さくらもちモチ: 感想@BLCD「さらさら。（しなやかな熱情番外編）」*ネタバレあり: SSブログ

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感想@BLCD「さらさら。（しなやかな熱情番外編）」*ネタバレあり　[BLCD感想] [編集]

ＢＬＣＤ「さらさら。」の感想です。
シリーズ第１弾「しなやかな熱情」の後日談に当たる
番外編の作品です。

キャストは
小山臣 : 神谷浩史さん
秀島慈英 : 三木眞一郎さん　　です。

下記にはネタバレを含みます。
ボーイズラブという作品の感想という特性上、
そういった内容にも軽く触れています。

私は原作に当たる小説を
他の三作＋αも含めて読んでいます。
（「しなやかな〜」「ひめやかな〜」「あざやかな〜」＋特典CD）
また、上記のドラマＣＤを既に聴いています。

BLCDの感想記事のURLは、他作品も含めて
こちらの一覧ページでまとめています。
【BLCD感想一覧】

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BL作品についての私の嗜好をまとめてあります。
個人的嗜好のせいで、感想＝正しい評価とならない時もありますので
その目安にして下さい。
【初めにお読み下さい*BLCD感想について】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-04-08-2

私にしては珍しく、原作の小説を先に読んでいた作品です。
今回は、それが悪い方に出てしまったのか……
期待して聴いたものの
途中で「あれ？」と首を傾げてしまいました。

シリーズの他の作品と同じように、
この作品でも、神谷さんと三木さんの熱演が光っているので
絡みのシーンは勿論のこと、
キャラクターの不安な様子を始めとする気持ちが
よく伝わってくるのですが、
全般的に、原作の小説より間延びしているなぁという印象を
強く受けました。

この作品は、上記にも書きましたように
シリーズの第一作目である「しなやかな熱情」の後日談です。
「しなやかな〜」は
本当の事を言わずに去っていった慈英が臣さんの元に戻って来るという、
きれいな終わり方をしているのに、
後になってその先の話が付け足されていまして
（ＢＬにおいて、このパターンは本当に多いですね！
視点違いの作品とか後日談とか……）
このお話は、“その先の話”に当たります。

人によっては蛇足になるかもしれない
（でもファンにとっては垂涎の）この作品は、
言わばおまけのようなものなので、
原作の小説もそう長くありません。
なので、一枚のＣＤとして発売するには
短い＆内容も物足りないからか、
今回、原作者である崎谷先生が
このＣＤの為に話を改めて書き下ろされたそうですが
それが裏目に出てしまったのではないかと思います。

そもそも、この話は
双方共に言葉が足りない事からくるすれ違いが元なので、
二人の誤解さえ消えれば、問題も解決します。
なので、話を膨らませようがないというか……。
こういう場合、
主軸の話に新しいエピソードを幾つか付けて
話を無理に長くしたところで、
却ってだらだらしてしまう事になります。
この作品については
“一枚で販売する”のがネックらしいと感じられましたので、
原作通りの短いお話でおまけＣＤとして世に出すのが
ベストだったと思います。

とはいえ、こうした事は
最初に聴いた時の印象に左右されがちなので、
私の場合、それが強く出てしまったのかもしれません。
ただ、今回こうして感想を書くにあたり
このＣＤを久し振りに聴いたのですが、
それを忘れていたのにもかかわらず、
聴き始めてから少し経って「なんかだらだらしてるな」と思い、
次に、初めて聴いた時にも同じ事を思ったのを思い出したので、
私の感想はずっと変わらないのかもしれません。

しかし、こうは言っても、
つまらない事で（本人にとっては大事な事でしょうが）
うじうじとしていて、一向に前に進めない
──でも現状が嫌で嫌でたまらない臣さんの辛さは、
私も聴いていて「せつないなぁ」と思い、胸が痛みました。
それも引っ括めて、臣さんの全てを受け入れた慈英さんは
本当に優しい人ですね……。
二人とも、少しだけ遠回りをしたようですが
人生において最大とも言える出会いを得られて良かったです。
臣さんの、振り絞るような言葉を聞かされた後、
慈英に絵を見せられるエピソードに移り、
ようやく心が結ばれた状態でのセックスへ……のシーンは
私もじんとしました。
また、臣さんの親代わりでもある堺刑事が
今回もいい味を出していて、素敵でした。
私も彼に怒られたいです。

既にシリーズ三部作の全てがドラマＣＤ化した上での
今回の番外編の発売だったので、難しいかもしれませんが
原作の第一巻に収録されている原作を未読の方には、
そのまま、ＣＤを聴かれてから小説を読まれる事をお勧めします。

原作をお好きな方も、
シリーズ三部作の他の作品のＣＤが大丈夫なら
まず大丈夫だとは思いますが……
こういうふうに思った人間もいるのを頭に留めておいて頂ければ
幸いです。

あ、最後になりましたが、絡みは大変良かったです。
原作通りに濃かった……。
最近は最低限の絡みでさらりと流しちゃうドラマＣＤも
決して珍しくないので、
こうしてがっつりと描いてくれるのは、嬉しかったです。

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