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感想@アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」第25話「Air」 第26話「まごころを、君に」*ネタバレあり [アニメ感想]

新世紀エヴァンゲリオンの感想です。
今回は、劇場版「THE END OF EVANGELION」として上映された
第25話「Air」、第26話(終局)「まごころを、君に」について
書いています。
ネタバレを含みますので、未視聴の方は閲覧にご注意下さい。


前回の第弐拾四話「最後のシ者」の感想記事はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-01-4
テレビ版の第弐拾伍話「終わる世界」
第弐拾六話「世界の中心でアイを叫んだけもの」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-01-5


「新世紀エヴァンゲリオン」の各話の感想記事のURLは、
こちらでまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-02-2

────

上記にも書きましたが、この「Air」と「まごころを、君に」は
「THE END OF EVANGELION」という名で劇場公開されました。
更に言うと、「Air」の前半部分
(復活したアスカが、空で円を描いたエヴァ量産機に向かって
「エヴァシリーズ、完成していたの」と言うシーン)までは
その前に作られた
総集編+αの映画「DEATH & REBIRTH シト新生」でもあります。

制作が間に合わなかった為、
できていた新作の序盤を総集編にくっつけて、とりあえず上映。
(これが「DEATH & REBIRTH」)
その序盤+残りの新作が、「THE END OF EVANGELION」です。

当時の私は、丁度、エヴァに物凄くハマっていたので、
映画館で見ました。
ハマったのが「DEATH & REBIRTH」の公開中だった為、
その翌日に、早速、見に行ったものです。
「THE END OF〜」は、帰り道に方々の映画館に寄るのを繰り返して、
18回ぐらい見ました。
その頃は、
物語をちゃんと理解する事ができれば、謎は絶対に解けるはず!と
思い込んでいたんですよ……。
今はさすがに、
「これは、そもそも視聴者に謎を解かせる気はない映画だ」と
即答できますが。

それと、話数の表記については、DVDによると
(第7巻は、テレビ版と映画版それぞれの25〜6話が収録されている)
テレビ版が漢字表記:第弐拾伍話、第弐拾六話
映画版が数字表記:第25話、第26話
なので、それに沿っています。
01.jpg



まず第25話「Air」。
ここはもう、ミサトさんの最期と、アスカの勇姿&大敗に尽きます。
両方とも、映画を観た際にはボロボロと泣きました。
今回の久し振りの視聴では、
ミサトさんの部分は割と軽く流せましたが
アスカがエヴァシリーズにやられるシーンは
途中で観ていられなくなりました。
二号機の目がロンギヌスの槍で貫かれるところと、
最後に挙げた片腕が手の平からまっ二つに割かれるところは
本っっっっっ当に、見るのが嫌でした。

実は、映画版をあれだけ観ておきながらも
年月が経ったせいで、結構忘れている部分があったので、
アスカの戦闘シーンでも
「あぁ、こんなのがあったな」と度々思い出す事を
私は繰り返していました。
目を射られた直後に弐号機が活動停止するのも忘れていたので
「そうだったよ……」と、本気でショックを受けました。
その後の、弐号機がエヴァシリーズに食われるシーンは
私が見ていたテレビの画面がそれほど大きくないのと、
映画館に居た時より作品に集中してなかったので、
当時よりは楽な気持ちで見られました。
でも、エグいですね。
わざと残刻になるように狙って描かれているのでしょうが、本当、
キツいです。

忘れていたと言えば、リツコさんの最後の抵抗もそうでした。
ご存知のように、この映画でのネルフ本部は
陸上自衛隊による物理的占拠を受ける前に、
他の支部のMAGIによる複数同時ハッキングを受けます。
その対策の為に、軟禁中のリツコさんが一時的に復帰し、
テレビシリーズの「使徒、侵入」の時のように
防壁用のプログラムを組むわけですが……
ここで、私は「あれ? リツコさんって裏切らなかったっけ」と
思ったわけですよ。
でも、この時は何も起きなかった
──起きたのは、陸自による占拠が始まってからでした。
テレビシリーズでは「女としての母さん」に助けてもらったけれど、
今回のリツコさんは
その「女としての母さん」に裏切られたんですね……。



ここから第26話「まごころを、君に」の感想です。

三人目のレイも、
当初こそ碇司令の命令を聞いていたのに、
エヴァ初号機に乗ったシンジの声を聞いてからは一転して
自らの意思として彼に会いに行っていました。
二人目のレイは、人に交じって様々な経験を得た上で、
「私は碇君が欲しい」との答えを出して死んでいましたが、
三人目のレイの意思や行動は、
エヴァ弐号機に乗ったシンジの声を聞いて、即座に変わったので、
“シンジに会いに行く”のは、
まるで彼女の本能による行動のように思えました。
当のシンジが、巨大化したレイを見て
失神しそうになるほどショックを受けているのが
ちょっとおかしかったです。
笑ってはいけないのですが、つい……。
そりゃ、巨人のレイがいきなり現われたら、
誰だって度胆を抜かれますし、拒絶しますよね。
というか、怖いww



さて、この第26話では早々に、
エヴァシリーズの導きやするレイの行動によって
人類補完計画の最終段階が始動しましたが
ここから先はもう、感想を語る事ができません。
たとえば、ロンギヌスの槍と初号機が同化して
……と、あらすじを述べる事はできますが
抽象的なシーンが多く、
「この時の××は××でした」との設定も明かされていませんので、
庵野監督以外の人間が記す感想は、今まで以上に邪推になります。
実は私、これを見直している最中に
DVD版のデータ集には解説のページがあるのを思い出して
慌てて見てみたのですが
それを引き受けた評論家すらまともな記述を避けていましたw
相当、書き辛かったんでしょうね。



とどのつまり、他人が怖いから心の壁(ATフィールド)を取り払って
皆で一つになり、心の隙間を埋めたものの
(↑ここまでが、巨大な綾波レイを受け入れていた後)
(↓ここからが、それを拒んだ後)
他人が在る良さを改めて知ったので、元に戻したんですよね。
それが集約されているのが、最後のシーンだと思います。

赤い海の波打ち際で目を覚ましたシンジは、
隣で寝ていたアスカの首を締めようとします。
これが、他者の否定ですよね。
自分でないものは自分を傷つけるかもしれないから、
居ない方が良いという考え。
でもシンジは、アスカに頬を撫でられた事で
それを止めます。
テレビシリーズでもテーマとして散々出てきましたが
これが“他人から優しくされる行為”になると思います。
人が他人の存在を嬉しく思う瞬間です。
他者があるからこその喜びです。

普通はここで映画を終えるでしょうが、
そうでないのがエヴァらしいです。
この後に、アスカの「気持ち悪い」の呟きを入れたことで
ちょっと落としています。
もしかしたら
自分の私小説とも言える作品に対する
庵野監督だけが持てる照れかもしれません。

この海のシーンで、
事が始まる前に、一瞬だけ制服姿のレイの姿が出ますが
あれはアニメ版第壱話の該当シーンと対になっているはずです。
(シンジが公衆電話を使っている冒頭で、
彼女がちょっとだけ登場しています。)
話が本格的に始まる前に登場し、
終わった後に再び登場する──まさに、最初と最後を彩る存在です。
主人公はあくまでシンジですが、
作品を象徴するキャラクターは、
人気云々を除いても、レイと言えると思います。



その他にも、確かに
「父にありがとう」「母にさようなら」を始めとする
テレビシリーズの最後の二話で出た印象的な言葉、シーンを
具体的に説明するような映像もありましたので
(それでもまだ抽象的ですが)
この映画がその二話を他の角度から描いた作品だと
言えると思います
……が、やはり、シンジの精神世界を描く映像は
意味不明な部分が多いです。
私からすれば、そういう内面的な部分は
テレビシリーズで行なったのだから
映画では省けば良いのにと思ってしまうのですが、
庵野監督にとっては、シンジの変化を描くにあたって
あれらはどうしても入れなければならない部分なんでしょうね。
久し振りに見たら、
劇場ではなくテレビという環境もあってか
そういうシーンに入ってからは急に眠くなりました。
私はもう、この作品を夢中になって見ることは
できないんだなぁ……。
エヴァ厨からの脱却は、良かった気がしますが
少し淋しい感じもします。
子供が大人になる感覚と似ているかもしれません。
尤も、こう↑言うと、
庵野監督がいつまでも子供だということになりますが
あながちそれが間違ってなさそうに思える気もします。





────
感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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2009-08-02 11:48  nice!(0)  コメント(0) 
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