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図書館で借りた本200807(感想:角田光代「ドラママチ」重松清「ブルーベリー」橋本治著「蝶のゆくえ」)*ネタバレあり [アニメ・ゲーム・漫画・小説]

図書館で借りた本の一覧と、ひとこと感想です。
自分用の覚え書きも兼ねています。
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・角田光代著「ドラママチ」文藝春秋社
・重松清著「ブルーベリー」光文社
・橋本治著「蝶のゆくえ」集英社
・小説現代2007年8月号
・小説現代2007年10月号


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・角田光代著「ドラママチ」


角田さんは、長編は気にならないのですが
短編はちょっと苦手な話が多いです。
読後に「だからどうした」と思ってしまうことが多くて。
多分、この人が書かれる話の導入部分は好きなんだけれど
起承転結の“転”と“結”が無いから、苛々してしまうんだと思います。
前回、角田さんの小説を面白く読んだので(これについては後述)
久し振りに借りてみたのですが、やはり駄目でした。
「ワカレマチ」には何となく覚えがあったので、
雑誌初出の際(オール讀物)で読んでいたのかもしれません。

ただ、本の装丁が、私がとても好きな
クラフト・エヴィング商會さんだったので、嬉しかったです。
やっぱりファンだわー、私。



────
・重松清著「ブルーベリー」


この人の短編は好きなのですが、この本は駄目でした。
途中で嫌になって、読むのを止めてしまいました。

何故かというと、文体やお話の内容は面白かったのですが
おそらく著者重松さんの世代であろう、小説での世界の描写が
私には馴染みがないものばかりで、
主人公たちが接するもの(多分、重松さんが懐かしんでらっしゃるもの)の
名前などは知識として知っているものの、
それらに対して深い思い入れが無いので、
読んでも「ふーん」と思うだけで終わってしまうんです。
*例:竹の子族

それらはあくまで設定で
話を彩ったり真実味を持たせたりする小道具なのですが、
話のメイン(テーマ的な位置)に置かれているので、
私は読んでいて苦痛になりました。
さっぱり共感できないのは
(理解できるけど、深入りできない)きついです。
主人公の苦労や喜びについて、
「大変そうだな」「良かったな」と思うことはあっても、
作品が狙っていると思わしきレベルまで達することができませんでした。

なので、最初の受験の話と、
友達の彼女を見る為に地方のお花見に行く話しか読んでいません。



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・橋本治著「蝶のゆくえ」


実は、橋本氏の作品を雑誌などで読むことはあっても、
こうして単独での本を読んでみたのは、これが初めてです。
雑誌だと、作者云々よりも
小説の内容で覚えてしまうので、
過去、この方の作品も読んでいるはずなのですが、
頭の中に「これが良かった!」と思える記憶はありません。

「夜」という本を借りたかったのですが、
それが図書館に無かったので、代わりとして試しに借りてみた一冊です。
ええと……きつかったです。
しょっぱなから幼児虐待の短編(「ふらんだーすの犬」)だったので。
しかもこの方は、登場人物の視点がころころ変わるので、
虐待をしている親(でも、彼等はそうは思ってない)や、
その周辺の人々、勿論、虐待されている子の視点での文章があります。
特に、この子供がけなげで……
最後、六日間ぐらいベランダで飲まず食わずで放置された結果、
さすがにまずいと思った親によって病院に連れていかれるんですが、
看護士さんに優しく身体を撫でられながら
その温かさを母親の手だと勘違いして死んでいくんですよ……。
もう、こうして書いているだけで涙が出てきます。

この本は女性の不倫をテーマにしているようで
他の小説も、明るくない話ではないのですが、面白かったです。
でも!!
最初に読むのがこの話というのは、ちょっと辛過ぎます。
最後でも辛いので、本の真ん中あたりに収録してほしかったです。



────
・小説現代2007年8月号
・小説現代2007年10月号

前回、この間の2007年9月号を借りたのですが、
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-07-29
面白い企画がありました。
一人のバンドマンをめぐる五人の少女の話の連作が行なわれていたんです。
9月号では、この二作目に当たる話を角田光代氏が書いていて、
それがとても面白かったので、
最初からきちんと読んでみようと思い、借りてみました。

詳しく言えば、場末のライヴハウスからスターになったバンドの、
初期から追っかけをしていた私設ファンクラブ幹部五人の話です。
角田氏の「楽園」では、
尋常でない思い込みと、それに相応しいだけの実行力から
バンドのボーカルである男と結婚することに成功した女の子.宣子の話でした。

そして、最初に当たる8月号での第一作目は、
獄本野ばら氏の「プリンセス・プリンセス」で、
五人の中でも最初にバンドのボーカルと親しくなり、
他の四人がファンの中でのし上がるきっかけを作った
ピンサロで働く女の子・まりん(源氏名)の話でした。
「楽園」では斜に構えていて、ミョーに大人で冷めていて、
宣子の密かな憧れでライバルでもあったまりんが
実際は彼女なりに考えて生きていたんだ……と分かりました。

第三作目の唯野未歩子氏の「17才」では、
まりんと宣子の仲間である正子の子・菊子の話でした。
父親がいない菊子は、ボーカルの男がそうかもしれないと思い、
当時の母親が好んでいたファッションで、
復活ライヴに足を運びます。
今と昔、母と娘──若い頃の母と今の娘という対比が面白かったです。

他、10月号をだらだらと読んでいたら、
やたらエロティックな(笑)表現を含む時代小説ばかりで、
今回は前回と違ってそれを目当てで借りたわけではないので
正直、辟易していたら、
表紙を見て納得しました。
“好色時代小説特集”……エロばかりあって当然です(笑)。
自分に「読もう!」という気が無いと、
エロばかり見せられると飽きるもんだと、
初めて知りました。


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2008-08-07 11:44  nice!(0)  コメント(0) 
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