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感想@BLCD「座布団」*ネタバレあり [BLCD感想]

BLCD「座布団」の感想です。

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主なキャストは
森野要:山口勝平さん
寒也:神谷浩史さん
山九亭初助:三木眞一郎さん   です


原作の小説は未読です。
下記の感想にはネタバレを含みます。


BLCDの感想記事のURLは、他作品も含めて
こちらの一覧ページでまとめています。
BLCD感想一覧


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BL作品についての私の嗜好をまとめてあります。
個人的嗜好のせいで、感想=正しい評価とならない時もありますので
その目安にして下さい。
【初めにお読み下さい*BLCD感想について】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-04-08-2



上記の通り、剛しいら先生の原作の小説を読んだ事はないのですが、
山口勝平さん(以下かっぺーさん)と神谷さんの組み合わせでBLCDが出る!と
発売前から知っていましたので、
この作品を聴けるのをとっても楽しみにしていました。



いやー……かっぺーさんの圧勝と言うべきでしょうか。
さすが、“ベテラン声優さん”の冠は伊達じゃなかったです。
凄かった。

何が凄いかというと、私が挙げるまでもないですが、
喋りの上手さがダントツです。
この作品の主人公(視点の主)はかっぺーさん演じる森野要なので
必然的に彼のモノローグが一番多いのですが
それがとても自然なんですよ。
私は、BLでかっぺーさんを聴くのは初めてだったんですが
上手い方が話されると、
長いモノローグでも言葉がすんなりと耳に入ってくるんだなぁと思い、
感服しました。
というのも、私、この作品に限らず、
BLCDは何か作業をしながら聴く事がほとんどなんです。
なので、CDは進んでいるのにちっとも聴いてなかった事が分かって、
後でその部分まで戻って聞き直す羽目になるのも珍しくないのですが、
かっぺーさんの言葉は、耳に馴染むんです。
私が「さぁ聴かなきゃ」と構えなくても
言葉が勝手に耳に入ってくる感じがするんです。
しかも、聴いていて心地よいので、意識も自然に言葉に向くんです。
最近の声優さんは、モノローグの場面において
割と力を入れて読む方が多くて、
聴いている私はそれだけで疲れてしまう事も多々あるんですが
かっぺーさんのはわざとらしくないので、聴いていてとても楽でした。
自然に、言葉に対して耳が向きました。

三木さんも神谷さんも、大変お上手な声優さんだと思います。
でも、失礼ながら、この作品の注目点は、
何と言ってもかっぺーさんの台詞回しの上手さ・声の魅力に尽きます。
特に神谷さんは、要の絡みの相手・寒也役という事で、
この作品では他の役を演じられた方よりも一段上なんでしょうが、
相手役なのに「脇役だな」と思えるぐらい、かっぺーさんが群を抜いてます。
最初から最後まで、かっぺーさんの独走でした。一人勝ちです。
喋り方の上手さの違いってあるんだ、声優さんって凄い……と、
改めて思い知らされました。



“業界もの”(職業もの?)である話そのものも、面白かったです。
ただ、話が二つある内、
後者も寒也が引退する前の設定が良かったなぁと思いました。
兄弟弟子という寒也と要の関係が、死んでいるのが勿体なかったです。
要がテレビに出た事で、他の出演者から嫌がらせを受けるシーンも、
作品を変に俗っぽくしていたと思います。
今や、噺家さんがタレントとしてテレビに出演する事は珍しくないので、
そういう点では現実に沿ったエピソードなのかもしれませんが、
せっかく“落語”という閉鎖的な業界をフィクションで描いたのだから、
最後までとことん、寄席や稽古の話を描いてほしかったなと思いました。
また、最初の話の最後に出てくる、
家業を継いだ寒也が要の家に“紅かなめ”の生け垣を作ったとの報告?は、
要の座布団返しと同様、
物語全体を締める最後のエピソードであってほしかったです。



私がCDを聴いた後にブックレットを見た事も関係しているのですが、
当初、初助(うぶすけ)師匠の声を聴いた時、
三木さんの声・口調のいやらしさが
まずい方に働くのではないかと懸念しました。
語弊があるかもしれませんが、
三木さんって声や演技に特徴があるので、
どんな役を演じられても「三木眞一郎!」って感じじゃないですか。
なので、初助師匠の台詞を聴いた時も、
三木さんが演じられた他のBL作品の攻めキャラクターを思い出してしまって、
「変な色気があり過ぎるんじゃないの?」と不安になったんです
というのも私、上記の通り、原作を読んでないので
初助師匠はノーマルな方だと思い込んでいたんですよ。
そっちの気の無いキャラクターに三木さんをキャスティングするのは、
性的ないやらしさが出る点でまずいんじゃないかと、心配したわけです。
──でも、話が進み、要と寒也が関係を持つようになった後、
実は初助師匠も男色家であるとの設定が明かされてから、
私もようやく、このキャスティングに対して素直に納得できました。
三木さんのお声のせいで「変な色気が過剰に出ている」事も、
一転して、魅力に感じる事ができるようになりました。
聴き終えた後に、
ブックレットに描かれていた初助師匠の絵も見て納得しました。
聴く前に見ていたら、心配することはまずなかったです。



落語家として、先に入門した寒也が上の立場にあるのは分かるんですが、
これって、実年齢では要の方が年上なんですよね。
実際、成人した男の人の三歳差ってあってないようなものでしょうが、
CDを聴いていて、要が寒也より年上だとは全然感じられませんでした。
多分、かっぺーさんが弟弟子として、神谷さんが兄弟子として、
意識して演じられた結果がこれだったんでしょうが、
もう少し、兄弟弟子としての関係と実年齢のギャップが出ていたら
もっともっと良かったなぁと思いました。
もし私が要の方が年上という設定を聞き逃していたら、多分、最後まで、
彼が寒也よりも年下だと誤解していたと思います。



絡みのシーンは、とても少ないです。
また、要と寒也が最初に結ばれるくだりは、ちょっと唐突だと思えました。
(二人とも、相手を恋愛の対象として意識している描写がないので、
いざ事に及ぼうとしたキャラに「前から好きだった」との台詞を聴かされても、
全く実感が持てない)
この作品はBLCDなので、男同士のセックスがなければ成立しないのですが、
この話は絡み目当てで聴く内容ではないと思います。
でも、本当にかっぺーさんが凄いので、
絡み目当ての人にも、是非、聴いて頂きたいです。
強くお勧めします。



この作品を聴いた事で、
私の中で改めてかっぺーさんへの評価が高まりました。
ウィキペディアで調べてみたら、
この方は意外にも?BLCDにちょこちょこ出演されているんですね。
他の作品も聴いてみたくなりました。





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2009-05-19 13:01  nice!(0)  コメント(0) 

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