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感想「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜(ファントム)」第25話:決着 [アニメ感想]

アニメ「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜(ファントム)」の感想です。
今回は第25話「決着」です。
原作のゲームや漫画などは見ていません。
以下の感想にはネタバレを含みます。


前回の第24話「対峙」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-11-1

各話の感想は、他作品も含めて
下記一覧ページでURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-01-9


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キャル…… orz

私は原作のゲームを遊んでませんので、
そこでのお話を知らないのですが
もしキャルルートなる話があったら
そこではやっぱり彼女は生きてますよね。

キャルが玲二に撃たれて死ぬのは予想の範囲内だったけれど
やっぱり見たくなかったです。
キャルが玲二を好きなのがよく伝わってきた分、辛いです。
玲二が、キャルの死に際に
自分達は何かを間違ってしまった云々と言っていますが、
まさにそうだったと思います。
二人の最初の出会いからして、組織が絡んでいた分、
決して普通ではなく、きな臭いものだったけれど、
たとえば、
キャルがあの大金を盗まなかったら、
キャルが玲二に自分が情報を持っているとの嘘をつかなかったら、
玲二が組織にキャルを推薦するような嘘をつかなかったら、
あのアパートの部屋が爆破された日に
玲二がキャルを連れ出していたら、
玲二に置いていかれた後、キャルが一人で待たなかったら、
キャルがサイスについていかなかったら
……何か一つでも条件が欠けていたら、
この二人は精神的にここまで結びつく事はなかったでしょうが、
キャルは死なずに済んだと思います。

でも、キャルは玲二を本当に深く愛していたようですし、
玲二も玲二で、ああした状況での別れがなければ
エレン(アイン)ではなく、
キャルとの未来を選択していたはずです。
玲二を愛してない自分など想像できないほど、
キャルの人生に、玲二という存在が深く食い込んでいたらしいのを
考えれば、
こうして“間違ってしまった”のは
ある意味、当然というか
キャルにとっては本望だったのかもしれません。
なにせ、キャルには、玲二と一緒に居たいが為に
ファントムの暗殺者として存在してもいいと決意した過去が
ありますから……。
上手く言えないのですが
“間違えた”からこそ、
最後は二人が銃口を向けあう展開になりましたが、
玲二に対してキャルがあそこまで執拗になったと思うんです。

そして、愛憎は表裏一体だとはよく言いますが、
愛にしろ憎しみにしろ、あそこまでキャルが情が深いのを思うと、
彼女は根本的に愛に飢えているキャラクターだったんだなぁと
改めて実感しました。
記憶がないエレンも
玲二に愛を教えてもらったようなものなので、
キャルとは似たような立場にありますが、
キャルには、その前に
ジュディとの楽しい生活で心が満たされた過去がある分、
それを奪われた孤独も相まって
作中でのそういう位置付け
(全身で愛を請うキャラクター)になっていたんだなと
感じる事ができました。

それにしても、以前の感想にも書きましたが
キャル役の声優の沢城みゆきさんは、本当に凄いですね。
エレンとの対決を控えて
憎々しい言葉を吐く彼女の凄みは、
声の迫力があったからこそだと思えました。
最期、玲二の腕の中で息を引き取るシーンも
心に迫るものがあって、良かったです。
またまた「声優さんってすげー!」と心から思いました。



私は、当事者の玲二が介せず、
本来は関係ないエレンが代理としてキャルと戦う事には
納得がいかなかったので、
玲二とキャルが撃ち合ったこの展開は、
キャルの死は本当に残念でしたが、良かったです。
あのままエレンとキャルが戦ってしまったのでは、
この作品がアダルトゲーで、基本的に玲二がモテる設定とはいえ、
あまりに彼に都合が良過ぎます……。
玲二には、かつて好きだった恋人を自分で撃つ苦しみを味わう事によって、
暗殺業という闇の世界にキャルを引き込んでしまった責任を
きちんと取ってほしかったので、
玲二が約束の場所に現われた際は、変な話ですが、ホッとしました。



今回、その対決の前に
「逃げろ」と言った玲二にエレンが、
玲二がいないと意味がない云々と悲痛な台詞を発していました。
まさにエレンは、玲二と共に生きる為に
サイスの元を離れ、堅気として生きていこうと思って
逃げてるんですね……。
もし、玲二がいなかったり、彼が逃げたりしていなかったら、
自主性がないエレンは、そもそも逃亡すらしてませんよね。
(尤も、あのままサイスの元にいたかは分かりませんが)

そして、玲二に対する愛し方が違ったとはいえ、
エレンにもキャルの気持ちが分かっていたからこそ、
あの対決までの対峙には、一定の礼節があったのかなと思いました。
いや……エレンの性格からいって、
玲二の命を脅かすものは徹底的に排除するじゃないですか。
キャルがそういう存在だと分かっていながらも、
会う度に彼女に銃口を向けて牽制するだけで、
まともに撃ち合わず、
言い合いを繰り返していたのは、
その時のキャルに本気で発砲する気が無かった事に
エレンが合わせたのも、勿論、あるでしょうが、
ちゃんとした“対決”という儀礼を踏もうとしているのが
キャルにもエレンにも無意識の内にあったように思えてなりません。
暗殺者なんですから、本気で相手を殺すつもりなら
状況を考えずに、いきなり銃をぶっ放す事があっても普通なわけで。
銃口を向けて脅した程度で終わっていた分、
エレンもキャルも、お互いに相手の存在を認めていたのかなと
私は推測しました。

さて、来週はいよいよ、エレンと玲二が、
サイスの“作品”である
ツァーレンシュヴェスタンと対決するようですが、
彼女たちが量産型のファントムであるのを思うと、
二人が無傷で戦闘を終えるはずがないので、不安です。



そして、自業自得とはいえ、
桐藤組がああなったのは哀れでした。
大輔を殺したのは志賀だと、分かる人には分かるんですね……。
志賀に「自分は悪い事をしていない」という意識がある分、
なんだかもう、救いようが無い状態になってしまったなと
思いました。
彼らを見ていると、本当、
地道に日本で頑張って(という言い方も変ですが)いれば、
組が壊滅状態に陥る事はなかったのにと
思ってしまいます。






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続きの第26話「江蓮」*最終回の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-25-1

宜しければ、合わせてどうぞ。


2009-09-18 08:59  nice!(1)  コメント(0) 
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