さくらもちモチ

感想@ゲーム「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」*ネタバレあり　[アニメ・ゲーム・漫画・小説] [編集]

PSPゲーム「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の感想です。

以下の記述には、途中から少々のネタバレを含みます。
このゲームは、被害者や犯人・黒幕が分かってしまうと
プレイ時の面白味が半減しますので、
未プレイの方は閲覧にご注意下さい。
*ネタバレを開始する時はその旨を記します


私はゲーム「逆転裁判」のファンで、
他の推理ゲームもちょろちょろと遊んでいます。
ただ「ダンガンロンパ」を知ったのはごく最近で、
ネットで評判を見かけてから気に掛けていたところ、
知人に貸してもらえることになったので、
有難く思いながらプレイしました。
難易度は、推理・ミニゲーム共に一番簡単なものを選びました。

殺人事件が発生→主人公が現場の捜査や聞き込みをして証拠品とする
→裁判で見つけた矛盾に手持ちの証拠品をぶつけて、真実を見つけ出す
……と、メインシステムだけで言えば、まんま逆転裁判です。
そこにミニゲームを加えることによって、
ユーザーに緊張感を与えると同時に、
タイトルに合った世界観を齎しているなぁと思いました。
ノンストップ議論における
「証拠品を弾丸とする“言霊（コトダマ）”で矛盾を撃つ」なんて
上手いです。


殺人が始まらなければ、当然、ゲームも始まらないので、
生徒間での殺人が次々と生じますが、
最初の殺人が発覚した時は怖かったのに、次第に馴れてしまい、
遂に、自分の中で
「次は誰が殺されるんだろう」という興味の方が勝った時は
ちょっと驚いてしまいました。
勿論、これはこのゲームが面白い（学級裁判が楽しい）からなんですが、
内容が内容なので、人としては駄目だなぁと思わないでもなかったです。

また、好きなキャラクターが霧切響子と十神白夜でしたので、
まだ生徒の死に馴れていない序盤は、
もし彼らが死んだら嫌だなぁと案じる時もありました
（そのうち、死んだら死んだで仕方が無いと
あっさり割り切れるようになりました）。

最初の学級裁判に臨んだ時は、
あの独特の雰囲気に圧倒されたこともあり、怖さを感じたのですが、
ゲームが進行すると、また違った意味で怖くなったのが新鮮でした。
学級裁判では、全員で一つの円を作るように並び、向かい合います。
死んでしまった生徒の席もちゃんと残されていて、
そこには、赤で×印が書かれた遺影が飾られるんですけれども、
ゲームが進行すると、死んでしまった生徒の方が増えるので、
遺影・遺影・生きている生徒・遺影・生きている生徒・遺影・遺影
……みたいな並びになるんです。
これがじわじわと地味に怖かったです。
死体や処刑シーンを見た時以上に、その生徒の死を強く実感しました。


学級裁判のシステムについて良かったと思ったのは、
上記でも挙げた「ノンストップ議論」と、
裁判の最後で行なわれる「クライマックス推理」です。
後者は、殺人事件の流れが漫画で示されるので、
空白のコマに、手持ちのコマから適したものをはめていく……
というミニゲームです。
勿論、この時点では全てが明らかになっていますので、
ユーザーは、真犯人も殺人の動機も手法も分かっているんですが、
それらを改めて絵で見ると
自分の頭の中が整理されるので、より納得できるんです。
これは素晴らしい、画期的なシステムだなぁと思いました。
ただ、選択肢のコマによっては
見辛くてよく分からない絵もあったので、苛々しましたw

逆に、よく分からなかった……というか、
無くても良かったのでは？と思えたのは
「マシンガントークバトル」です。
私がミニゲームの難易度を低く設定したせいで、
無意味になってしまったのでしょうが、
音に合わせてただボタンを押すだけだったので、
単なる作業と化していたのが残念でした。


かったるいなぁと思ったのが、プレイヤーの移動です。
“マップ”を使ってある程度は飛べるものの、
各部屋の中には入れないですし、
階を跨いでの移動もできなかったので、
寄宿舎から校舎の五階に移動とか、もうもう面倒臭かったです。
「ダンガンロンパ2」は既に発売されていますが
ここは是非、改善して頂きたいです……。


それと、“学級裁判”が良いシステムなのに、
閉鎖的な環境での殺人だからか
殺人事件そのものはシンプルで、
どんでん返しなどが無かったのが物足りなかったです。
こう、裁判中に「あぁ、そうだったのかー！」という驚きを
たくさん感じたかったので……。



ここからは、各章について感想を記していきます。
ネタバレがあります。


CHAPTER01：イキキル
最初の殺人事件・最初の学級裁判です。
まだ、生徒の顔と名前が一致せず、彼らの性格も分からないので
被害者・加害者ともに感情移入できなかったせいか、
悲しさや怒りを覚えるよりも、
「本当に殺人が起きてしまった」という怖さの方が勝りました。
捜査の段階で犯人が分かっていましたので、
その後に犯人を見る度に「あぁ、こいつが犯人かー」と思ってしまい、
複雑な心境になりました。


CHAPTER02：週刊少年ゼツボウマガジン
不二咲千尋については、
プロローグでもじもじしている彼女を最初に見た時から
「男の娘（おとこのこ）っぽいなー」と思っていたので、
そうだと分かった時は「やっぱりww」と嬉しくなりました。
ただ、この事件のみ、捜査終了までに犯人が分からなかったので、
それが判明した際には意外に思えたのと、
その動機（引き金となったこと）に対し、
やるせない気持ちになりました。
でもこの章は、ジェノサイダー翔に全部持っていかれた気がします。
彼女のお陰で、その後、
腐川冬子のうじうじがあまり気にならなくなりました。


CHAPTER03：新世紀銀河伝説再び！装甲勇者よ大地に立て！
石丸清多夏がですね……
私、煩い人とモーションが長い（うざいから）人が苦手なので
怒鳴ってばかりいる石丸君も、当然、好きではなかったんですが、
この章で一言も発しなくなった彼を見て、なんだか物足りない
──と思ったものの、
彼が自称「石田」と化した後は、
やっぱりうざいと思うようになりましたw
この章でのセレスの行動は、ミステリの定番ですよね。
なので、捜査の前から犯人が分かっていたので
生徒が二人も死んだ割には、物足りなかったです。


CHAPTER04：オール・オール・アポロジーズ
それまでノーマークだった大神さくらに
凄く凄く興味を持てました。
さくらちゃんいいよー！！
この事件も、第3章と同様に、
捜査に入る前に犯人（？）が分かっていたので
もう一ひねり欲しかったです。
話の内容が、学園の謎の方に重きが置かれるようになったせいか、
殺人事件が単調になりつつあるような気がしました。


CHAPTER05：疾走する青春の絶望ジャンクフード
受動的だった主人公たちが、第4章から少しずつ変わっていき、
この第5章で大きく変化しました。
私、主人公・苗木の“おしおき（シーン）”を唯一、
飛ばしちゃったのが悔いです。
内容は響子ちゃんと同じだろうと思ったので、
ここだけスキップしちゃったんですよ…… orz
クリア後にちゃんと見直しましたww
この章のみ正解が出ないまま終わってしまって
すっきりとしないので、
別の殺人と一緒に戦刃むくろの殺害も行なわれているという設定だったら
もっと面白かったのになぁと思いました。


CHAPTER06：
超高校級の不運が超高校級の殺人と超高校級の処刑と超高校級の絶望を引き寄せた理由
私は子供の頃に
クリスティの名作「そして誰もいなくなった」を愛読していました。
なので、こういう多人数のクローズド・サークル作品の場合、
「死者の中に真犯人がいる」という考えが根付いているので、
黒幕が彼女であることには驚くことができませんでした……。
ただ、彼女たちが双子であることにはびっくりしました！
それで苗木が、プロローグで彼女と最初に会った時に
「顔が違う？」云々と言っていたのかー！！と、
物凄く納得しました。
女の子にとって「盛る」ことは普通なので、
私も普通に読み飛ばしていましたが、
あれは重要な手がかりだったんですね……。
終盤、苗木が放つ「希望」の弾丸で
皆の「絶望」を撃っていくのが凄かったです。
あそこは興奮したー！！！



【総括】
皆、成長期なんだから、
二年間の記憶を丸々奪われていたなら
まず自分の身体に違和感を覚えるんじゃ……？といった疑問や、
あの学園内の不思議なこと（モノクマ含む）に対するツッコミは
ありますけれども、
そうしたことがどうでもよくなるほど面白かったです！
最後も「俺らの戦いはこれからだ！」的な終わり方ですが、
作品のテーマである希望もしっかりと感じられましたし、
きれいに終わっていたと思います。
これで、どう「2」に繋がっているかも楽しみです！

続編の感想も書きました。
プレイ感想@ゲーム「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」*ネタバレあり
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2013-01-09-1