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感想@実写映画「るろうに剣心」*ネタバレあり [映画・舞台]

実写映画の「るろうに剣心(以下「るろ剣」)」を見てきましたので、
感想を記します。

るろうに剣心 通常版 [DVD]

るろうに剣心 通常版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD

主なキャストさんはこちら。
緋村剣心:佐藤健さん
神谷薫:武井咲さん
鵜堂刃衛:吉川晃司さん
高荷恵:蒼井優さん
相楽左之助:青木崇高さん
外印:綾野剛さん
戌亥番神:須藤元気さん
明神弥彦:田中偉登さん
山県有朋:奥田瑛二さん
斎藤一:江口洋介さん
武田観柳:香川照之さん

私は、週刊少年ジャンプ掲載時に原作のマンガを読んでいました。
以下の記述にはネタバレがあります。


────

上記の通り、私はリアルタイムで「るろ剣」を読んでいましたが、
いかんせん年月が経過していますので、
・有名なキャラクターは分かる
・話も何となく分かる
という、おぼろげな記憶しかありませんでした
(それでも、今回登場した人物については
名前を聞けば顔を思い出せる程度には覚えていました)。

「るろ剣」で好きだったキャラクターは蒼紫さまでしたので
今回は彼が出ないことが残念でした。
昔、操ちゃんと薫のコスプレをしたこともありますww
好きなお話は京都編でした!



さて、まずはおおざっぱな感想から記しますと
──面白かったです!
戊辰戦争での斎藤一(江口洋介さん)との出会いから始まり、
神谷薫(武井咲さん)との出会い、
明神弥吉(田中偉登さん)や高荷恵(蒼井優さん)との出会い、
武田観柳(香川照之)との戦い、
鵜堂刃衛(吉川晃司さん)との決着……と、
原作の長いお話を上手く改変した上で、
一つの作品としてちゃんとまとめていたと思います。
「エンターテイメント時代劇」として
作品が成立していたなぁと思いました。



この作品の売りは、やはり
主人公・緋村剣心(佐藤健さん)のアクションだと思いますので
それから記しますと……
アクション系の映画ではお馴染みの、
ここぞというキメの場面ではスローモーション、
普通の(大したことがない)場面では早回しでパパパと見せる
……というように、
映像の速さ・流れに緩急をつけた編集がなされているのもあって、
全般的にかなりの迫力があります。
スピード感溢れる映像は、見ていて圧倒されます。
カメラワークも凄いです。
でも、それ以上に素晴らしいと思ったのが、やはり剣心の殺陣です。
上記の通り、編集に助けられている部分も大きいのですが、
それはあくまで、
剣心を演じる佐藤さんの殺陣がちゃんとものになっているからなんです。
相当お稽古したんだろうなぁと実感できました。
アクションを見所としているであろう映画において、
そのアクションが素晴らしいだなんて、本当、最高だと思います。

特に私の中で印象に残ったのが、
薫の家である神谷道場が観柳の手下に襲撃される序盤のシーンです。
ここは、後から駆けつけた剣心が初めて
薫の前で本格的に戦うシーンで、
彼が本物の抜刀斎だと彼女にバレてしまうところなのですが……。
最初、剣心は、襲ってくる敵に対して素手で挑むんです。
次に木刀──最後に、愛刀である逆刃刀を使って倒すという
三段構えの作りになっています。
剣心は、その素早い身のこなしから、
剣術に頼らなくても強い(素手でも充分に強い)のを観客に見せつけた上で、
木刀で敵をやっつけるんですが、
竹光とはいえ、
刀を手にした途端、殺陣が華やかなのもあって(手数が多い)、
剣心の動きが急に滑らかになり、
体の動きも速くなったように思えるんです。
それは、逆刃刀を手にすると更に増します。
語弊があるかもしれませんが、
刀を手にした時の剣心は、物凄くいきいきしているようだと
私には見えました。



お話は……薫との恋物語は、全面的に省かれていますが、
二人とも良い感じです。
佐藤さんがオンオフの演じ分けをちゃんとなさっているので、
薫とはお似合いだなぁと思いました。
元人斬り抜刀斎としての剣心もカッコ良くて素敵ですが、
「おろ?」と言っている普段のちょっと間抜けな彼も良かったです。

ただ、武井さんの舌足らずな台詞回しは、
彼女の個性でもあるんでしょうが、ちょっと気になるところもありました。
外見は可愛かったので、
まだ少女としての幼さが少し残る薫を好演したとも受け取れますが、
個人的には、はきはきしている薫も見たかったです。

逆に、剣心は、ぼそぼそ言っているのが剣心らしいなと思えました。

お話の中盤、剣心が、
薫が持ってきた着替え(彼女の父親の若い頃のもの)に
袖を通すことによってようやく
彼のメインビジュアルである「緋色の着物姿」になるところが
ニクイなぁと思いました。
しかもここ、当初は剣心の足元(白い袴)ばかり映していて、
なかなかその姿を見せない(ちょっと経ってからようやく見せる)のも、
勿体ぶっていましたよねww
「とっとと見せてよww」と、私も内心で急かしてしまいました。



江口洋介さん演じる斎藤一も格好良かったー!!!
劇場予告の段階から、
江口さんの斎藤さんを見るのが楽しみでしたので
(私がるろ剣で斎藤さんを好きという理由もあります)
素敵な彼を見られて幸せでした。
あの、前髪が簾っぽくちょっと下りているのに萌えましたww
牙突も、ほんのちょっとですが見られて良かった!!
個人的には、武田邸にて斎藤さんが登場した時に
物凄くドキドキしたので、
剣心との共闘をもっともっと見たかったなぁという思いがあります。

剣心が「不殺(ころさず)」の意志を高く掲げ、
逆刃刀を使って戦えば戦うほど、
人を殺すことで己の存在意義を見出してきた斎藤さんや
外印(綾野剛さん)などの一部の敵が辛くなってしまうのが
よく伝わってきました。
誰もが剣心のように考えられれば良かったのでしょうけれど、
なまじ腕が立つ分、割り切れないところもあるんでしょうね。
斎藤さんみたいに、逆にそれを信念にまで高められれば良いですけれど、
普通はそうはいかないですし……。



相楽左之助(青木崇高さん)も原作のイメージ通りだったと思います。
武田邸での戦いで、敵との戦いの最中に、
その敵を巻き込みながら飲食しちゃう展開は、
実直で朗らかな彼の性格がよく出ていたと思います。
左之助の斬馬刀が、手入れ不足からぼろぼろだということで、
剣心の逆刃刀同様、そのままでは敵を斬り殺せない
(どちらかというと力任せにそれで殴る)というのが
今になって納得できました。
↑原作の漫画を読んでいた当時は気付くことができませんでした。



武田観柳といえばガトリングガン。回転式機関砲です。
原作のほとんどを忘れている私でも
ここは今でもはっきりと覚えているぐらい
印象的なエピソードでしたので、
それを実写映画で見られたのは嬉しかったです。
でも、その前に違和感も覚えました。
剣心と左之介が武田邸の庭に侵入した際、
観柳やその手下数人が、
警護として雇っていた浪人たちの頭上にお札の雨を降らせますけれど、
犬のように握り飯に群がっていた彼らなら、
戦いなんてそっちのけで、すぐさまお札に群がるのでは?と思いました。
勿論、ここは、強欲の塊である観柳の醜さ、極悪非道さと、
それに屈しない剣心たちの清廉さの対比だとは分かりましたが、
お札の雨が降る中での殺陣も、それほど良くはなかったので
(悪くはなかったけれど、良いとも言えない程度)
どうせなら、
剣心たちにやられた浪人たちが庭の方々でうずくまる
→武田観流がお札の雨を降らせて彼らを煽る
→でも浪人たちはもう動けない+剣心たちも無視
……という、よくある展開の方がいいかなぁと思いました。
(もしここも原作通りでしたらすみません)

あと、観柳が飼っているウサギの耳がぷるぷるしていたのが
なにげに可愛かったです。
最後のスタッフロールで、
動物を虐待していないよ!という旨の注意書きがあったのは
ちょっとだけ興醒めでした。
今は、そういうことをいちいち書かないと煩く言われちゃうんでしょうか。



最後は、偽人斬り抜刀斎を騙っていた刃衛との戦いでしたが、
終盤、彼を殺そうとする(人斬り抜刀斎に戻ろうとする)剣心を
薫が必死に止めるシーンは、ベタですが、
彼女に絶叫させるなど
もっと派手にやってもいいのでは?と思えました。
尺をたっぷりと取って、
呼吸の苦しさに喘ぐ薫を丁寧に描くのは良かったですけれど、
刃衛の術を破った!というインパクトに欠けていたのが
見ていて物足りなかったです。

恵は、剣心の当面の敵が観柳でしたので、
彼女も登場して当然なのですけれど、
途中まではいてもいなくても差し障りのないキャラと化していたので、
物語の後半でちゃんと見せ場があって良かったです。
最後、弥彦と一緒にご飯を作っているシーンが良かったなぁ。
神谷道場は急に居候を二人も抱えることになって
本当に大変だと思いますけれど、
にぎやかな食卓を連想できる幸せを確かに感じることができました。



原作を読んでいるか、また、それをちゃんと覚えているか否かでも
感想は違ってくるかもしれませんが、
上記のような中途半端なファンの私でも
とても楽しめた作品でした。
佐藤さんの殺陣には大きなスクリーンで見る価値がありますので、
迷っていたら映画館に行くことをお勧めします。
余裕があったらもう一回ぐらい、見に行こうかと思っています。
続編も是非、期待しています!


「るろうに剣心」オリジナル・サウンドトラック【映画パンフレット】 『るろうに剣心』 監督:大友啓史.出演:佐藤健.武井咲.吉川晃司るろうに剣心 1 (ジャンプ・コミックス)るろうに剣心  1 〜明治剣客浪漫譚〜 (集英社文庫—コミック版)るろうに剣心—明治剣客浪漫譚 完全版 (01) (ジャンプ・コミックス)るろうに剣心 ─銀幕草紙変─ (JUMP j BOOKS)





2012-08-29 23:22  nice!(0) 
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