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感想@劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」*ネタバレあり [名探偵コナン]

劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」の感想です。
以下の記述にはネタバレを含みます。
今年のコナンの映画もすっごく面白かったです!
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https://www.conan-movie.jp/index.html

小学館ジュニア文庫 名探偵コナン 黒鉄の魚影 劇場版 名探偵コナン

小学館ジュニア文庫 名探偵コナン 黒鉄の魚影 劇場版 名探偵コナン

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2023/04/14
  • メディア: Kindle版


春と言えばコナンの映画!ということで、
今年も映画館で鑑賞してきました。
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公開三日目、しかも初の週末とあって、
スクリーン数も凄く多かったのに館内はほぼ満席で、
コナンの新作映画がどれだけたくさんの人に待ち望まれていたかが
伺えました。
そして、その期待通り、
今年の映画もめちゃくちゃ面白かったです!

まず、例年のことですが、
120分という決まった尺の中で、
基本的なこと(説明入りのOPや阿笠博士のクイズ等)を入れ、
今年の主題を盛り込んだ上で、
各方面の配慮(という名のサービス)もしているのが
凄いです。
他作品と比べると
おそらくコナンの映画は脚本の自由度が恐ろしく低く、
書かなければならないことを入れるだけで精一杯で、
何ならオーバーし過ぎた結果、
どこを削るかで四苦八苦していると思います。
なので、必然的に話のテンポを上げざるを得なかった結果、
物語全体の疾走感や
先が見えないハラハラドキドキ感に繋がっているように
思えました。
上映中の二時間があっという間に過ぎました。



今年の映画の中心は灰原哀ちゃん!
そして黒の組織!!ということで、
緊張と緩和が何度も交互に来る作りだったのが
本当に良かったです。
以前もそうですが、
やはり黒の組織が主題となる映画は
緊張の度合いが他の年と全然違うので、
その分、緊張から解放された時の安堵も大きく、
観客の感情も大きく揺さぶられがちです。
また、初っ端から哀ちゃんが実に可愛くて、健気で、
もうたまらなかったです!
冒頭で哀ちゃんが何気なく行なった気遣いが、
最終的に彼女の身の安全と未来を救った展開には、
私も何とも言えない気持ちになりました。
このED後のネタ晴らしのシーン、
ベルモットへの好感度が爆上がりすることから、
あるのと無いのとでは、
彼女に対する評価も
作品全体の印象も変わってくるほど
意味があるものだったと思います。
なので、一年後に日テレで地上波初放送!となる時は、
絶対にカットしないでほしいと願うばかりです。
今年テレビで放送されたハロ嫁(去年の映画)は
あまりにもカットされすぎていて、本当に酷かったので……。



私は前情報を積極的に入れていかなかったので、
実際に映画を観る前に知っていたことと言えば
「哀ちゃんが顔認証システムで黒の組織に顔バレする」
ぐらいでした。
なので、哀ちゃんがこんなにがっつり黒の組織に誘拐されるだなんて
思ってもみませんでしたし、
ウォッカとしっかり対面していたのにも
本当に驚きました。
まぁ、相手がウォッカだったからこそ
シェリーではないかと疑われる程度で済みましたが、
もし会ったのがジンだったなら、
哀ちゃんは彼と顔を合わせた直後に
殺されていたかもしれません。

そのジンニキ……。
殺人行為への抵抗が全く無い上に、
洞察力にも決断力にも実行力にも優れていて、
実際、この映画の冒頭でも躊躇いなく人を殺していますが、
どうにも詰めが甘いのが欠点であり魅力でもあります。
それはこの映画でも同じで、
あと一歩のところまでコナンくん達を追い詰めるものの、
最後の最後にやられて引かざるを得なくなっていました。
また、ジンの相棒のウォッカも相変わらず迂闊で、
悪役なのにどうにも憎めなかったです。

黒の組織は、ボスへの忠誠心は絶大であるものの
決して一枚岩ではないようで、
今作では最終的にボスまでジンの邪魔をしていたのが
大変面白かったです。
そして、その中心にいたのがベルモット……!
ご存知のとおり、ベルモットは黒の組織の幹部の一人で、
ジンと同じく殺人行為に抵抗がない人物であるものの、
かつて窮地を救われた過去により
新一と蘭ちゃんを全力で守ると決めているとの設定から、
実は義理堅いとの性格が伺えます。
今作は、かつては本気で殺そうとした哀ちゃんの窮地を
ベルモットが間接的に救う話でもありました。
哀ちゃんにとっては些細な善意による行動に過ぎず、
特別なことをしたとも思っていないようでしたが、
あの時のベルモットはそれも含めて嬉しかったんだと思います。
勿論、哀ちゃんを救った例の行動については、
ボスからのメールで
「××(隠されていて読めない)を潰せ」との指示を受けたのが
一番の理由でしょうが、
彼女自身の意思でもあったのは
ED後の最後のシーンからして確定のはずです。
とはいえベルモットが善人になったわけではなく、
悪人としてもしっかりと働いていて、
黒の組織らしく危ない犯罪を成功させていたので、
さすがベルモット……!と思うばかりでした。
悪役なのにとてもチャーミングだった上に、
今作では哀ちゃんを助けたという役回りもあって、
ベルモットは株を上げたと思います。
きっとファンの数も急増したのではないでしょうか。

そして、今作では陰のMVPだと思えてならないほど
単身でめちゃくちゃ頑張っていたキール!!
彼女の機転が無ければ状況は更に悪化していて、
哀ちゃんたちも潜水艦から脱出できなかったかもしれません。
その勇気と頑張りには、たくさんの拍手を贈りたいです。

また、キールと同じNOCであるバーボンこと降谷零さんも
懸命に頑張っていました。
降谷さん(安室さん)は去年の映画で活躍していたので、
今年の映画でも出番が多そうなのが
ファンからの反感を買わないかと気になっていましたが、
そんなことはなかったです。
最前線で敵と戦った前作とは違い、
今作での彼は遠くからコナンくんに有益な情報を与えるといった
後方支援に徹していましたし、
出番そのものも、私が予想していたよりは多くなかったです。
(とはいえ少なくもなかったので、
降谷さんファンとしては有難かったです)
しかも、降谷さんの出演シーンはどれも印象深く、
彼自身もとても格好良かったので、
彼を最愛とする私はこれで十分満足できました。
中でも、コナンくんの機転により、
二台の携帯電話が向かい合わせにさせられたことで、
降谷さんと赤井さんが会話をしたシーンは
感無量でした……!
二人による「ライ」「バーボン」呼びを聞いた瞬間は、
嬉しすぎて喉がヒッと鳴るかと思いました。
幸せでした。
ありがとう、公式さん!!!

以上のように、今作では
ジンの身勝手な暴走を黒の組織が止めたという形になっており、
思わず「こんなんで黒ずくめの組織って大丈夫なの?」と
心配しそうになりました。
尤も、組織が強大で安定しているからこそ、
あの程度のことが生じたぐらいでは全く揺らがないので、
余裕があるのかもしれませんが。



前作では存在が空気だった蘭ちゃんが、
今回は活躍していて……というか活躍シーンが凄くて、
圧巻でした!
蘭ちゃんの格好良いアクションシーンでは、
思わず息をのんで見入ってしまったほどです。
一方で、小五郎さんはいつもの駄目な彼だったので、
もうそろそろ格好良くて優しいところを観てみたいです。



これまでのコナンの映画は、
脇役の声優さんの名前を見ただけで、
その人気や知名度から「この人が犯人っぽいな」と
予想することができていました。
しかし今作では、疑わしいキャラクター全員に対して
人気も知名度も高い声優さんが声を当てていたので、
制作側の本気が伝わってきました。
実際、その内の一人が中盤で殺されるまでは
誰が犯人なのかは全く分からなかったです。

そして、今作の鍵を握る重要人物のピンガ。
彼の声を聞いていて
「これ、誰だっけ……聞き覚えがあるんだけどな」と
ずっと思っていました。
EDのスタッフロールに村瀬歩さんとあるのを見た瞬間、
驚くと同時に納得しました。
そうですよね。
私は今、「ハイキュー!!」に再燃していて、
ほぼ毎日、BSで再放送中のテレビアニメを観ているので、
主役の日向翔陽を介して彼の声を聞いていたんですから
聞き覚えがあって当然です。
また、この時は同時に、
ピンガが変装していた女性の声も実は村瀬さんだったと分かり、
二重に驚きました。
村瀬さんが女性声優さん並みに高い声を出せるとは
ネットで見たことがありましたが、
これほど違和感が無いとは知らず、
本当に驚きました。
だからこその村瀬さんの起用だったのかと理解した上で、
声優・村瀬歩の贅沢な使い方に感嘆しました。
村瀬さんじゃないとできないですよね、この役。
素晴らしいです。
今年も、昨年までがそうだったように
これから何度も映画館で見る予定ですが、
二度目は村瀬さんの声の聞き取りに全力を尽くします。

あと、黒の組織に属する人物の説明で
以前の映画「純黒の悪夢」に登場したキュラソーが
一瞬だけ出ていたのが、
とても嬉しかったです。
あの映画のお陰で私は安室さんに恋をし、
コナン熱が再燃しましたし、
キュラソーのことも大好きだったので……。



ところで、ゲーム「艦これ」界隈では、
青山剛昌先生が「山本ハーロック五十六」として
遊ばれていることが
たまに話題になります。
その「艦これ」では、少し前のゲームシステムの変更により
空襲マスでも潜水艦が被弾するようになったので、
今作で潜水艦が赤井さんの銃撃を受けるシーンでは、
それを思い出したせいで少し笑ってしまいました。

青山先生、艦これの早春/春イベの突破報告も拝見しました。
甲作戦でのクリアおめでとうございます!
お疲れ様でした!



さて、最後になりましたが、
試写会後にネットで炎上騒動が勃発していた
哀ちゃんとコナンくんの人工呼吸のシーンについて
軽く触れておきます。
私は「名探偵コナン」を追ってはいるものの、
安室さん(降谷さん)のファンなので、
正直に言えば、新一と蘭ちゃんの恋愛には興味がありません。
ただ、好きな女子キャラはダントツで哀ちゃんです。
そんな私でも、
「名探偵コナン」の大前提として新一と蘭ちゃんの仲は絶対で、
この先の二人を語るなら、
必ず恋愛が成就する未来以外はあり得ないと思っています。
勿論、個々の嗜好により
そうではない妄想を密かに膨らませている人もいるでしょうが、
新一と蘭ちゃんのカップルが作者を含めた共通認識であるのは
間違いないはずです。
あの人工呼吸のシーンは、
全ての観客の中にその認識があるという前提の上で
敢えて入れられたと思うので、
本来なら問題は生じなかったはずですが……
まぁ現実はそうなりませんよね。
あのシーンに関わるキャラクターのファンは
良くも悪くも心穏やかではなかったと思います。
こう書いている私も、
推しカプの二人が目の前の巨大スクリーンで人工呼吸をしていたら
頭が沸騰するほど感極まって喜ぶでしょうし、
推しカプの片方が他の誰かとそうしていたなら
顔から血の気が引くほど強いショックを受けたと思います。
この人工呼吸のシーンが悪い意味で話題となってしまったのは、
ファンの中にある繊細な感情(萌え)を
制作側がちゃんと理解しきれていなかったためでしょう。
私はそのシーンを見ても特に何も思わず、
「ネットで騒がれていたのはこれか」と納得しただけでした。
哀ちゃんが、非常事態だったとはいえ
コナンくんと唇を合わせたことが気になっていたからこそ、
唇を返すために蘭ちゃんにいきなりキスしたのだとは
彼女の台詞が無くても想像できていたので、
その行為についても自然に受け入れることはできました。

しかも、人工呼吸という行為だけでも物議を醸す問題なのに、
その後の哀ちゃんが
「私たち、キスをしちゃったのよ」と呟いていたのが
火に油を注いでいました。
いくら独り言とはいえ、哀ちゃんにこう言われたら、
新一と蘭ちゃんのカップルが好きな人は傷付きますよね……。
「こっち(新一と蘭ちゃん)は作者が認めた公式カップルなのに、
なんでコナンくんと他人(哀ちゃん)が人工呼吸をしてるの?
なんで他人がそれを『キス』って言っちゃうの?」
と怒るのも、当然だと思います。

たとえば、わざわざこう言うなんて無粋極まりないですが、
哀ちゃんに「私たち、人工呼吸をしちゃったのよ」と言わせていたら、
私たち観客も、
彼女があれを救命行為としてしか考えていないと受け取れるので、
ここまでネットで炎上することはなかったはずです。
少なくとも、一部の熱心なファンの心を
制作側が不必要に煽ることにはならなかったと思います。
あの時の哀ちゃんは救命行為をしただけのように見えていたのに、
その後の彼女が改めて「キスしちゃった」と言ったがために、
実は愛情表現の行為だったのではないかと受け取られてしまって
哀ちゃんや公式への多大な非難に繋がったのは、
決して否めないです。

しかし、哀ちゃんがいくら大人びていると言っても
小さくなる前ですらまだ十代の女の子で、
恋愛経験も乏しかったと思うと……。
いくら非常時の救命行為でも
異性と唇を合わせることは稀で、特別なことで
しかもその相手は普段から気にしていた人で、
命の危機を救ってもらったばかりという現状なら、
哀ちゃんが思わず「キス」と表してしまった気持ちは、
分からないでもないです。

そして、この問題を更にややこしくしているのが、
コナンくんと新一くんは同一人物であっても、
蘭ちゃんの中では一応別人として存在しているので、
コナンくんと蘭ちゃんがキスすれば
(勿論、人工呼吸をするとしても)解決する話ではない点です。
コナンくんの正体が新一であるのは当然なので、
コナンくんと蘭ちゃんの距離が近くなるのは喜ばしいのですが、
やはり恋愛描写は新一と蘭ちゃんでやるべきです。
公式が今回の炎上騒動を最速で鎮火させたいなら、
コナンくんを今すぐに新一くんに戻し、
もう二度とコナンくんにはならないと提示した上で、
彼が蘭ちゃんとキスするしかないと思います。
つまり、今はまだどうあっても無理なんですよね……。
とはいえ、最後に唇を返したことからして
哀ちゃんにはコナンくんを蘭ちゃんから奪う気が無いのは明白です。
これは唯一の救いだったと思います。

こうして考えていくと、
そもそもあの人工呼吸のシーンが必要か?との疑問が
頭に浮かんでしまいますが、
炎上により世間の話題性が一気に増したのは明らかなので、
制作側からすればこれで成功だったのかもしれません。
けれども彼らに心を乱された一部のファンにとっては、
作品の根底を揺るがされたも同然だったでしょう。
あのシーンがどんなに炎上しようとも
内容が変えられることはなく、
後々、例年通りの大ヒット作品として語られていくかと思うと、
その胸中を察するだけで私も辛くなります……。
無茶を承知の上で勝手な希望を言うなら、
せめてこの映画が円盤化される際には
新一と蘭ちゃんがイチャイチャする話を特典映像として加えて、
バランスを取ってほしいです。

あのシーンを見せられたら一部のファンが猛烈に反発するとは
制作側も事前によく分かっていたでしょうに、
敢えて入れて彼らの感情を逆撫でしていたのは、
どう考えても好ましくないです。
公式さんにはファンをもっと大事にしてほしいですし、
あまりいじめないでほしいです。



上記の炎上によりケチはついてしまったものの、
それを抜いても凄く楽しい映画でした。
エンタメとしては超一級だと思います。
映像の迫力がとにかく凄く、圧巻されてばかりでしたので、
映画館での鑑賞を強くお勧めします。
テレビ視聴だけで済ませるのは、ちょっと勿体ないです!



(追記)
この時に買ったグッズ(下敷き)も記事にしました。
【劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」下敷き】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-05-08



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2023-04-17 19:09 
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