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感想@アニメ「屍鬼」第悼と夜話(第18話):惨劇前の祭囃子*ネタバレあり [アニメ感想]

フジテレビ・ノイタミナ枠のアニメ「屍鬼(しき)」の感想です。
今回は第悼と夜話(第18話)「惨劇前の祭囃子」です。

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  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • メディア: Blu-ray

私は原作(小野不由美先生の小説)の大ファンです。
藤崎竜先生の漫画も、月刊ジャンプスクエアで一応読んでいます。
以下の記述には、先の展開も含めたネタバレがあります。
このアニメ版で初めて作品に触れる方は、閲覧にご注意下さい。


前回の感想はこちら。
第悼と弑魑話(第17話):律子の予感

各回の感想記事のURLは、他作品も含めて
こちらの一覧記事でまとめています。
2010年7月 開始作品

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まずはあらすじから。フジテレビの公式サイトより転載します。
千鶴にカルテの改ざんを報告する敏夫。彼はついに屍鬼の支配に下ったのだ。今宵は霜月神楽、祭囃子が鳴り響く。心浮き立たせる彼女に敏夫がひとつの提案をした時その音は惨劇の前奏曲となる。


ここにきて、お話の進行速度がかなり上がった気がします。
省かれたっぽい村民のエピソードも、幾つかありますよね
(これから描かれるかもしれませんので
本当に省かれたかどうかは分かりませんが)。

今回は、桐敷千鶴と共に霜月神楽に出向いた尾崎医師と、
とうとう屍鬼になってしまった律ちゃんのお話が
メインでした。


まずは前者。
屍鬼である千鶴に完全に下った振りをして、
彼女の言う事に順応である振りもして神社に行く尾崎は
名役者でしょう。
お札やお守り、十字架などを恐れる屍鬼なのに、
それらの元である神社に出向くなんて、
千鶴は迂闊過ぎるとしか言い様がありませんが、
小芋を剥いている最中に手が滑って、
包丁で指を切ったとの設定に、
まるで少女のように浮かれていた千鶴を見ると、
仕方ないのかなぁと思いました。

このアニメでは、以前の千鶴の言動が省かれていますので
分かり辛い点があるかと思いますが、
(今回、大川の馬鹿息子と車を飛ばすシーンがありましたが)
千鶴は地味な外場村に対して
強い不満を持っているんですよね。
アニメでもあれこれ言われていたように、
彼女は沙子に認められている分、
他の屍鬼より特別だとはいえ、
彼らにとってその派手好き、遊び好きな言動は
目に余るものがあるようで。
まぁ、都会(笑)に憧れていた清水恵を思えば、
この点では趣味が合うらしい千鶴が不満を抱くのも
当然でしょう。
本当に、何もない村ですから……。
だからこそ、非日常的な遊びにはめを外してしまった
+人間だった頃の懐かしい感情を思い出して高揚したので、
迂闊にも尾崎の誘いに乗ってしまったんでしょう。
沙子にだったら絶対に通用しなかった策です。

そして尾崎医師について。
皆、兼正(桐敷家)に対して不安を抱いているものの、
それを明確に表わす言葉を見つけられない事から、
彼らを面と向かって糾弾する者は
郁美さん以外はいませんでした。
また、郁美さんのかつての行動から、
彼らはちゃんとした人間であるというのが
証明されてしまっています
(人間の協力者である正志郎が彼女の対応をした為)。
これらの反省を踏まえて、尾崎は、
言葉だけで説明したのでは
村民からまず信じてもらえない事から、
正志郎や人狼の辰巳から引き離し
(人狼は脈も体温もあるので)、
千鶴という実例だけを彼らの前に引っ張ってきたんですね。
身体が冷たい(体温が低いどころではない)、
脈が無いとすれば、
元から“起き上がり”の言い伝えが残る地域なら、
村民の推測をそこに持っていくのは容易いです。
まさに尾崎は、千鶴という生きた証をもって、
“起き上がり(屍鬼)は本当にいる”という事実を
彼らに突きつけたんだと思います。
前回の感想にも書きましたが、
沙子たち屍鬼にとって最大の利点は、
村人たちが持つ
「起き上がりなんているわけない」という常識でした。
それが崩れた今、屍鬼が窮地に立たされたのは
誰の目にも明白です。


さて、律ちゃん。
物語の終盤、屍鬼の哀れさが描かれるに当たって、
その象徴とも言えるのが彼女です。
生前、よい看護婦だった彼女は、他の人と違い、
屍鬼となった自分の現状を
彼女自身の知識と推測で察していました。
そして、
「自分は死んだのだから経帷子(死装束)のままでいい」
との台詞が
彼女の決意を強いものだという事をよく表わしています。
血を吸いたくないとの本音は同じなのに、
吸ってしまって親友さえも殺した徹ちゃんと、
頑として吸おうとしない律ちゃん……
この対比が、今後の焦点になるので
見るのがとても楽しみです。


さて、以下は放送中に呟いていた実況ツイートの転載です。
  • sa9raribbonsa9raribbon御院や正雄を見てると、起き上がって屍鬼になっても生前の人間関係に囚われるのは不幸でもあるよなと思う
  • sa9raribbonsa9raribbonとうとう律ちゃんと徹ちゃんが再会した。ここまで話が進んだんだなーと、ちょっと感慨深いや
  • sa9raribbonsa9raribbon井戸端会議所まで無くなっちゃった…。あれは一部の村民には疎まれていたけれど、村がこうなってみると、平和の象徴の一つだったのかもしれない
  • sa9raribbonsa9raribbonお祭り!!初めて原作の小説でこのエピソードを読んだ時、ほんの一時期だけど、夜の散歩で通る神社の前が急に怖くなった
  • sa9raribbonsa9raribbon小芋の話でうきうきする千鶴は本当にかわいい。唯一、彼女を素敵だと思ったシーンだ
  • sa9raribbonsa9raribbon千鶴が浮かれているのは、人間だった頃の懐かしい記憶に触発されたのもあるだろうけど、屍鬼の体質として傷を負ってもすぐに治る特性があるからかなすぐに治っちゃうから、包帯なんて巻く必要すらないし
  • sa9raribbonsa9raribbon千鶴のいつにない饒舌っぷりが、彼女の過度な浮かれ具合を表わしてるなぁ。かわいいけど、この後が…… orz
  • sa9raribbonsa9raribbonお守りや簡易な十字架だけで効果があったんだから、千鶴が神社で感じている恐怖は相当なもんなんだろう
  • sa9raribbonsa9raribbon村民に口で説明しただけじゃとても分かってもらえないから、千鶴を利用して彼女が起き上がりであるのを証明する。尾崎は凄いなぁ……
  • sa9raribbonsa9raribbonこれまで人間を狩る側だった屍鬼が、一転して狩られる側になり、加害者だったのに被害者になった。「屍鬼」という作品の魅力はまさにここだと思う。いつの間にか、敵として見ていた屍鬼に同情してしまう

次週も楽しみです!


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続きの感想も書きました。
第悼と柩話(第19話):屍鬼狩り

宜しければ、合わせてご覧下さい。


2010-12-04 23:23  nice!(0) 
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