さくらもちモチ

感想@アニメ「ハイキュー!!」第23話：流れを変える一本　[ハイキュー!!] [編集]

テレビアニメ「ハイキュー!!」第1期の感想です。
今回は以下の話について記します。
第23話：流れを変える一本

私の推しは青葉城西の及川徹さんです。
原作の漫画は最後まで読み、
アニメも視聴済みですので、
以下の文章では先のことについて触れる可能性があります。

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【ハイキュー!! 記事一覧】
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【テレビアニメ「ハイキュー!!」第1期】
初回と前回の感想記事はこちら。
第1話：終わりと始まり
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第22話：進化
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第23話のあらすじはこちら。

　青葉城西からもぎ取った第２セット。烏野対青葉城西の試合はファイナルセットへともつれ込んだ。その場面で、日向の脳裏に浮かぶのは一回戦、二回戦と戦ってきたライバルたちの顔。今までに自分たちが戦ってきたチームから託された想いも胸にファイナルセットへ挑む。

烏野と青葉城西の試合は
とうとう最後の3セット目に入りました。

私の最愛キャラの及川さんと言えば、
尋常でない威力のジャンプサーブと
華麗なセットアップの描写が多く描かれがちですが、
この回はこれらに加えて
レシーブ、スパイク、ツーアタック……と
他のプレーでも華々しく活躍しているところを
具体的に見られたのが、
とても幸せでした。

録画を視聴し直す度に
「及川さんってば格好良いな」と惚れ惚れしながら
楽しく視聴しています。



日向たちのコートの横幅めいっぱいの移動攻撃が
久々に披露されました。

あれをたった一度成功させるだけでも凄いのに、
日向はそれができる可能性を少しでも見つけると
積極的に仕掛けていくんですから、まさに化け物です。
日向は素早さや跳躍力に優れているだけでなく、
気力がとにかく凄いですよね。
全速力で走って飛んで、また走って……を
短時間で何度も何度も繰り返すだなんて、
普通なら足が動かなくなる前に
「もう駄目」と音をあげてもおかしくないのに、
日向は逆で、
気持ちで足を無理に動かしているところが凄いです。
意地や根性といった精神論で語れる範囲を
軽く超えていると思います。

日向の必死さに当てられたことで、
青葉城西のブロックが釣られただけでなく、
味方の影山も彼にトスをあげそうになったとのこと。
そうなりそうになっても留まるあたりに
影山のセッターとしての優秀さが表れていただけでなく、
他の誰でもなく彼にそう思われたことで、
日向の囮としての凄さがこれ以上なく強調された後、
とどめとして
「最強の囮」という彼の二つ名がここで挙げられたのは、
最高の展開でした。
敵も味方も視聴者も
日向の凄さ、恐ろしさに圧倒されて感嘆しているのに、
当人は至って普通にしているというのも、
温度差を感じられて良かったです。
自分にできること、任せられていることを
ただしているだけという日向に向かって、
皆の関心と称賛が慌てて追いかけているという感じがします。



しかし青葉城西も、
強豪校らしい実力の高さや執念深さを
烏野に見せつけてきました。

普段の入畑監督は生徒の自主性に重きを置いていて、
試合でも生徒同士が意見を交換するのに任せて
自身は敢えて口を出さないでいるようですが、
今回の日向の移動攻撃への対処については
及川さんを含めて生徒が誰も案を出せないと知ると、
すかさず策を与えていたのが、
とても頼もしく、格好良かったです。
また、それが単なる思い付きではなく、
日向をよく観察していたからこそ言えたもので、
実際、その策がすぐに見事に奏効していたのは
さすがとしか言いようがなかったです。
強豪校で監督を務めるだけはあるなと、
その存在感の強さを実感しました。
勿論、その策が成功した鍵であるリベロの渡くんも、
大変良かったです。
今回、渡くんが及川さんにトスを上げた件は、
後で西谷先輩に多大な影響を与えるので、
私も意識して視聴しました。



当初は青城に何とか食らいついていた烏野でしたが、
お互いに手札を全て見せ合った状態で
心身共に余裕が無くなってくると、
チームの地力の差が露わになってくるのか、
烏野は青城に押され始めました。
場の空気が嫌な感じになったのを懸念した烏養コーチは、
それを消すべく、
ジャンプフローターサーブを練習中の山口を
ピンチサーバーとして起用しますが……。

作中で烏野の先輩たちが内心で語っているとおり、
ここでいきなり出番が来るというのは、
誰にとっても嫌なことです。
山口は、あのまま単なる控えで終わりたくないと
強く思ったからこそ、
唯一の武器を身に付けるべく
進んでジャンフロを習いにいったわけですから、
本来ならこの出番は願ったり叶ったりの状況なのですが……
いかんせん練習が足りず、根性も無い今は
荷が重かったようです。

山口を見ていると、
勉強をちゃんとした時に受ける試験は
楽しみでしかないというのを思い出します。
逆に、勉強不足を痛感している時は、
できないのが分かっているので
気が重くなりますよね……。

これからの山口は
ピンチサーバーとしてどんどん成長していき、
その過程も丁寧に描かれていきます。
見せ場を大まかに区分すると、
以下の三つに分かれます。
「流れを変える一本」*今回のIH予選
　↓
「根性無しの戦い」*春高予選
　↓
「元・根性無しの戦い」*春高予選

最初である今回は、
烏養コーチが「何かないか……」と
必死になって探した結果、
たまたま視界に入った嶋田さんを経て山口の存在を思い出し、
彼に白羽の矢が立つという内容でした。
副題では、特に誰とは限定されておらず、
行為（結果的には山口のサーブ）に焦点が当てられています。
しかし二回目と三回目は、
そこまでハイキュー!!を追ってきた読者や視聴者なら
文字を見ただけで自然に察せられるとおり、
副題は山口の比喩表現で、
話の内容も彼の失敗と成功です。
当初は誰でも良かった救世主の役目の担い手が、
「ここは山口で」と指名されるようになり、
大きな失敗と反省を経て
彼の努力が成功という形で見事に開花する流れは、
ハイキュー!!屈指の見どころと称賛されるに相応しい
熱い展開です。

なので、この先に用意されている成功シーンのためにも、
二度の失敗シーンは必須なのだと理解はしていても、
それらを漫画で読んだりアニメで見たりする度に
過度に緊張する山口に感化されてしまい、
私まで胃が痛くなりそうになります。

今回の山口は残念ながら失敗してしまいましたが、
それが烏野の闘志に火を点けたようで、
結果的に彼の起用は成功したと言えるのが
ハイキュー!!の良さだと思います。
少し前に影山との交代で控えに戻った菅原さんが、
鵜飼コーチから「次は……」と提案を受けた際に、
ひどく感激していたように、
山口も大地さんから次を期待されたことが
相当嬉しかったようです。
これに悔いや自身への腹立たしさが加わるんですから、
次の日からの練習を頑張らないわけがないですよね。
青春真っただ中！である彼らの姿は、
そういう青さや熱さをとっくに失っている私には
あまりにも眩しくて、
ちょっと羨ましかったです。



ハイキューのアニメ第1～3期は
贔屓無しに出来が非常に良い作品ですが、
特に今回の終盤は作画も演出も素晴らしかったです！
動画で見ると、生徒の動きやボールの行方だけでなく、
試合の流れもより分かりやすいので、
結果が分かっていてもつい見入ってしまいます。
BGMも解説役の烏野町内会の二人も熱くて、
臨場感たっぷりなのが最高です。
烏野も青城も更に必死になっていて、
全員が自分のベストを出し切っていると分かるだけに、
試合が終わってほしくないと思ってしまいますし、
どちらも勝てばいいのに……と
不毛なことをつい願ってしまいます。

最後に及川さんを阻む形で
影山がワンハンドトスを決めるシーンでは、
私も、手のひらから手首に掛けての細い筋が
くっと張るような感覚に襲われます。
ぶっちゃけそれは不快なのですが、
テレビで見ている私がこう錯覚するほど
その描写は現実的だという証であり、
また、その直後の日向のスパイクが格好良いこともあって、
最終的にはやはり感動で終わるという自分の気持ちが
ちょっと面白いです。



続きはこちら。
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第24話：脱・“孤独の王様”】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-02-16

いよいよ試合の決着がつきます！