SSブログ

アフタおお振り感想2008年5月号感想*ネタバレあり [おお振り:アフタヌーン感想]

月刊アフタヌーンで大人気連載中の高校野球漫画
「おおきく振りかぶって」の感想です。
今月号(2008年5月号)は勿論のこと、
単行本未収録分のネタバレがあります。

0_oo1.jpg
画像はわざと劣化させています。

先月号(2008年4月号)で、美丞大狭山戦の試合が終わりました。
その結果もネタバレとして出していますので
ご注意下さい。


本誌感想はカテゴリでまとめてあります。
他の号の感想をご覧になる場合はこちらをどうぞ。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/archive/c338259-1


────

最初におことわりです。
感想を書くのをずっとサボっていた為、
現在の最新号2008年7月号まで、これを書く前に読んでいます。
本誌は毎月必ず発売日に購入し、
サイトの日記では一言の感想を書いていますが、
http://himemaro.hp.infoseek.co.jp/
こちらで挙げていく感想は
書くに当たって再び読み返したものに対してですので
リアルタイムのものではないことをご了承下さい。



今月号は、
後半に阿部の怪我に対する説明と対策が
医者によって語られますが、
何よりも、岳志くんの号だと思いました。
そして私は呂佳さんへの苦手感が強まりました……(笑)。
呂佳さんをちょっとグーで殴りたくなりました。



では、順を追って感想を述べたいと思います。

負けた後、以前に取材を受けた埼京スポーツの女性記者さんから
花井と田島がコメントを求められます。
うちの県では、
球場内の控え室みたいな場所で選手が取材を受けるので
(窓が開いている小部屋なので、外から見える)
違いが面白かったです。
ちなみに、同じ部屋に勝者・敗者両方ともいるので
なかなかきつい状況です。

田島の一言で、自分の夢を再確認する花井。
この(P87)に入る回想のコマの後、
勝ったチームが甲子園のマウンドに整列して校歌を唄う場面に繋がる
(しかもここで“おおきく振りかぶって”のタイトルが入る)のは
凄く素敵でした。
ここの流れはいいなぁ。
私も、リアルで高校野球ファンなので
花井のこの思い出し方に、ついつい自分も重ねてしまいます。

小さい頃の花井、そしてお母さんのきく江さんがかわいいです。
最初のコマは、テレビを見ている花井の帽子をきく江さんが邪魔してて、
花井が「何すんだよ、もう!」と言ってるみたいだと思いました。
お腹が大きいので、あすかはるかちゃんの双子ちゃんが中にいる頃ですね!
双子だと相当膨らむはずなので、まだ臨月は遠いのかな……。
2コマ目も素敵。
「うわー」と目を見開いている花井の目に、
次ページ(P88)の、甲子園で整列する学校が映っているんでしょうが
これが、花井が野球をやる原点なのかなぁと思いました。
花井は優しいですが、母親には照れで素っ気無く応対しているみたいなので
(それでも、きく江さん自身がモモカンに語ったように
中学時代よりもかなり普通に喋れるようになったらしいですが)
この時期、とても仲良くしているっぽい親子が素敵だと思いました。
こんな過去があったら、きく江さんは
思春期を迎えた花井が離れていっちゃった時に
さぞかし淋しかったでしょうね。
そして今でも、花井はきく江さんから
「あの頃はかわいかったのに……」と言われているに違いない。
私がきく江さんだったら絶対に言ってます(笑)。

田島が“ぶたれなれている”というのは、お家の躾かな。
子供が多い&一番下だと、親も兄弟も遠慮がないですよね。
ぶたれるといっても、きっと微笑ましい感じがするのかなと
田島の様子から推測しました。



そして、いよいよ和さんと岳志の会話です。
その場にいない呂佳さんの話題を始めた和さんが、
まず自分の発言に違和感を持ちます。
・最後、負けてから(桐青の)グラウンドに来ない
・自分の後輩(桐青の練習)をほっぽって、他に(西浦の試合)に来ている
・初戦負けだった
・スネて野球から遠ざかったと思っていたから、後輩としてはホッとした
(自分がこうして球場に来ていることを利央達に知られたら、ホッとされる?)
という感じです。
和さんが、呂佳さんのことを岳志に話しているはずなのに
その内容が自分にも当てはまることに気付いて
苦い思いをします。
……せつない。

前置き(呂佳さんの話)が終わったあと、
痺れを切らしたらしい岳志が自分から切り出します。
いつ何を和さんから言われるんだろうって、怖かったのかもしれませんね。
この二人って初対面なので、
名前しか知らない他校の先輩を前にただでさえ緊張しているわけですから。

P92の1コマ目
「スタンドからのサインは、禁止だって知ってますよね」
和さんが、ずばりそのものな言葉を岳志にぶつけます。
この時はもう……「和さんグッジョブ! (`ω´)b」と思いました。
心から強く思いました。

続いてP92の1コマ目
全ての文字に強調の点が付けられています。
「変なこと言うヤツもいるかもしれないから、もうやめた方がいいすよ」
この台詞、岳志は和さんがかまをかけたと受け取ったようです。
私は、それもあるけれど、
和さんが岳志のために逃げ場を残したんだと思いました。
「サイン貰ってますよね。やったら駄目ですよ」と言ったら、
岳志は返事においての選択が
自分の罪を認めるか否かしかなくなります。
でも、この聞き方なら、先の「スタンドからのサインは〜」と合わせて、
岳志は遠回しに質問されていることになります。
岳志も和さんも、そこに秘めた言葉を分かっているけれど、
それを口に実際に出すのはとても重いことなので、
表面上、それに近いことを言って、岳志が認めやすくしたのかなと
私は思いました。
(その後、岳志に去られる際に
和さんが「こりゃ確実かな」と内心で思うシーンがあるので
おそらくひぐち先生は、岳志が思ったように
「確信がないけれど、かまをかけてみた」だけなのかもしれません)

上記二つの和さんの言葉を聞いた時、岳志は顔を強張らせてます。
でもここで悪態を和さんに吐いたりせずに、
「それで(確信はないのに)忠告してくれんだぜ。
さすが桐青のキャプテンだよ」
「オレなんかとはモノが違う」
と、同じ球児、同じ捕手として、
和さんを讃える言葉を頭の中で思い浮かべます。
そして、きっぱりと
「分かりました」「もうやめます!」と
言い切ります。

(´ωと) ……良かった!
これまでも、やりたくない素振りを見せてきたり
やらずに済むように必死に頑張ってきたり
自分がやってないのに怪我をさせてしまった阿部を気にしたり
──と、本音と現実の差に苦しんでいる岳志の姿を見てきましたが、
自分の非を素直に認められた岳志に
ホッとしました。
これぞ、おお振りの球児だなぁと思いました。
やってしまったことは、取り返しがつかないのだから仕方ない。
だから、彼については今後が問題ですよね。
良かった……良かったなぁ。

その後、先に去る岳志の後ろ姿を見ながら、
和さんが己の現状を考えます。
野球を真面目にやってきたからこそ、
そこから抜けだせなくなっている彼は、
苦しそうですが、とても魅力的に見えました。



その後、岳志のご両親が運転する車で、
彼は呂佳さんと共に病院に行くのですが
──ううう、呂佳さんが嫌です(笑)。

ここの岳志の台詞は痛いなぁ。せつないです。
「オレほんとにバカだった」という言葉の通り、
岳志の言動からは彼の猛省ぶりがよく伝わってきます。
ちゃんと自分の言葉で「もう止める」と言っているのが
凄いなと思いました。
いや、やったことは本当にいけないことですが
彼はもう二度としないでしょう。
それがよく伝わってきます。

それどころか岳志は、
自分は野球を好きだけれど、もう二度とボールに触れないとまで
言い出します。
岳志にとっては苦渋の決断だったでしょう。
野球が好きで好きでたまらなくて、
そんなことをしてまでレギュラーになりたかったのを
自分が悪かったとはいえ、自ら降りると宣言したんですから。

だからこそ、次の呂佳さんの言葉が腹立たしかったです。
「なんだそれ、お前に、そんな価値……」
って!!
あり得ない!!

ここは、丁度院内アナウンスが入ってしまったため、
呂佳さんが最後まで言わないようになっています。
でも、「そんな価値は無い」と言いたかったのは
丸分かりです。
あぁ、もう、なんでそんなこと言うかな……。
まさに、呂佳さんの本音がぽろっと漏れたという感じでした。

その前に、岳志が呂佳さんに「監督に言います」と言い、
呂佳さんが「言えば?」みたいに返す会話が入るのですが、
ここで呂佳さんに絶望した岳志が
本当に監督に言わないかな……と思いました。
あの滝井監督なら、不正は絶対に許さないでしょう。
ベスト8ということは、残っている学校が8しかないので
今後の試合の日程もかなりきつきつになってて、
迷ってる間に次の試合になってしまうのでしょうが、
やっぱりここで呂佳さんを止めさせるエピソードが欲しい。
もし、万が一、また美丞が勝っちゃって、
下手に優勝とかしちゃったあと、
岳志が「実は……」なんて真実を明かしたら
傷はもっと深く酷くなると思うんです。
もう充分深いけれど、まだ取り返しがつく内に何とかしてほしい。
このまま有耶無耶に終わらせて、
美丞が負けて甲子園に行けなかったから良いということには
なってほしくないです。
できれば、まだ試合がある内に(負けた後ではなくて)
岳志にはもう一頑張りしてもらって、監督に打ち明けてほしいです。
呂佳さんの様子では、彼から自白することはまずないのと思うので。

でも、もし呂佳さんと岳志の事実を知った美丞が
事情を高野連に正しく報告したとして
──もし美丞が試合を控えていたら、辞退すると思うんですが
その場合はどうなるんでしょう。
その時点で次に美丞と当たる予定だった学校のみが不戦勝になるのかな。
だとすると、岳志がやったっていう前の学校
(西浦と当たる前に美丞と当たり、岳志に怪我をさせられた高校)は
悔しくてたまりませんよね。
う……恨まれて刺されたりしないんでしょうか。
そういうのが否定できないほど高校野球って熱い世界ので
想像してしまうと怖くなります。

この岳志と呂佳さんの会話の合間には、
大型送迎バスで学校に帰るらしい美丞の現状が描かれると共に、
滝井監督と呂佳さんそれぞれから見た過去回想が挿まれています。
これはこれで、新しく知ることができた裏の一面なので
読めて嬉しいのですが、
とにかく現在(岳志と呂佳さんの会話)が酷いので
あまり感傷を持てなかったというのが私の感想です。
いっそ、滝井監督が岳志から事情を知って、
この夏はもう野球ができないと分かった時に、
「あいつは……」って感じで、
呂佳さんとの過去を出した方が良かったかなぁとも思いました。
滝井監督は「髪切ろ」と言ってますが
いっそこのせいで彼が髪を切れなくなってもいいかも……。



さて、岳志に釘を刺した和さんは
これで少しすっきりとした気持ちになったのか
少し前に進みました。
明日、桐青のグラウンドに行くと、準太にメールをしています。
(はっきりと準太だとは書かれていないですが
宛先がた行の人間であるのと、これまでの流れで、
まず間違いなく“高瀬準太”かと)



次は、病院にモモカン&母と一緒に行った阿部です。
彼の怪我の詳細と、具体的なリハビリ方法が分かりやすく説明されています。
試合に出たいと焦る阿部の心境がところどころ言動に表れていて、
微笑ましいです。
大変そうですが。

診察を終えた阿部は、三橋と話をしたそうでしたが
(過去を謝りたかったんだと思います)
怪我のせいで三日後になると分かり、メールを入れます。
件名は「見たら返信」!!!!!
怖い(笑)。
過去に、三橋が返信しなかった時がありましたから
それを踏まえてのことなんですが、
阿部は、三橋がこれにびびっているとは
露ほどにも思ってないんでしょうね。
その三橋のびびり具合が面白かったです。
さーっと顔を青くしている三橋がかわいい。



そして、田島の言葉を受けて
チーム内での目標を決めようとした花井によって
病院から戻ってきたモモカンを交えて、
皆でひとりひとり目標立てを行ないます。
その際に、当面の目標で、三橋が
「オレは、練習、おわったら、返事、する、ぞ」と
内心で呟いているのもかわいかったです。




では、最後に今月のベスト3です。
第三位:P112の3コマ目の呂佳さん。
好きじゃないんですが、感情がよく出てるなぁと思います。
「何言ってんの、お前。バッカじゃねぇ?」って感じで。
その直後の岳志の顔もいいなぁ。
個人的な好みとしては、ここで呂佳さんに絶望してほしいので
岳志にはもっと呆然としてる感じが出ていてほしかったです。
呂佳さんも岳志も、それぞれが違う理由で呆気に取られている感じで。

第二位:P127の1コマ目。
阿部からのメールにおののく三橋。
かわいいです。

第一位:P87の3〜4コマ目。
過去回想の花井親子。素敵だー!





────
感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。

ランキングに参加しています。
記事がお気に召しましたらバナーを押してやって下さい。
*別窓でランキングサイトが開きます
にほんブログ村

続きの2008年6月号の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-06-19-3

宜しければ、合わせてどうぞ。


2008-06-19 12:21  nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。