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感想:大河ドラマ「天地人」第15回 御館落城 *ネタバレあり [NHK大河ドラマ感想]

NHKの大河ドラマ・天地人
第15回「御館落城」の感想です。ネタバレを含みます。


前回の第14回「黄金の盟約」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-04-05-2
前々回の第13回「潜入!武田の陣」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-03-29-2

各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-07-4


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長々と続いていた御館の乱が、ようやく終わりました。
丁度、この話が15回目だった事から邪推すると、
もしかしたら、最初から「11〜15回は御館の乱を描く」と決めていて、
それぞれの回に大きなエピソードを一つずつ入れていったのかもしれません。
だとすれば、だらだらと間延びしていたのにも納得がいきます。



今回の放送で、最初に「ん?」と引っ掛かったのは、
景虎の元にいる仙桃院を訪ねようとして、
お船と妙椿尼(お万)が景勝に直接進言をするシーンです。
当時はまだ女性が物を言えた時代+夫の景孝が婿養子+
夫が城に詰めていれば、事前に話ができなかったかもしれない
──のを踏まえても、彼女達が出しゃばり過ぎだと思いました。
二人が兼続に言うのならまだしも
(↑景孝が嫌がるはずなので、
それですらしないようにするのが普通だと思いますが)
あの場にお船が出るのは、ちょっとあり得ないです。
もしあったとしても、お船がまず景孝に進言した後で、
景孝が景勝に言うのが普通だと思います。
そうじゃなきゃ、景孝の顔が潰れます。
作中でも、景孝がお船を叱ってましたが
よくあれで済んだなと思いました。

それと、これも今までの感想で何度も書いていますが、
景勝・景虎の双方が悪くないと描きたいようなのが、
特に景勝側の描写に悪い影響として出ているのが、残念です。
何をどうフォローしても、
兼続達が悪いのは、今更拭えません。
ただ、「総攻めを」と逸る家臣たちを
景勝が「ならぬ!」と一括したシーンは大変良かったです。

また、肝である戦闘シーンがまたもや短いです!
素人の勝手な意見ですが、
桑取衆と武田家を味方につける回を分けず、一回にまとめて、
代わりに戦闘シーンを増やしてほしかったです。
人の心の動きを丁寧に描くのは大事ですが、
こう毎週毎週、長丁場で見せられると、さすがに飽きます。
もっと緩急をつけてほしいです。

北条の家臣だった遠山の去り際の「にや」は、不要だと思いました。
あれは、テレビの演出にしてはちょっと分かりやす過ぎます。
これまでの描写で、
景虎や彼の家信を焚き付けているのが遠山である事は充分に伺えますし、
何より、去っていく後ろ姿だけで、彼の不穏さを感じられます。
また、あの笑いがない方が、
最後に兼続によって明かされる道満丸の死の真実が
余計に無気味に思えたのではないかと思いました。



今回は、言わば敵である景虎と華姫の死が絡むので
いつも以上にやたら感傷的+間を多く取っています。

さすがに、道満丸が人質となって
景勝の元に差し出されると決まってからのシーンは
情感たっぷりで良かったです。
特に、輿に乗った道満丸に危機が及ぶシーンと、
鮫ヶ尾城に落ち延びた景虎と華姫が死を覚悟するシーン、
そして景虎と兼続が最後に話すシーンです。

まず最初。
輿に乗った道満丸に危機が及ぶシーンは、
道満丸が景虎や華と別れ、
御館を去るシーンから音楽が繋がっています。
館で別れを惜しんだ後、
幼いなりに淋しさを覚えた道満丸が母を偲ぶ場面なので
音楽も優しいです──が、
彼が襲撃に遭う瞬間まで、その音楽が続きます。
輿に乗っているので外の様子が見えない&
道満丸はまだ幼いので
物音や気配だけでは外の異変に気付き難い事から、
彼が死の直前まで危機に気付けなかった事を
音楽だけで物語っていたと思えました。

次の鮫ヶ尾城の二人は……いやぁ、泣きました。
私は涙もろいのですが、
天地人で泣いたのは、これが初めてかもしれません。
景虎と華姫が抱き合うシーンよりも、
景虎の肩に華姫が後ろから頬を寄せるシーンの方が好きです。
死の覚悟を決めた事で達観した華姫の泣き笑いには、
私もつい、もらい泣きしてしまいました。
はらはらと泣きながらも微笑む顔からは、
今生への諦めと、景虎への深い愛がよく表われていました。
あの華姫の泣き方は、本当に良かった。
アップで顔が映されているのも良かったです。

最後の、景虎と兼続が話すシーン。
この辺は主人公特権のはずなので
(兼続が主人公だから、景虎と話せた。
死ぬ景虎に花を持たせると同時に、兼続を良い人に描ける好機です)
話に没頭するというよりは、
書き手の考えが透けて見えてしまったのですが、
それでも、ここは良かったと思えました。
大事な跡取を失い、義理の母も奪われ、愛する妻も失った景虎が
自分には人を信じる力がもう無いと口にした台詞に、
私は胸を打たれました。
道満丸を人質として差し出すと決める前に行なった仙桃院との会話で、
「自分(仙桃院)と道満丸と華がいる」と彼女に言われた事が、
ここで重く響きましたので……。
辛い表情ながら落ち着いた口調で「悲しい戦だ」と言った景虎の姿も
胸にくるものがありました。
兼続以外の上田衆と目を合わせて頷くところも、
大変良かったです。
上杉の家を守るという信条では合致していた分、
事が事でなければ、力を合わせていけたはず……という可能性を
示唆できていたと思います。

だからこそ……最後、景勝の元に戻った上田衆の顔を
一人一人アップにする必要はなかったと思います。
あれは蛇足だと思いました。
無い方が、景虎と目を合わせるシーンがより印象深くなるので。



さて、御館の乱が終わったことで
次は景勝の嫁取りですね!
またもやだらだらとしそうですが、
予告を見た限り
菊姫との不仲っぷりはそれなりに描かれているらしいので
ちょっと楽しみです。

なんでここまで戦のシーンを描かないのか
どこかで公式に説明されないかなぁ。
その真意を知りたいです。



────
感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。


続きの第16話「信玄の娘」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-04-19-4

宜しければ合わせてどうぞ。


2009-04-16 19:45  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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