さくらもちモチ

感想@アニメ「青い文学シリーズ第1話：人間失格×DEATH NOTE」第2話 お化け　[アニメ感想] [編集]

アニメ・青い文学シリーズ第1話「人間失格×DEATH NOTE」の感想です。
今回は、第2話「お化け」です。
以下の感想にはネタバレがあります。
原作の小説は、幼い頃に読んだ記憶はあるのですが
内容をほとんど覚えていません。


前回の第1話「人間失格×DEATH NOTE：１ 鎌倉心中」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-10-11

各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめていく予定です。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02


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前回の感想と同様に
初っ端から身も蓋もない言い方ですみませんが、
「駄目人間のお話だなぁ」と思いました。
そして、深夜に見るには絵柄＆お話が辛いです。
深夜以外に適した放送時間はないけれど、
見ていると眠くなりますww



今回は、
前回の最後で場末のホステスと身投げしたものの
独り生き残ってしまった主人公の少年時代の回想と、
彼が病院で意識を取り戻した後のお話が描かれました。
幼少時から主人公が友だちに恵まれなかった点は、同情しますが、
病院を出る際に、がめつい友だちに向かって
「もう君の助けは要らない」みたいな事を言っておきながら
逃げた後でいざ駆け込んだのは彼の家……という顛末が
哀れでなりません。
だって主人公は、隔離先の部屋を無断で逃げ出す際に、
場末のホステスに言われた言葉を復唱して
「人間らしく生きたい」と言ったんですよ。
主人公にとって人間らしく生きられる場所として逃げられた場所が、
自分に金をたかるだけの友だちの家しかなかったなんて、
（果たして、あの関係を友と言えるのかどうかは置いておいて）
あまりにも彼が不幸過ぎて、憐れまずにはいられませんでした。
その事実を友だちに指摘された後、
主人公がふらふらと外に出たのも合わせると、
彼には気概はあるものの、実行する事が誤っている
──気持ちを向ける方向が間違っているので
どうしても、困難にぶつかる度にふらふらしてしまうんだと
思いました。

主人公が受けた少年時代のイジメにしたって、
あんな風に過度に卑屈な態度を取らなければ
もう少しまともな状況に改善されたでしょうに。
回想は部分的にしか描かれませんでしたが、
あれは、本人にも原因がありますよね。
主人公がヘラヘラと笑っていたから
余計に虐められていたんだと思います。
あの状況で、
平気な振りをしている主人公の演技に気付いたらしい友だちは
貴重な存在だけれど、
結果的に、それは主人公にとって良い出会いでなかったのが不幸でした。



ところで、私はこの先のお話を知らないので、
もしかしたら間違った想像をしているのかもしれませんが、
主人公と、彼と出会う女性達って
相互依存の関係なんでしょうか。

上手く言えないのですが、
女性が主人公に対して
「この人は私がいないと駄目（一緒に死んであげないと駄目）」と思う事で
主人公は女性に甘えられますが、
この場合、女性も主人公に甘える事になりますよね。
主人公への世話を心の拠り所にするという意味で。

女性記者は、生活に疲れている感じだったので、
その弱さを主人公に掴まれて、
二人して駆け落ちとか心中とかになっちゃうのかなと想像しました。



主人公が感じていた“お化け”ですが……
あれが、この“人間失格”という作品をきちんと理解する上で
重要な登場人物であるのは分かってますが、
私は、麻薬をやった人間が見る幻覚はこんな感じなのかな程度にしか
思う事はありませんでした。
この辺は、原作でどう扱われているのかが特に気になります。

回想で友だちから言われた“お化け”の言葉については、
本意を隠してヘラヘラとしている主人公の主体性の無さが
彼によって指摘されたのかと思いましたが、
（↑お化けというのは実体がないので）
今回、病院を出た後の主人公が見るようになった幻影のお化けは、
単に、監視されている強迫観念からくる恐怖に思えました。
その後、主人公が部屋を逃げ出し、町中で見たお化けは、
どんなに逃げても自分自身を放り出す事はできない象徴に思えました。

“お化け”という言葉が抽象過ぎる点も含めて
もし自分が原作を読んでも同じように思えたのかなという点に
私は興味を持ちました。
太宰が用意した正しい答えは、全然違うような気もしますが、
アニメを見た私がこう感じたのは事実なので
書いておきました。



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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。


第3話「世間」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-10-25-1

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