感想@アニメ「グイン・サーガ」第7話:ノスフェラスの戦い*ネタバレあり [アニメ感想]
アニメ「グイン・サーガ」の感想です。
今回は第7話「ノスフェラスの戦い」です。
ネタバレがあります。
原作の小説の愛読者です。
前回の第6話「セム族の集結」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-11-12-6
各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02-2
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今回の放送を見る前に、久し振りに
原作の小説の第3巻以降を読み直してみました。
子供の頃によく読んでいたとはいえ
なにしろかなり昔の事なので、忘れている事も多く、
意外に新鮮な気持ちで
──でも要所では
「そうだった、そうだった!」と膝を叩きながら
読む事ができました。
で、改めて
アニメで見た分を思い返してみたところ、
かなり省かれているのを実感しました。
長い小説なので、
アニメを作る際にエピソードをまともに拾ってしまうと
所定の回では終えられないので、
制作側が常に取捨選択を強いられた事情は
私にも分かります。
でも今回の放送では、その弊害が出ていたように思えました。
上記の弊害とは、イドの描写です。
イドというのは
ノスフェラスに生息するアメーバ状の奇異な生き物で、
その圧倒的な質量でもって対象物を押しつぶし、
全身がそうだと言える消化器官で、それを食べる……わけですが、
このアニメだけを見ている視聴者には
イドの怖さが全然分からないと思います。
原作をお読みの方ならご存知でしょうが、
小説では、グインたち一行がセム族の集落に行く前に、
即席の竹馬&綱渡りでイドの谷間を突っ切るエピソードがあります。
イドに触れたらお終いなのは当然ですが、
自分たちの存在をイドに探知されてもお終い……という点すら
アニメではぞんざいな描写になっていた影響がモロに出て、
今回の放送では、
原作で感じられるイドの恐怖が
全く出ていなかったと思います。
以前の回で、イシュトヴァーンが唾を吐いたら、
それを探知したイドに襲われてしまい、
グインが彼の足に火をつけて焼いたというエピソードがありました。
原作では、何故イシュトヴァーンがイドに襲われたかのを
グインが説明してくれる台詞があり、
続けてグインがイシュトを窘めるのですが、
アニメでは、肝心のそこがカットされているんですよね。
その回をアニメで見た時に
「あ、言わないんだ?」と気になっていたので
今回はどうなるのかと思っていましたが、
それらが
「これがノスフェラス」の台詞で片付けられてしまうとは
……残念です。
また、原作では
モンゴール軍を襲ったイドの色が
みるみるうちに変わっていく描写もあったと思うのですが
(白っぽかったのが、モンゴール兵の血を吸って赤く染まっていき、
消化しきれなかった鎧などが透けて見える)
最初から赤かったのも残念でした。
これは、単行本の口絵カラーでも
イドが赤く描かれていたので
その影響があったのかもしれませんが。
とはいえ、このグイン・サーガで最も大事なこと
──他を一切寄せつけないほどのグインの圧倒的な強さは
ちゃんと描かれていたと思います。
最後にアムネリスが見たグインの勇姿には
私も震えました。
さすが、ノスフェラスの王です。
また、この辺境篇を彩る魅力的なキャラクターの一人・老将マルスも
格好良くて渋くてステキでした。
グインと互角に渡り合える実力もそうですが、
爺として、アムネリスに進言をしたり窘めたりしているのが
大変良かったです。
今回、イシュトヴァーンが準備していた(着替えていた)事からいって、
マルスの非業の死は、カットされずに放送されるようですが
それが残念に思えました。
また、アストリアスの浮かれっぷり&なさけなさも
良かったと思います。
アストリアスの不幸は、本人には申し訳ないけれど、
アムネリスに恋をしてしまった事ですよね……。
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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。
続きの第8話「狼王との出会い」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-11-28-5
宜しければ、合わせてご覧下さい。
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