川照之さん)を災いの元だとの予言をするという
わけの分からないシーンもありました。
そんなことをして観客にわざわざ注意しなくても、
倉蔵の怪しさはあれで充分伝わっていたと思います。

アシリカ(豊川悦司さん)も勿体無かったなぁ。
彼の業(設定)は、
志乃の強姦未遂事件の為に作られたものですよね。
これは無くても良かったと思います。
志乃親子とアシリカの交流も、
いきなり五年後に仲良くさせるのではなくて、
その過程をもっともっと見たかったです。
五年前の描写だけでは全然足りないです。



小松原英明が札幌に行って行方不明になり、
志乃親子が辛い目に遭うところまでは、
まぁまぁ見られると思います。
特に、第二陣の船が難破したと分かった直後、
ありもしない殿からの言葉を小松原英明が勝手に言い、
皆を励ますシーンは、凄く良かったです。
一番の名シーンだったと思います。

でも、ラストに繋がる五年後からの展開は酷いです。
久し振りに、見ていてぽかーんとしてしまった映画でした。



2013-07-18 21:37  nice!(0) 
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