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感想@アニメ「青い文学シリーズ第1話:人間失格×DEATH NOTE」第1話 鎌倉心中 [アニメ感想]

アニメ・青い文学シリーズ第1話「人間失格×DEATH NOTE」の感想です。
今回は、第1話「鎌倉心中」です。
以下の感想にはネタバレがあります。
原作の小説は、幼い頃に読んだ記憶はあるのですが
内容をほとんど覚えていません。


各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめていく予定です。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02


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第1話の第1話という表記がくすぐったいですね。
この「青い文学」シリーズでは
今後、日本文学の名作が幾つか取り上げられる予定です。
その第一弾(第1話)が今回の「人間失格」で、
今日が、複数に分かれて放送される内の第一回目(第1話)というわけです。

キャラクター原案が漫画家の小畑健さんなので、
タイトルに“DEATH NOTE”の単語が入っているようです。
ご存知のように、小畑さんは原作付きの作品の作画を担当されているので、
こういう事にデスノの単語が冠として使われるのは
小畑さんにも、原案者の大場つぐみさんにも失礼だと思います。
でも、世間でいうと、
やはり“小畑さんの漫画=デスノート”となってしまうので、
これは仕方が無い事なんでしょうね。
しかも、アニメのデスノは日テレで放送されていましたし……。

さて、流行の漫画家に描かせた絵のカバーに替えただけで
文庫本が飛ぶように売れてしまった経緯がありますので、
(担当部署には金一封が出たそうですね)
こちらがその二番煎じの企画であるのはミエミエでした。
そして、俳優の堺雅人さんが
話題作りに声優として器用されるのは分かりますが、
アニメ放送前のナビゲーションは
別に要らなかったのではないかと思いました。
堺さんの露出を多くして、一般人を視聴者として引き込みたい
──取っ付きにくい作品に触れさせたいという狙いがあるのでしょうが、
彼を器用したらどのような効果が出ると、スタッフが算段したのかが、
私には分かりませんでした。



「恥の多い生涯を送ってきました」
無知な私でも、さすがにこの一文はよく知っています。
しかし、それ以外はというと、
上記の通り、読んだ記憶があっても、内容を全く覚えてませんでした。
そして今回、こちらのアニメを見た事で、その理由に納得できました。
幼かった私には、作品全体に漂う虚無感が駄目だったんです。
作品の世界にとけ込めなかったというか、
主人公に少しも賛同できない点が、読んでて辛かったんです。
なので、途中で読むのを止めてしまったか……
とっとと読み終えて、他の作品に興味を移したかの
どちらかだったと思います。

今回はアニメとして見ましたので、
以前に感じていたそういう苦手感は薄まっていたように思います。
また、今では私自身がいい大人になっていて、
自分とは考えの違う他人を認められる余裕がある
──私には理解できないけれど、こういう物の考え方をする人もいるんだ
という事が分かっているので、
見ていて辛くなる事も特にありませんでした。



作品が持つ本来の主題はどうあれ、
今回のアニメを見た私の感想を、正直に書くと、
金持ちの裕福な坊ちゃんが自分を憂いてしまい、“おいた”をした結果、
一人の女性を殺してしまった話なんだなぁ……と
身も蓋も無い内容になってしまいます。
勿論、こちらが私小説の形式を取ったフィクションでありながらも、
太宰の自伝的要素が強いという知識は、私の中にあります。
なので、主人公・大庭葉蔵のひねくれた言動や、
(金持ちなのに、暇つぶしのように左翼運動に身を投じてしまう)
自分に優しくしてくれた恒子に「あなたは純粋」と言われた途端、
彼女に対して殺意を覚えた事など、
あれこれと推測して、自分なりの意味付けをする事もできるのですが、
その前に、主人公に対する「なんとも自分勝手な人だなぁ」との思いが
強く出てしまいます。

高尚な評論は、専門の方にお任せしますので、
私は引き続き、下世話な感想を書きます。
主人公が、恥ずかしい人生を送った自分を本気で恥じたなら
一人で勝手に死んでいけばよいのに
ぐだぐだと思うばかりで実際にそうしない点も、
いかにも太宰という感じの甘えが見られるような気がしてならないです。
こちらは一応、男と女の話なのに、
何故か私には、母性に甘える男の話という印象が拭えません。
これはもしかしたら、男の人が本質的に母親に甘える事が
挙げられるせいもあるかもしれません。
とにかく、最後に主人公だけ生き残ってしまう顛末も含めて、
主人公は甘えているなぁと思ってしまいました。



作画は、思っていたより“小畑色”が薄かったです。
主人公は、さすがにそれっぽかったですが、
他のキャラクターについては、
事前に言われていなければ
小畑さんがキャラデザだと思わなかったかもしれません。

堺さんのお声は、物憂げなところのある主人公にぴったりでした。
多分、普通の男性声優さんだったら
変に抑揚が付き過ぎて
いかにも“アニメ!”な声だったかもしれません。
堺さんは、よい感じで主人公に合っていたと思います。



よい機会なので、私は原作の小説も再び読むつもりでいます。
でも、アニメでの印象も大事にしたいので、
放送が全て終わってから読む予定です。
本当、下世話すぎる感想で、大変失礼しました。



────

感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。


第2話「お化け」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-10-18-2


2009-10-11 02:41  nice!(0)  コメント(0) 
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