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アフタおお振り感想2007年9月号感想*ネタバレあり [おお振り:アフタヌーン感想]

月刊アフタヌーンで連載中の「おおきく振りかぶって」の感想です。
今月号(2007年9月号)は勿論のこと、
単行本未収録分のネタバレがあります。
また、私はおお振りで同人活動をしている他、
アベミハ・タジハナのカプ萌え中なので
それを匂わすような事をたまに書くこともあります。
やおい系の記載を苦手となさる方はご注意下さい。

本誌感想はカテゴリでまとめてあります。
他の号の感想をご覧になる場合はこちらをどうぞ。
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/archive/c338259

まず、最初におことわりです。
感想を書くのをさぼってしまったので、
この後の2007年10〜11月号も、これを書く前に読んでいます。

ではページに沿って、思った事を挙げていきます。

■冒頭の呂佳さんモノローグ
桐青の説明があるのですが、
中学校の野球部がそれほど強くないというのに驚きました。
甲子園に行ったことがあって、
しかもどの公式戦でもそこそこまで勝ち上がれる高校なら、
付属中学校から頑張る子も多いのかなと思ってましたので。
ただ、私立は中学校でもお金が掛かりますし、
ここで頑張っても、もし仮に他でそうしても、
最終的に桐青高校に入って野球をやれれば良いという考えが
確かに現実的にあると思うので、
この学校については、
そうした考えを持つ人が多いのかなと思いました。
桐青の学力のレベルは定かになってませんが、
スポーツ推薦が盛んに行なわれているならば、
地元の中学などで地道に頑張る手が普通でしょうし。
でも、中学もそこそこ強いかなというイメージが私にはあったので
意外でした。

また、中学から高校に持ち上がる際に、
呂佳さんの代では彼と滝井監督しかいなかったというのも、びっくりです。
それほど強くないなら部員も多くないのでしょうし、
もしかしたら二人の代は
たまたま極端に部員が少なかったかもしれませんが
他の人たちはどうしたのかとか、
もしいたとしたら野球を辞めちゃったのか……など、
色々と想像してしまいました。
また、二人だったからこそ、
滝井監督は呂佳さんと卒業後も一緒に野球をやりたかったのかなと
思いました。

■西浦のバッテリー 対 美丞の四番
四番打者の和田くんとの対決です。
彼は、美丞の攻撃の鍵となる人なので、モノローグが多いです。

三橋が故意に首を振るようになって、
配球と狙い玉の読み合いになってます。
結局、首を振るようになった三橋に乗せられて読みを乱されて
和田くんは三振に終わりますが、
それがいつまでも彼に有効的かというと、そうではないと思います。
ただ、簡単にアウトを取れたことで
阿部に対する三橋の尊敬度が更にアップしたのは間違いないようです。

でも、三橋が皆から声を掛けてもらえたり
優しくされたりするのは当たり前のことで、
別に阿部がいなくてもそうしてもらえるということに
彼が気づけるのはいつなんでしょう。
こういうシーンを見ると、三橋にほろりときてしまいます。

また、皆にそうしてもらえたのが嬉しくて、
三橋が珍しく積極的になっているのが(百枝たちに近付くところ)
なんか哀れで、
でも一生懸命なのがよく伝わってきて、せつなかったです。
ひぐち先生は、こういうのをさらりと書くのが
本当にお上手ですよね。
こう、ニクいところを突いてきます。
そこがたまらなく好きです。

■百枝の驚き
上の続きに当たりますが。
百枝が、阿部が三橋に首を振らせてなかったのを知らなかったことに
これまたびっくりです。
そうだったんだーと思いました。
これについては、百枝から二人に何か後で言うのは勿論ですが、
阿部の性格を考えると、おそらく彼からも百枝に報告すると思うので
(逆に三橋は何も言わない気がします)
もしかすると、この試合の後に改善されるかもしれません。
それこそ、序盤の点の失点の原因は、
キャッチャーが構えた通りにピッチャーが投げる
(三橋が首を振らない)ことで、
阿部の定番の配球が相手に読まれてしまったことにあると思うので。

尤も、これは読まれてしまった阿部だけが悪いというつもりは
私にはありません。
配球が読めるからといって、ヒットを簡単に打てるわけではないし、
その情報を頭に叩き入れつつ、臨機応変に動かなきゃいけないので、
寧ろ、美丞の球児を「よく頑張ったね」と褒めたいです。

阿部は、P96で首を振らせない点を
「わざわざ、訂正してやるまでもねェよ」と言ってますが
極端な話、負けたら、こうも言ってられないかと思います。
阿部は百枝を監督としてきちんと尊敬しているらしいので、
もし百枝からそれを「駄目」と指摘されたら、
多少の戸惑いはあるでしょうが、ちゃんと受け入れると思います。
良くも悪くも、阿部にとって野球の存在は大きいから
(今は野球が全てと言っても過言ではないかと)
野球のためだったら、
“首を振らせたくない”自分の欲を抑えることもできるかもしれません。

■五回裏の攻撃
ピッチャーが複数いる美丞が、鹿島くんに変わりました。
エンジンが掛かるまで不安があるということで、
西浦はそれまでに点を取らなければなりません。

先頭打者の泉くんですが、
彼は負けん気が強い割に、場を冷静に見られる心を持っているので
こうした場面で彼が最初の打席に立てるのは
西浦に有利だなと思いました。
これまで、どの試合でも守備より攻撃を主として描かれているからか、
彼は本当に良い打者だと思います。
田島様や栄口くんとはまた違った意味で。

上手く言えないので語弊があるかもしれませんが、
打者で言えば、田島が九人いれば点がいっぱい入ると思うんですよ。
でも、それじゃ面白味に欠けますし
(田島がつまらないという意味ではないですよ。念のため)
少しも現実味がなく、
これは漫画ですが、実際、そんなことは作中でもあるはずがなくて。
こうして、打つのを得意とする子や苦手とする子がそれぞれいて
また、同じ打つのでも何に対して得意とするかが細かい点で違っていたりするのが
高校野球と醍醐味だなぁと思います。
現実も漫画も。
だから、田島は九人いた方がいいのかもしれないけれど
一人で充分なんですよ。
他は、花井や栄口や泉ら他の生徒でいいんです。
彼らが彼らなりに持ち味を出して頑張る姿を見られるのが
私は嬉しくてたまりません。

毎回言ってますが、この試合での泉の顔が男前過ぎて惚れます。
今回も、キリッとした良い顔が多くて嬉しかったです。

鹿島くんのモノローグで
「直正はわかってくれたのに、なんで岳志は〜」というのが
まさに岳志のキャッチャーとしての未熟さを表わしていると思います。
こういうのって、余程のことが無い限りは
鹿島くんが岳志に言うことはないはずなんですが、
不信感が募っていくと、
徐々に投球や他の言動に滲み出てしまうものなので、
このバッテリーの将来がちょっと不安です。
早々に解決できれば問題無いと思いますが、
皆が(贔屓じゃなく)「直正の方がいい」と思っているのに
呂佳さんの指示で岳志がマスクを被っているとなると、
不満に繋がりますよね。
直正じゃなく岳志がマスクを被る理由が明確にないので、余計に。
(たとえば、極端な話、
直正が怪我なのでマスクをかぶれなくなったという
分かりやすい理由があったら、
岳志がそうすることに、皆が納得すると思います。
でも、そうでなくて、
個々の見えない能力で決められているかと思うと、
岳志のラフプレイの件を知らなくとも、
皆の中に、「なんで?」という疑問や不信感が募るのではないかと)

溜めて溜めて打たせているので、
泉くんのヒットの瞬間には読んでいて爽快感を覚えました。
あと、すっかり機嫌が好いようなのが
P104ではよく伝わってきいます。
水谷くんとのやり取りも微笑ましいです。

先を見据えてピッチャーを温存した件を、
モノローグという形で、滝井監督が読者に明かしてます。
漫画の通例で言うと、こういう場合、
未来を見過ぎたせいで足元をすくわれて負けるというパターンですが、
私が既に読んでいる次号以降の展開を考えると、
そうはならないかもしれません……。
でも、がむしゃらに食らいついてくる西浦にたまらなくなり、
温存するはずだった投手を使わずを得なくなるのは
展開としてあってほしいなと思いました。

西浦とは違う意味で、意思の疎通ができてない美丞バッテリー。
話すことだけで解決できることではなく、
球を多く投げて受けて、
相手のことや相手が望むことをお互いに知るようにならないと
駄目だと思うので、
二人はまだまだ……といった感じです。
ちょっと先に飛びますが、P117で、
控えながら捕手らしく外野から鹿島くんに声を掛けている直正に対して、
動揺しているかもしれない鹿島くんではなく、
スタンドにいる呂佳さんを気にしているらしい岳志に
歯痒さを覚えました。
君は何を見てるんだと、文句を言いたくなりました(笑)。
西浦との点差が詰まれば、
彼が負わなければならないこと(ラフプレイの件)が出てくるので
呂佳さんを岳志が気にしてしまうのは仕方ないのですが、
なんというか……やはり間違ってますよね。
それがよく現れている印象的なシーンだと思いました。

応援団で、それらしい振りのポーズを取っている浜ちゃんが
カッコ良かったです!
彼の動きをちゃんと見てみたいです。
そして田島様はさすがですね。
ここぞという時には、必ず適打を放ってくる。
そしてそして、プレッシャーに負けまいとする花井がかわいい。
勿論、自分のためでもあるでしょうが、
頑張ってる投手のために何とか点を入れたいというのが
たまらないですね。泣けます。
そして、その通りのナイスバッティング!
打った瞬間の花井が喜ぶ様は出てきてませんが、
心の中では(打点を付けられて)ガッツポーズをしているはず!
そして、その後ベンチに戻ってから、
それが丁寧に描かれていますが、
彼も三橋も嬉しそうで、何よりです。
勢いがありすぎるハイタッチは、読んでいる私も嬉しかったです。
花井と三橋は、それこそ野球部が無かったら話もしないと思うんですが、
同じチームメイト(仲間)としての絆がちゃんとできていて、
そこがいいなと思っています。
(田島とも仲が良いですが、彼とは、もし野球をやってなかったとしても、
面倒見が良い田島があれこれ話し掛けて仲良くなっていたと思うので、
花井の場合とはかなり違うと思います)

「これで阿部君のせいはなくなったよね?」と内心で思う三橋が
カッコ良かったです。
阿部に教えてあげたい。
阿部は泣いて喜ぶだろうなと思いました。

そのベンチでの花井の喜びっぷりの前の
美丞バッテリーですが(P122)
3コマ目で、
打たれた原因を岳志が鹿島くんに心の中で擦りつけているので、
P123がいかに作った言葉かが分かります。
本気ですまないと謝っているわけではなく、
そうした方が、鹿島くんを乗せやすいからですよね。
励ましたいからそうするのではなく、
いい加減にきちんと投げてもらわないと困るから、
自分が悪かったと頭を下げて、意図的に励ましているという。
なだめすかすという感じ、とでも言うんでしょうか。
捕手が投手の精神状態をコントロールすることはよく行なわれていて、
阿部も三橋に対してよくやってますけれど、
この岳志のは空々しい感じがするので
あまり好きではありません。
というか、ラフプレイの件があるから仕方がないとはいえ、
こういう岳志の考え方
(と、彼をこんなふうに考える原因となった呂佳さん)が苦手です。
岳志が、根はいい人だって分かっている分、
読んでいて辛くなります。
悲しいです。


■和さん
(泣)
和さんが思わず、
少し前まで(二週間ぐらい?)やっていたことを頭の中でしてしまい、
しかも、そんな自分に気付いた瞬間、
なさけなさを覚えつつもせつなくなったというのが
もう、何とも言えなくて。
私は女なので、勿論、経験はありませんけど
この和さんの心境はよく分かりました。気持ちが伝わってきました。
でも、呂佳さんの件を知っているので
「行かないでー! 行ったらラフプレイがー!」と
心の中で全力で引き止めました。
P132の描写では、本当に帰りかけていたようで、
呂佳さんがトイレに行ってくれて本当に良かったです。
また、彼を目で見る岳志の姿が……。


ラスト。
最終のP134の2コマ目の野太い声を出して注意をしている阿部に
笑いました。
桐青戦でのことが頭を過ったんでしょうか。
三橋は、注意されたことはちゃんと守るので、
阿部の忠告はちゃんと生きると思います。

────
では、今月号のベスト3。

第三位:P91の最後のコマで、阿部の後ろに髪の毛だけ出ている三橋。
「゙ ゙」と、頭をよろよろさせている描写も含めて
なんか可愛くて、好きです。
自分が近寄ってきたのを秘密にしているわけではないのだけれど
結果的にそうなっているのも含めて。

第二位:P119 3コマ目「4点目はオレの打点だ!」の花井。
男前でカッコ良かったです。
「打つぞ」という気合いが、顔によく出ていると思います。

第一位:P131 1コマ目「貴光!! 出ろよ!!」の岳志。
読んでて辛いのは上記感想の通りですが、
ここは何としてでも点を入れてもらいたい
(ラフプレイをしたくない)と必死に思ってる岳志の気持ちが
ひしひしと伝わってきます。
顔を見てるだけでせつないです。

────

感想は以上です。
読んで下さってありがとうございました。


2007-10-25 13:23  nice!(0)  コメント(2) 
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コメント 2

アリス

はじめまして♪
こちらでは『おお振り』のネタバレをしてくれてるんですね!!!
2007年9月号まで読ませていただきました!丁寧に詳しく書かれていてすごく分かりやすかったです(o^o^o)

ところで2007年10月号11月号の感想はどこに載っているのですか??
良かったら教えてください♪
by アリス (2007-11-05 21:34) 

さくら

>アリス様、初めまして。
お返事が遅くなりまして申し訳ございません。
また、感想をお読みくださったそうでありがとうございました。

これ以降の感想は、まだ書き終えておりません。
時間が取れ次第、追加していくつもりでおりますので
宜しければまた遊びにいらしてくださいませ。

コメントありがとうございました!
by さくら (2007-12-02 22:08) 

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