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感想@BLCD「銀の鎮魂歌」*ネタバレあり [BLCD感想]

BLCD「銀の鎮魂歌」の感想です。

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新装版を聴きました

主な出演は

・キラ:石田彰さん
・ルシアン:森川智之さん
・ディラン:松本保典さん
・サマラ:飛田展男さん
・ジェナス:増谷康紀さん
・イリス:岩男潤子さん
・マイラ:山崎和佳奈さん
・アスナス:阪脩さん
・シリル:上村典子さん
・ワイデル:茶風林さん
・アズリ:土井美加さん
・ナレーション:沢木郁也さん  です


原作の小説は未読です。下記にはネタバレを含みます。
また、ボーイズラブという作品の感想という特性上、
そういった内容にも軽く触れています。


BLCDの感想記事のURLは、他作品も含めて
こちらの一覧ページでまとめています。
BLCD感想一覧


────

BL作品についての私の嗜好をまとめてあります。
個人的嗜好のせいで、感想=正しい評価とならない時もありますので
その目安にして下さい。
【初めにお読み下さい*BLCD感想について】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-04-08-2



今回、感想を書く為にこちらの作品を久し振りに聴いたら、
また号泣してしまいました。

最初に聴いた時、サイトの日記に感想を書いていたので
それを一部転載します。
http://diary3.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/sakura99/?Y=2008&M=9&D=26

石田さんのCDを聞き終えた今、午前1時過ぎなんですが
もう目が真っ赤です。瞼も腫れてる。

聞いたのは「銀の鎮魂歌」というJUNE作品でした。
華麿さんが苦手(悲恋系)だとは分かってたので
寧ろ喜んでvな私は、うきうきと聞き始めたのですが
平気でいられたのは最初から三分の一ぐらいまでで、
残りの三分の二はもうぼろぼろ泣いてました。まさに大号泣。
JUNEというかBLものでこんなに泣いたのは初めてかもしれないです。
試しにぐぐってみたら、あちらこちらで名作と連呼されてまして
物凄く同感でした。とにかく泣いた。
不幸萌えしてる人にはたまらないと思います。




今回も同じように思いました。
キラの処遇が辛い……辛過ぎます。
ルシアンの行動は、まさに愛憎が表裏一体であるのを表わしていました。
キラを心底愛おしんでいたからこそ
裏切りを見せてきた彼をルシアンは許せない。
それが分かっているからこそ、キラは何も言わず、抵抗せず、
ひたすら陰でルシアンを想う
──もうもうもうもう、聴いていると胸が締め付けられるように痛いです。



イリスについては
私は、「あなたさえ真実をちゃんと話していれば!」と
憤慨したくなりましたが、
彼女がまだ幼く、立場を重んじなければならない身であるからこそ
保身に走ってしまった事情も分かります。
また、「本当に反省しているなら真実をルシアンに話せばいいのに」と
苦言を呈したくもなりましたが、
ルシアンがそれを知ったらマイラを捨ててキラの元に走るのが明確である以上、
彼と同様に国を守らなければならない立場であるイリスが
それはできないと思い、
ひたすら事の成りゆきを最後まで見守る事を自分への罰として行なったのだとも
分かります。
でも……今回、再び聴き直してみて、
捕まってしまったキラが必死で「イリス様」と
彼女に真実を言うよう、内心で懇願しているのを聴いたら
やっぱり「イリス!」と怒鳴りたくなりました。
以前から、宮廷の皆がキラを宜しく思ってなかったり、
ルシアンがあまりにもキラに執着してしまった結果
妻を娶って子を生すという王としての責務から逃れていたり……と、
今回の悲恋に繋がる問題の芽はあちこちに生えていましたが、
やはり決定的なのは、イリスの為の嘘なので、
聴いていて辛かったです。

ひょんな事で、イリスの手紙をルシアンが読んでしまうシーンは
またしても涙が止まりませんでした。
嗚咽を漏らすほどに泣きました……。
キラ、イリス、そしてルシアンの気持ちが
胸に刺さって、とても痛かったです。
手紙を読みながら、ルシアンは目の前が真っ暗になった事でしょう。
かつて、痛みでもってキラに罰を与えた自分の手、
キラに暴言を与えた自分の口、
キラを冷たく睨み付け、挑発し、侮蔑した自分の目、
そしてキラを全く信じてやれなかった自分の心を、
ルシアンは苦々しく思ったに違いありません。
愚かだった過去の自分を恨み、呪い、憎んだかもしれません。
それも、やはり、キラへの愛があってこそです。
まさに、ルシアンを表わす言葉は“愛憎”でした。



うまいなぁと思ったのは、
再開後、人前でさらせないほどの傷痕が残ったキラの肌を見たルシアンが、
かつて自分がこの責苦を彼に与えたのをすっかり忘れていた点に驚愕し、
そんな自分に呆れるシーンです。
ルシアンがキラを忘れる事は絶対にないけれど、
彼に与えた傷は忘れている
──つまり、当時のルシアンは、
キラに罰を与えた事を悪いとは少しも思ってなかったわけですよね。
気にも留めてない、やって当然の事として行なっていたはずです。
だからこそ、後ろめたさや悔いを感じる事なく、
その後に忘れてしまった……。
一方で、キラは、この時に感じた痛みも絶望感も、
ずっと鮮明に覚えていたんだろうと思います。
この感情の差も、誤解が原因なのが相まって
物語の悲劇性を高めていました。



石田さん演じるキラがですね、もう、儚いんですよ。
宮廷で寵愛を受けていた時は
まるで妖精のようにふわふわしているのに、
ルシアンに責め立てられ、国を追放された後は、
まるで透明な羽をもぎ取られた妖精が
地べたを這いずり回る人間になったように、
人としての存在感を強く出しています。
その、まさに哀れとしか言い様がない姿を想像せずにはいられない声です。

森川さんも頑張ってらして、
キラをひたすら愛していた頃のルシアンと、
自分を裏切ったキラを憎み、痛めつけ
──再会後も言葉でもって彼を酷く侮辱し、そして最後は狂うという
感情の起伏が激しいルシアンを、お上手に演じています。

イリアも、下手をすると
聴いている者の感情を逆撫でする言動をするキャラクターなのですが、
岩男さんがしっとりと演じてらしている効果が上手く出ていて、
不満の鉾先が向かないようになっています。
特に、キラとルシアンが再会した後からは凄いです。
寧ろ、何も知らない事が罪だとキラに言われていたマイラの方に
ムッとしてしまいます。



直接的なシーンはないものの、死にネタなので
苦手な方はご注意下さい。
また、悲恋ものを苦手としている方も多いと思いますが
本っ当に素晴らしい作品なので、是非、皆さんに聴いて頂きたいです。
カテゴリーの都合上、こちらのブログでは“BL”としていますが、
耽美な世界観といい、男同士であるが故の悲恋といい、
こちらの作品が属する正しいジャンルを言えば
やはり“June(ジュネ)”です。

まさに名作です。





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2009-07-11 10:58  nice!(0)  コメント(0) 
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