さくらもちモチ

特別展「和様の書」東京国立博物館 平成館　[日常生活] [編集]

7/13から東京国立博物館の平成館で行なわれている
特別展「和様の書」を、昨日、見てきました。


公式サイトはこちら。
http://wayo2013.jp/

良く言えば「渋い」、
悪く言えば（すみません）「地味」な書の展示でしたが、
普段は書道に全く興味が無い私でも楽しめました。
以下、レポートにもならない簡単な感想を書きます。


前売券を買うほどの目当てとしていたのは、
天下人（戦国の三英傑：織田信長・豊臣秀吉・徳川家康）の書です。
特に信長は、右筆を置く事が多く、
直筆の書は大変珍しいそうで、
私も初めて見ました。
*展示品の入れ替えにより三英傑が揃うのは八月上旬までです

他、ずっと見たかった“竹生島経”も見られて嬉しかったです。
国宝・重要文化財もたくさんあって、うはうは！



実際に展示を見て、個人的に好きだったのは、
“扇面法華経冊子”です。
文字通り、扇の形をした冊子で、
きれいな男女の絵の上に法華経を写したものです。

“御堂関白記”も見ていて大変面白かったです！！
他人に書かせたものより、自分で書いた時の方が詳細なのは、
日記ならではだなぁと思いました。
使われている紙には枠線がきっちりと入っていて、
テンプレートになっており、
日付けを入れる場所、詳細を書く場所……と
ちゃんと分かれていて、驚きました。

それと、“古今和歌集（元永本）”には
思わず「おお……！」となりました。
現存している中で最も古い古今和歌集の本だそうです。
こちらは週で展示される頁が変わるようです。
パネル展示ですが、他の頁も見ることができます。

“四季草花下絵和歌巻”の大きすぎる半月も
強く印象に残りました。



手（文字）が上手な人の書を大事に取っておく、飾るというのは、
芸術品に対する気持ちだと思えば理解できるのですが、
実を言えば、あまりぴんときませんでした。
しかし、展示を観ているうちに、
自分の為だけに好きな作家さんに書き下ろしてもらった絵や小説なら、
そりゃもう、普段は箱に入れて大事にしまっておきますし、
特別なお客さんには見せたり、
「これ、素敵でしょう？」と自慢したりするでしょうし、
時には飾ってうっとりと眺めることもすると思えましたので、
次第に共感できるようになりました。
色んな人の手が集められたものは、
今で言うアンソロジーですよね。

また、相当古くから“ルビ”があるのに驚きました。
勝手な想像で書きますと、
平仮名の方が普及率が高い（漢字を読める人が少ない）ので、
皆に見せる目的がある書は、
誰かが読みがなを小さく入れておいたんでしょうか。

写経の文化も面白かったです。



展示が進むにつれて、私の中で興味が増したのは、
書に使われた唐紙や料紙です。
昔は印刷技術が無いというのを踏まえて見ていくと、
それぞれには相当な手間が掛けられているのが分かりますので、
いちいち感心してしまいました。
ぶっちゃけ、手の良さ（上手さ）がよく分からないので、
展示の後半では、紙ばかりに意識が向いてしまいました(´ω｀)ゞ

それと、展示品の名前は忘れてしまったのですが、
後半で見ることができる旅行先で書かれた文に、
桐や花の判子がぽんぽんとたくさん押されているものがあって
非常に興味深かったです。
これ、現代でも、手紙にきれいなシールをたくさん貼ったり、
メールに絵文字を飾りとして入れたりしているのを思えば、
ただ文字を書くだけでなく、
文を他のもので飾る（デコレーションする）のは
昔から今に通じる立派な文化だと言える気がしました。



普通に見ていったら（売店の見物も含む）
三時間も掛かりましたので、
さすがに足が痛くなって疲れましたけれど、
友達のOさんも一緒だったこともあり、楽しかったです。
Oさん、ありがとうございました。



鑑賞後は、
すぐ近くにあるホテルオークラのレストランで、
遅いお昼ご飯を食べました。
Oさんは“和様の書”フェアの鳥肉の冷製＋ケーキセットを。
私は、カットされたパウンドケーキが付いてくる
ローストビーフのセットを頼みました。

お肉！　お肉！
ちょっと刺激的なわさび醤油のソースがお肉に合っていて、
美味しかったです。
パンは量が少なかった……。
お腹が鳴るほど空腹だったので、もうちょっと食べたかったです。

ランチにしては少々お高いお値段でしたが、
暑い日に来店すると二十パーセント引きという
お得なキャンペーンが行なわれていることもあり、
助かりました。



最後に、上野公園内にある西郷さんの銅像を観て、終了。


頭もお腹も満足できた一日でした。
お勧めです！