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アフタおお振り感想2008年4月号感想*ネタバレあり [おお振り:アフタヌーン感想]

月刊アフタヌーンで大人気連載中の高校野球漫画
「おおきく振りかぶって」の感想です。
今月号(2008年4月号)は勿論のこと、
単行本未収録分のネタバレがあります。

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画像はわざと劣化させています。

今月号で、美丞大狭山戦が終わります。
その結果もネタバレとして出していますので
ご注意下さい。


本誌感想はカテゴリでまとめてあります。
他の号の感想をご覧になる場合はこちらをどうぞ。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/archive/c338259-1


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最初におことわりです。
感想を書くのをずっとサボっていた為、
現在の最新号2008年7月号まで、これを書く前に読んでいます。
本誌は毎月必ず発売日に購入し、
サイトの日記では一言の感想を書いていますが、
http://himemaro.hp.infoseek.co.jp/
こちらで挙げていく感想は
書くに当たって再び読み返したものに対してですので
リアルタイムのものではないことをご了承下さい。



まずは、上記で挙げたサイトの日記から
初読の感想の転載をします。
2008年2月25日の日記です。



> 実は、アフタはちょっとした待ち時間に読もうとしてて、
> どこがおお振りなんだろうって適当に開いた瞬間に、
> P236ページの最後のコマ「そして負けた!」が見えたんで、
> 「あぁ……」と脱力しました orz
> 西浦が負けたのも悔しかったですが
> それ以上に、自分の不注意でネタバレを見てまったような気がして。
> しかもよりによって、そのページとは……。

> 試合終了後、意外に皆、泣いてなくてびっくりでした。
> 呆然としててよく分かってない……という感じでもないですよね。
> 西広先生みたいに、びーびー泣くかと思ってたのに。
> あと、スタンドでの挨拶が終わったあと、
> 三橋が阿部に報告する場面では、堪えきれなくなって泣いてしまって、
> 慌てて本を閉じてそっぽを向いて、心を鎮めました(笑)。
> 家だったら、泣きながら一気に読み進めたと思いますが
> さすがに人目のある外だったので……。

> 和さんには頑張ってほしい。
> 呂佳さんのやり方は絶対に通っちゃいけないです。
> 岳史のためにも。





では、本格的な感想に参ります。


この号は、家に帰って読み返してからも
ちょっと泣いてしまいました。
でも今(2008年6月)は、さすがにそのようなことはありません。
その後の彼らがとても前向きになっているのを、
目標立てのエピソードで目の当たりにしているからかもしれません。



まずは、打者田島のシーンから。
美丞大狭山のバッテリーは、その直前の監督の言葉がよく効いているようで
良い感じに締まってますよね。
バッターが田島だったからこそ
良い球なのにくさいところを打てたのかなあと思います。
あの状況で、三塁線に沿って打てるのは凄いです。
(本塁から三塁を経て引かれている線上です。
打球がその線に沿ってレフト奥まで転がると、
余程のことがない限りツーベースになります。*打者が二塁まで進む
レフトが球の処理に戸惑うと、スリーベースになることも珍しくないです)



巣山くんの好走塁&泉くんの好判断で、
一塁にいた巣山くんが一気に本塁をつきます。これで一点返しました。
打った田島は二塁で止まります。
もし、飛んだ球がライト方向(一塁線上)だったら
彼の足なら三塁まで突いたかもしれませんね。

その直後の美丞バッテリーの会話は、
西浦ファンの私が悔しくなるほど素敵でした。
いいなぁ、こういうバッテリー。
ヤノジュンくんが見守ってるのも微笑ましい。



個人的には、その後の花井が続かなかったのが惜しいです。
岳志に「顔に出すぎだよ」とありましたので、
花井には是非、辛いですけど
この試合のビデオを後で見返して
この点を反省してほしいなぁと思いました。
打つ気が外に出るのはいいですけど
田島みたいに悟りの境地(笑)にまで入ってほしいです。

花井が三振して、皆の溜め息がスタンドに蔓延する前に
ハッとなって気付いた浜ちゃんが凄いです。
モモカンから言われていたことが、ちゃんと身に付いてますよね。
頭で考える前に、深見さんに声を掛けているところが
さすがは浜ちゃんだなと思いました。



次の打者の沖くんは……前回の打席で良いヒットを打ってるので
ここでは打たないんじゃないかと思いました。
でも、バットに当てたので、期待してしまい、
P215の大きなコマでヤノジュンくんに捕られた時は、
思わず「あああ……」と声を発してしまいました。
ヒットエンドランを狙っていたので、
田島は無事に三塁にまで着けましたが、
アウトカウントを増やして、ツーアウトになったのは痛かったです。


そう、次の打者は西広くんです。
ツーアウト三塁、得点差五……一打逆転にはなりませんが
田島をホームに返せば、いっきに試合の流れが変わるという重要な場面です。
なのに!!!
公式戦初出場で、この重責──私だったら逃げ出すと思います。
自分と置き換えただけで、胃が痛くなりそうです。
でも、阿部が出られないんだから仕方ありません。

皆が必死に応援しているのに、涙ぐんでしまいます。
そして勿論、頑張っている西広くんにも!
西広くんで惜しいと思ったのは
「あ、あたる。次は」という言葉です(P220)。
ここ、仮に「当てる」だったら、
本当に打てていたような気がします。
「当たる」だと、他力本願さが匂うような気がしませんか。
その後の、「あたれ。当たってくれ」(P223)も同様です。
「当てる。当ててみせる」だったら
ヒットまではいかなくとも、
振ったバットにボールが当たった気がしてならないです。

それにしても、西広君の打席は、
たとえば映画だと音が一切無い代わりにBGMが流れるような
淡々とした描かれ方になっているのが面白かったです。
それぞれのコマで(特に西浦側は)皆が大声を出しているんですが
それにあまり重きが置かれてないというか、
頑張ってるけど結果が出そうにない西広くんにしても
この部分の主役というより、数ある内の一つになっている気がします。
コマの一つ一つが大きいからでしょうか。
最後だからなのか、読みやすいように流して描く感じじゃなくて
コマのそれぞれが独立してる印象も受けました。
あ、表情を変えてない滝井監督の顔も、大きいと思います。
盛り上がってるのに引いて撮影されているような冷静も
感じられました。



そして、西広くんが三振し、決着が着きました。
西浦の負けです。
練習試合でも公式戦でも勝ってきた彼らにとって、初めての負けです。
西広君は、最初がこれで辛いでしょうけれど、
良い経験をしたなぁと思います。
これからは、この試合が彼の原点になるんでしょうか。

P227で、勝った美丞大狭山の部員(1コマ目)と
負けた西浦の部員(2コマ目)が上下に並び、
対になっています。
西浦が誰一人として笑顔でないのに対して、
美丞は、数人の口角が上がっています。
でも、ここの一番の注目点は、
両チームで一人だけ顔を俯かせている西広くんです。
これは、横や斜めから描かないと分かり辛いので
両者の比較は勿論のこと、西広くんの心境や立場を描く点で
とても的確な描写だと思いました。



試合終了の、ベース前での一礼のあと、
両チームは応援のお礼を言うために、スタンド前に行きます。
モモカンは行ってない……みたいですが
埼玉は行かないのかな。
そういえば、テレ玉(埼玉テレビ)を見る限りでは、
試合終了後に流す勝利校の校歌も無いですもんね。
私の県は埼玉の隣ですが、
監督や部長先生もスタンドへの挨拶は同行して、
試合後の校歌も流れるので
こういう地域差がちょっと不思議です。

応援のお礼返しで、スタンドの皆が拍手をしているのもいいなぁ。
ここは、花井はるかあすかの双子ちゃんがかわいいので
とても和みました。
結構幼いんですね、この二人。

そして、その場で泣き崩れている西広君を起き上がらせる花井。
一緒に西広くんを支えたのは沖くんかな。
泉くんに肩を抱かれていて、帽子のつばで顔を隠しているのが栄口くん……で、
髪型からして、その後ろにいるのが水谷くん。
そして巣山くん、田島、三橋……ですね。

最後の三橋がベンチに向かう際に、
新聞に載るスコアのまとめみたいな記事が一緒に載りますが
これを見てるとせつなくなりました……。
本当に負けちゃったんだなぁって、実感しました。
特に、このデータを見ると、
西浦は三振数と残塁数がとても多いんですよね。
つまり、ヒットはそこそこ出せるのに
打線が繋がらなかったのが見えてきます。
そして何より、和田くんに二本のホームランを打たれているのが痛いです。



これまで平気だった三橋が、
ベンチの外まで出ていた阿部と対峙して、一言「あ、あし」と言った直後、
涙腺の堰が切ったように泣き始めるシーンには、
私ももらい泣きをしてしまいました。
ここも良いシーンだった……!
中学校の頃は散々負けてきた三橋ですが
多分、彼にとって今回の負けが一番悔しかったんじゃないでしょうか。
何も言わずに、三橋の肩を正面から抱く阿部の気持ちもよく分かります。
無念ですよね。悔しいですよね。


なので!
この直後(ページをめくると)にある
モモカンが「はい、そこまで!!」と言っているコマに
部員も、読んでる私も拍子抜けしてしまいました。
モモカンは強いなぁ。そして良い監督さんですよね!
涙を舐める三橋には、吹き出しそうになりました(笑)。かわいい。



それから、球場の外に出た父兄たちの話になります。
花井母にほっぺたを摘まれている双子ちゃんがまたしてもかわいい!
しかも、喋ってる言葉が平仮名ですよ。幼いんだー。

ここでちょっと不思議だったのが、
西浦の父兄の後ろに美丞の父兄がいること(P241)です。
普通、球場のスタンドには、スタンド用入口があります。
(それとは別に、内野入口とかもありますので
スタンドで応援する場合はスタンド入口から入ります)
スタンドは、一塁側と三塁側というように、ほぼ逆側にあります。
当たり前ですが、自校のベンチがある側のスタンドが、その学校の応援席です。
試合が終わってスタンドから出た客(応援団や父兄)は、
その場で待機して、近くの出口から出てくる選手を出迎えます。
よって、試合が終わった後、
両方の父兄がこうやって交ざるのはあり得ないんです。
所詮、漫画の世界だから〜という感じなのでしょうが
もしかしたら、埼玉は球場の関係でこうなのかなと思って、
敢えて指摘を書いてみました。
この球場は、テレ玉やNHK(夏の決勝はNHKでも中継されます)で
見たことはあるのですが
それはあくまで球場内のグラウンドが主なので、
私は球場の外や構図をよく知りませんので……。
スタンドの出口付近じゃ迷惑になるので
中央に近い場所に両校が集まるようにした結果、
なにげにはち合わせしている状況になっているのかもしれません。



最後に和さんが、試合を終えた岳志に話し掛けます。
いよいよです。
それを遠目に目撃した呂佳さんが、和さんに向かって
「うっぜえな、あいつ……」と言ってますが
私は彼にむかつきパンチを送りたいと思います(笑)。
あぁ、呂佳さんは完全に汚れ役ですね。




では、最後に今月のベスト3です。
第三位:P218の2コマ目。
「にしひろくん がんばれえっ」の三橋。
前は、こんな風に応援することもできなかったのに
一人で先頭きって応援できるようになってて良かったです。
また、心のこもった応援だとも思いました。

第二位:P234の3コマ目。泣き出した瞬間の三橋。
この顔は凄いです。
本当に、「あ、泣いた!」っていう瞬間を表わしていると思います。
見てるだけで私も泣けてきます。せつない顔だー。
全力をつくして頑張ったからこそ浮かんだ表情だと思います。

第一位:P240の1コマ目。
The★西浦というか、モモカン軍団というか
負けたばかりなのに皆の士気が物凄く高そうで
全員がとても良い顔をしてます。凄いです。
大好きです。





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感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。

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続きの2008年5月号の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-06-19-2

宜しければ、合わせてどうぞ。


2008-06-19 00:20  nice!(1)  コメント(0) 
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