さくらもちモチ

感想：NHK朝ドラ「舞いあがれ！」第20週：伝えたい思い*ネタバレあり　[NHK連続テレビ小説感想] [編集]

NHKの連続テレビ小説（朝ドラ）「舞いあがれ！」の感想です。
今回は以下の放送について記します。
第20週：伝えたい思い

以下の記述にはネタバレを含みます。

「舞いあがれ！」の初週と前週の感想記事はこちら。
【第1週：お母ちゃんとわたし 】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-10-07
【第19週：告白】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-02-10



第20週のあらすじはこちら。
https://www.nhk.or.jp/maiagare/

　新聞記者の御園（山口紗弥加）が IWAKURA の女性社長であるめぐみ（永作博美）に興味を持つ。御園からは町工場の魅力を発信することを促され、舞は職人たちの思いを伝えるためのブログに取り組む。
　一方、貴司（赤楚衛二）は編集者の北條（川島潤哉）から課された新しい短歌作りに苦しんでいた。貴司の短歌のファンという史子（八木莉可子）がデラシネに出入りするようになり、舞は戸惑う。

舞ちゃんと貴司くんの恋が成就しました！
二人はずっと両片思いの状態が続いていたので、
晴れて両思いになるのは時間の問題でした。
後は、二人がいつどうやってくっつくのかが
気になる状況ではあったものの、
押しが強い秋月さんの存在は無視できなかったので、
無事に二人の恋が実った今は私も幸せです。
おめでとう、そしてありがとう！！


秋月さんが積極的に動いていた一方で、
表情を曇らせるだけで何もしない舞ちゃんに対して
私は歯痒さを強く感じた時もあっただけに、
貴司くんの舞ちゃんへの気持ちが全くぶれなかったのが
本当に救いでした。
加えて、以前に貴司くんが舞ちゃんに贈った短歌は
熱烈な恋の歌の本歌取りであり、
貴司くんが唯一詠んだ恋の歌でもあると判明する流れは、
何とも言えない高揚感があり、
私も朝から胸キュンしっぱなしでした。
貴司くんが歌人を目指すとなってから、
歌が二人の恋の橋渡しをするだろうとの想像はしていましたが、
ここまで効果的に使われることになるとは思っておらず、
感心するばかりです。
実に素敵なエピソードでした。
告白直前に貴司くんが詠んだ
「一生かけて君を知りたい」の歌も素敵でしたね……。
もう実質的なプロポーズだったと思います。



そして、この週のキーパーソンである秋月さんについて。
過去を含めた厳しい現実から逃避したい狙いもあって、
秋月さんは短歌にのめり込んでいるようですが、
孤独をやたら強調する彼女の発言には
違和感ばかりが募りました。
秋月さんの心を蝕む悲しみの最たる理由が孤独だからこそ、
貴司くんの短歌に自身と同じ気持ちを感じた秋月さんは、
傷を舐め合う相手として彼を強く欲したようです。
しかし、歌の解釈が違うと貴司くんに指摘された時点で
彼女が自身の勘違いに気付き、
自分と彼は違うということを素直に認められれば、
彼女もここまで深く傷つかずに済んだと思います。

秋月さんは孤独を憎みながらも
決して手放せないものとして大事にしている
（孤独な自分に酔っている）感じが常にありました。
貴司くんについても、
自身と同じでひどく孤独なのだと勝手に決めつけており、
それはまるで、
孤独でない貴司くんはあり得ないと言わんばかりでした。
もし貴司くんが本当に孤独に苦しんでいたなら、
秋月さんがそこばかりをやたら強調しても
問題は生じなかったでしょう。
しかし実際の貴司くんはそこまでではないのを踏まえると、
もし仮に秋月さんが貴司くんと交際できたとしても、
彼女が彼を正しく認識すればするほど
前提が大きく崩れていくので、
すぐに破綻するのは目に見えていたと思います。

それにしても、
秋月さんによる舞ちゃんへの牽制とマウントには
朝から苛々させられました。
秋月さんの必死さは理解できたので、
彼女のことは嫌いになれなかったのですが、
さすがに「なんだ、こいつ……」とムカつきました。

孤独に囚われすぎている秋月さんは、
ちょっと可哀相な人なのでしょうが、
彼女が本当にこのまま短歌の世界で生きるなら、
それは個性として大事にしても良いと思います。
大変でしょうが、頑張って生きてほしいです。



当初は嫌な面ばかりが見えていたリュー北條も、
実は貴司くんの短歌が好きで、
彼にはもっと成長してほしいと望んでいると分かり、
ホッとしました。
結果的に二人の恋の成就は彼のお陰なので、
貴司くんの短歌の本がいっぱい売れたら
出版社から特別ボーナスをたっぷり貰ってほしいです。



来週は、もう舞ちゃんと貴司くんが結婚するようで……？
それよりも今は、笠松さんの退職の方が気になります。
彼にはずっとIWAKURAにいてほしかったです。




続きはこちら。
【感想：NHK朝ドラ「舞いあがれ！」第21週：新たな出発*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-02-25-1