さくらもちモチ

感想＠映画「SNS -少女たちの10日間-」ネタバレあり　[映画・舞台] [編集]

映画「SNS -少女たちの10日間-」の感想です。
以下の記述にはネタバレを含みます。

以前から気になっていたこのドキュメンタリー作品。
最近になって地元の映画館で公開されているのを知り、
慌てて鑑賞してきました。

映画の内容についてはこちら。

【映画『SNS-少女たちの10日間-』オフィシャルサイト】
http://www.hark3.com/sns-10days/
　巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋で、幼い顔立ちをした3名の女優(18歳以上)は偽のSNSアカウントで12歳のふりをするという任務を与えられた。各々の部屋のＰＣで、連絡をしてきたすべての年齢の男性とコミュニケーションを取った。
　当初のプロジェクトと同様、大多数の成人男性はビデオセックスを要求し、自身の性器の写真やポルノのリンクを送信してきた。なかには恐喝する者も。
　精神科医、性科学者、弁護士や警備員など専門家の万全なバックアップやアフターケアを用意しながら撮影を続けること10日間。児童への性的搾取者が徐々に尻尾を出し始めるのだった…。



【SNS 少女たちの10日間の予告編・動画「本編映像2」】
https://eiga.com/movie/94483/video/

【SNS 少女たちの10日間の予告編・動画「監督メッセージ＆本編映像」】
https://eiga.com/movie/94483/video/2/

胸糞悪い内容とは知っていましたので、
覚悟をして観に行きましたが、
想像していた以上にえげつなかったです。

まず、ルールとして女優さんが必ず
「自分は十二歳だ」とはっきりと告げているのに、
ほぼ全ての男性がそれを問題としない点が酷かったです。
あと、会話を始めるなり男性が自慰をしたり、
（それを隠そうとしないばかりか見せてくる人もいる）
勃起した性器の画像を見せてきたり、
女優さんに対して胸を見せて、服を脱いでと頼んだり……と、
そういう現実を知るためのドキュメンタリーだと分かっていても、
大変しんどい内容でした。
映画を観るまでの私は、
「勃起したちんこを見せられたら笑っちゃう」と思っていましたが、
実際にそういうシーンになると（何度も何度もあります）
猛烈な嫌悪感に襲われてしまい、
笑うどころではなかったです。
勿論、性器にはちゃんとモザイク処理が施されていますが、
本当に気持ち悪かったです。



少女たちが興味本位で要求に応じてしまう危うさや、
コンタクトを取ってきた男性において
幼児性愛者は意外に少なく、
無抵抗の少女に対する支配欲に駆られた人が多いという
専門家の意見は、
とても興味深かったです。
なるほどなぁと思いながら観ました。



ルールの一つに、
男性からしつこく頼まれたら裸の写真を送るというものが
ありました。
勿論、ここで使うのは合成写真で、
ヌードモデルさんの裸体に女優さんの顔を合わせたものでしたが、
送信したそれをネタに脅迫してくる人もおり、
呆れるのを通り越して怒りが湧きました。
現実では、軽い気持ちでうっかりそうしてしまい、
地獄を見る羽目になった少女も少なくないんだろうなと
思わずにはいられなかったです。



折り返しを過ぎて、普通そうな青年がようやく登場し、
「裸は愛する人にしか見せちゃ駄目」云々と言って
女優さんやスタッフさんを感動させていましたが、
そもそもそういう出会いの場にアクセスしている時点で
この人もまともじゃなくない？と
思わずにはいられなかったです。
また、分別がつかない少女時代に
こうした性暴力（児童虐待）を受けていたら、
大人に対する考え方が歪むとも思いました。



今回は、少女と成人男性の組み合わせに特化していましたが、
現実では少年もたくさん被害に遭っていて、
大人の男性だけでなく女性も罪を犯している場合があり、
異常な男性の性欲をただ糾弾すれば良いということではないのも
大事な点でした。
事実、終盤で女優さんに3Ｐを持ちかけてきた二人の片方は
女性でしたよね？？
子供に何を言ってるんだ……と、目が点になりました。



最後の男性の言い訳も凄かったです。
そういう少女が悪い、
少女をちゃんと躾けていない親が悪いって……。
確かにそれも原因の一つだけれど、
少女たちを巧みな言葉で誘導して
自分の性的欲求を満たそうとする自分に非を感じないなんて、
あってはいけないことです。

結局、この作品が犯罪の証拠となり、
チェコ警察を動かしたそうですが、
問題が解決したわけではないので頭が痛いです。
また、日本でも同じことは頻繁に起きているでしょうし、
幼い子供を危険から守るためにも、
親がしっかりしないといけないと
しみじみと思いました。



この作品はＲ-15ということですが、
男性の自慰シーンや性器のアップが度々あり、
モザイク越しとはいえ衝撃度が強いことから、
高校生でも人によっては普通に見られないかもしれません。
興奮要素の強いAVとは違うので、
いい年をした大人の私も、かなりしんどかったです。
でも学ぶことは多いですし、
事前に注意しておくだけでも
危険を回避できる確率はぐんと上がるはずなので、
親の判断で子供に見せるのはありだなと思いました。

もう少ししたら
円盤が出たりネット配信がなされたりするようなので、
私もまた観ようかなと思っています。
内容が内容なので、万人にはお勧めできませんが、
もし興味があったら観てほしい作品です。