SSブログ

感想:映画「崖の上のポニョ」*ネタバレあり [アニメ感想]

スタジオジブリのアニメ映画「崖の上のポニョ」の感想です。
家人がDVDをレンタル店で借りてきたので、観てみました。
以下の感想にはネタバレを含みます。


────

噂には聞いていましたが、
最後に流れるEDのスタッフクレジットが、とても短いです。
これなら、漢字が読めない子供も
ぼんやりと映像を見ている内に終わらせられますね。
スタッフロールは、絶対にあるべきものとはいえ、
これが流れ始めると早々に席を立ってしまう観客の気持ちも
分からないでもないのですが
(私は最後まで見る派です)
これなら誰でも見ると思います。
そういう点では、
是非、自分の名前を見てほしいと思っている
キャストや制作スタッフ・協賛会社にとっても
有難いEDだったかもしれません。
その名前の並び順も、スタジオジブリの映画では基本ですが
キャスト・スタッフで分けられているのではなく
総じてあいうえお順になっているのも良いと思います。
お名前の前についているアイコンも、とてもかわいかったです。
皆、漢字が多いから
所ジョージさん(ポニョのお父さん)のお名前が目立つ目立つ。

また、主要スタッフとキャストのお名前は
冒頭の“始まり”で、タイトルの後に流れる歌に合わせて
ちゃんと出ていますので、
“どうしてもお名前を目立たせておかなければいけない人”への対処も
ばっちりでした。



さて、ストーリーの感想です。
この作品は、例に漏れず、
公開前と公開後のCMが違いました。
ポニョが人間の女の子に化けて、魚の大群が作る津波の上を走るシーンは
後者のCMで使われていたので、
それが作品の核の部分かと思いきや
──確かにそうだったのですが、
その後の話が長かったのが意外でした。

というのも、私は前知識を一切入れてなかったので
ポニョが人間になって宗介の元に会いに来るシーンが
この映画の一番のキモで、物語の最後に来るんだと思ったんです。
確かに、大きなキモの一つはここでした。
でも、物語を二つに分ければ、ここは前半に当たるので、
他の作品であれば後日談になる部分の方が長く、
また、本来は一番盛り上がらなければならない最後の部分が
あまりそうはなってないので
全体的に散漫な印象を受けます。
つまらなくはなかった、面白かった……けれど、
「どこが面白かった?」と問われると
ちょっと考え込んでしまう不思議な作りになっています。

なので、部分的に「ここが!」と挙げるのではなく
作品全体として面白いか否かを
制作者側が観客に尋ねているような気がしました。

で、私が面白いと思ったか否かですが、
正直に言うと、作品を楽しむ事よりも、
ポニョがやって来た事で
宗介たちが住む海辺の街が多大な被害を被ったのが気になってしまい、
「いい迷惑だなぁ」と、思わず苦笑いをする時間の方が長かったです。
作中に出てくる住民に悲愴感がないのが幸いですが、
あの被災っぷりを考えると、ポニョが来たのを素直に喜べません。
それを宗介もポニョも気にしてないのが
引っ掛かりました。
とはいえ、二人が中途半端に「街がめちゃくちゃだ……」などと呟いたら
私は「誰のせいだよ!」とツッコミを入れてしまうと思うので、
そういうふうになるぐらいなら、この作品のように、
都合の悪い事は徹底的に無視された方が良いのかなとも思いました。

だから、本音を言うと、
余計な事を考えない子供だった頃に、この映画を見たかったです。
純粋に、物語の世界に入り込み、楽しみたかったです。



ポニョについては、
私は金魚のポニョ(緑色のバケツに入れられている)が好きなので、
終盤に、人間から金魚に戻ってしまった時は
ちょっとだけ嬉しかったです。
ああいう、ちまちまぽてっとしている物が
うろちょろしている図は、たまらんですなー。
人間のポニョも、時々、手足が三本指になるのがいいですね。
それと、タイトルが出る直前で、
月光を浴びながらポニョがクラゲの上でうたた寝をするシーンが
何とも気持ち良さそうで、とても羨ましかったです。
また、ポニョが人間の女の子として宗介に会いに行って、彼に飛びつく直前
──緑のバケツを抱えながら全速力で走る時、
最初は手足の指が三本ずつに戻ってるのに、
走ってる最中に嬉しさで興奮したからか
また五本指になっているのも凄いです。
ここは何度見返しても燃えます。
ガラス窓の存在を知らなくて
宗介の家の中で窓に激突してるのもかわいい。



さすがスタジオジブリだけあって、
登場人物が飲食物を口にするシーンは、とても美味しそうです。
人間になったポニョが初めて宗介の家に来た日、
ホットミルク(ミルクティー?)に入れた
ハチミツをかき混ぜる為のスプーンを咥えたポニョが
あまりの美味しさに、片手を頬にやって
じん……と感動するシーンがありますが
本当に美味しそうで、見ていてたまらなくなりました。
また、ハムも美味しそうですね!
そして、津波の上をポニョがひたすら走るシーンも凄かったです。
あの動きには本当、感服します。



どこが話の山なのかが分からない作品ながら、
元人間の立場でありながら、冒頭で人間に対して嫌悪感を示していた
フジモト(ポニョのお父さん)が、最後に宗介と握手をしたり、
ポニョを託す旨の発言をちゃんとしたり……と、
良い変化がしっかりと描かれています。
何より、人間になって大好きな宗介の傍にいたいという願いは
ポニョから生まれた自然な感情なので、
それが叶った最後はまさに大団円です。
いいお話だと思います。
……が、上記の通り、最後が盛り上がりに欠けるので、
たとえば“千と千尋の神隠し”や
“魔女の宅急便”を観た時に感じるような
充実感・達成感・爽快感はないです。
私は、“千と千尋〜”では、
エピローグ(千尋がハクと別れて、振り返らずに走って帰るシーン)からは
物語が終わるのが淋しくてたまりませんでしたが、
今回はそういう感情はありませんでした。
多少の強弱は付けられているものの、
物語が視聴者の感情のお構い無しにさっさと進んでいくからか、
「あ、これで終わりなんだ」と思いました。



私の好きなキャラクターは、リサです! かっこいい!
さばさばしていて、優しくて、明るくて……
でも、航海でなかなか帰ってこない旦那さんには拗ねてみせるところが
とても素敵な女性だと思いました。



子供向けの楽しい「人魚姫」として
気軽に楽しめる娯楽映画だと思います。


2009-07-09 16:10  nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。