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感想@アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIRT」第10話 それぞれの行く先*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIRT」の感想です。
今回の第10話は「それぞれの行く先」です。

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  • メディア: Blu-ray

ネタバレを含みます。

前回の第9話「創られた想い」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-05-31-5

各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-01-7


────

今週は、長いハガレンの連載の中で
私が一番「辛い」と感じる回です。
ヒューズ中佐が、奥さんに化けたエンヴィ−に殺される回です。



アバンは、イシュヴァール殲滅戦における
マスタング大佐とヒューズの会話でした。
生き残った人間のほとんどの心に深い傷を残した戦いの中で、
マスタング大佐が大総統の地位を目指そうと思ったきっかけの話です。
一見、無謀とも言えますが、
あの凄惨さを目の当たりにした
──イシュヴァールの民を傷付けた人間だからこそ決意できた
強い望みだったと思います。
マスタング大佐が、その理由を
作中でそれをペラペラと喋らないのも好きです。
ブラッドレイ大総統が人間ベースのホムンクルスの一人で、
マスタング大佐が純粋な人間である事も踏まえると、
前者が“倒されるべき敵”で、
マスタング大佐が“のし上がるべき人”という構図が
多面的にしっかりと描かれているのが、大変興味深いです。



人柱候補だからこそ
エドやマスタング大佐を生かしているホムンクルス達ですが、
そうでない人間に対しては容赦なく冷徹なところを見せるのが、
ヒューズの死を持って描かれました。
まさにヒューズは、
余計な事に気付いてしまったから殺されてしまいました……。
いずれエドやマスタングにも知られると分かっていても、
計画の途中であるこの時点で秘密が露呈するのは
まずかったんでしょうね。
軍がヤバい+イシュヴァール殲滅戦には別の意味があると臭わせるのを
この時点でヒューズの悲劇と共に印象的に描いたのは
作者側としても“切り札”として用意したエピソードだったからだと思います。

ヒューズの最期の言葉である「軍がヤバい」は、
「誰かに軍が狙われていて危険(軍は正常)」という意味と、
「軍そのものが危険(軍が異常)」という意味の
二つに受け取れる事ができていて、
キング・ブラッドレイの正体を含めた真実に気付いてないマスタング大佐は
この時点では、どちらかと言えば前者の気持ちでいたはずです。
追々のエピソードで、実は後者だったと彼が気付く瞬間は、
ひんやりとした悪寒を覚えながらも少々の爽快感を覚えられるので
見物です。

本当、話が進めば進むほど、
この時点でヒューズがあの事実を知った事の重みがよく分かるように
話が作られています。
逆を言えば、これだけ早く気付けたヒューズは
頭の切れる人物だったという証明になりますが、
彼のファンとして言わせてもらえば、
できれば別のエピソードで彼の凄さを表わしてほしかったです。

エルリック兄弟やウィンリィがこの地を去った後に
この事件が起こった為、
彼らが後になってヒューズの死を知るという展開も
悲劇性が増される原因になっています。
あの場にあの三人が居ても良かったんでしょうが、
リアルタイムでヒューズの死を悼むメインキャラは
マスタング大佐だけで充分なのと、
後でエルリック兄弟たちがそれを知るという展開の方が、
読者にそれを思い返させて感傷的にさせる効果を生み出せるので、
敢えてここでは分けた
(エルリック兄弟が知らないようにした)んだろうなと思います。



ヒューズのお葬式のシーンは……
原作の漫画ではゆったりと描かれているので
読者は、自分の好きな間で読む事ができるようになっています。
なので、制作者側で間の時間を強制的に決めざるを得ないアニメは
その出来不出来に関わらず、どうあっても原作には勝てません。
私は、以前にアニメ化された際(水島監督)のハガレンでも
このシーンを見ていましたので、好みとして
「今回のアニメの方が良かった」とか「いやいや前回の方が」と、
アニメ同士の比較をする事はできますが、
原作はその遥か上を行くなぁという印象です。
間の問題については、ハガレンに限った事ではなく、
他作品でも多々思える事ですが、
このシーンになるといつも
自分の“間”で好きなように読める原作は最強だなと感じてしまいます。



さて、来週はラッシュバレーのようで。
エルリック兄弟の“師匠”がそろそろ出てくるという事は、
いよいよ話の中盤に入るんだなぁという実感も湧いてきました。

ヒューズの死を悲しむのは来週の放送までに終えておいて、
この先は気持ちを切り替えて視聴していきます。





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続きの第11話「ラッシュバレーの奇跡」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-14-1

宜しければ合わせてどうぞ。


2009-06-07 18:03  nice!(1)  コメント(0) 
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