感想@アニメ「ハイキュー!!」第22話:進化 [ハイキュー!!]
テレビアニメ「ハイキュー!!」第1期の感想です。
今回は以下の話について記します。
第22話:進化
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私の推しは青葉城西の及川徹さんです。
原作の漫画は最後まで読み、
アニメも視聴済みですので、
以下の文章では先のことについて触れる可能性があります。
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【ハイキュー!! 記事一覧】
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【テレビアニメ「ハイキュー!!」第1期】
初回と前回の感想記事はこちら。
第1話:終わりと始まり
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第21話:先輩の実力
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第22話のあらすじはこちら。
菅原と交代して再びコートへと戻った影山は、コートの外にいる間にも貪欲に学んで吸収した全てを出して青葉城西に挑む。新たに菅原が考えたサインの甲斐もあり、日向と影山は変人速攻をどんどん決めて得点を重ねていく!
及川さんを語る上で
絶対に絶対に欠かせない重要な話ということで、
さすがにこの時はリアタイ視聴をしました。
午前二時半からの放送の直前までは
目がまともに開かないほど眠かったのに、
テレビに愛しの及川さんが映った途端、
その猛烈な眠気が急に消え、興奮が募ったので、
ちょっと笑ってしまいました。
影山がコートに戻ってきました。
少し休んだことで焦りが消え、
いつもの冷静さを取り戻した影山は、
頼もしい先輩から学んだことを、早速、実行します。
痛々しいとも微笑ましいとも思えるような
影山の涙ぐましい努力には、
もう好感ばかりが募りました。
可愛すぎる……!
特に、癖の強い言動をする月島とは
彼からの歩み寄りが全く無い分、
影山は余計に苦労を強いられますが、
それでもこの試合に何とか勝つために
努力を尽くしてどうにかしようと頑張っているのが
大変良かったです。
影山の問いへの答えとして
月島が不満を遠慮なくぶつけた後、
影山が素直に「分かった」と言った時は、
月島ほどではないですが私も驚きました。
でも影山にしてみれば、それまでのトスも
自身が良かれと思って上げてきたものだけれど、
月島の指摘には納得できる部分があったんでしょう。
ここで変に意地を張って我を通すことほど
意味の無いことは無いですし、
あれこれと模索した結果、
どちらがより良いかが分かれば、
勝利に一歩近付くことができます。
そして月島は、影山に驚かされたこともあり、
彼の言葉に少々気圧された形で
それに付き合うことになりました。
最終的にどこに打つかを月島に任せるということは、
当然、影山が彼を信頼していないとできないので、
ここでも先輩たちから聞かされた言葉が強く効いているのが
分かります。
まさにチームワーク!
最初からチームとして最上の形を保っているのではなく、
それぞれが不器用ながらも
同じ目標に向かって必死に前へと進んでいるのが
たまらなく好きです。
影山の復帰で更に調子づく烏野を前に、
サーブの順番が回ってきた及川さんの脳裏には、
苦い過去が去来していました。
実を言いますと、
私は昔から及川さんが特に好きだったにもかかわらず、
この「変化」については、
何も知らなかったアニメ初見時の記憶が全くありません。
おそらく「あぁ辛い過去があったのね」ぐらいにしか
思わなかったんでしょう。
なので、私がこの「変化」に衝撃を受けたのは、
今から四年ほど前のBSプレミアムでの放送時だと思います。
昔よりも及川さんへの思い入れが深かった分、
ショックも大きかったです。
テレビの前でうわぁぁぁ……となりました。
ここまでの話における及川さんの凄さは、
言うまでもないほど絶対的です。
作中でそれが強調されればされるほど、
そんな凄い彼も実は苦しんでいたのだと分かれば、
視聴者や読者の共感を得られて支持がより強まるだけでなく、
作品の幅も広がります。
なので、及川徹という人物を深く掘り下げるにあたり、
この辛い過去は必須となりますが、
いくらこれが高い目標に向かって這い上がっていくために
彼に用意された「底」とはいえ、
葛藤に苦しむ彼には心を寄せずにはいられなかったです。
北川第一中時代、
同学年の天才を相手にした試合で完敗続きだったせいで
悔しさを爆発させていた及川さん。
三年になると、そんな彼の前に、
同じポジションを希望する年下の天才が登場しました。
上から強く押さえつけられているだけでなく、
下からの猛烈な突き上げも食らった及川さんは、
その天才たちに対抗すべく、
今まで以上にひたすら練習に打ち込んだとのことで、
バレーが大好きな上に、
誰よりも負けず嫌いで真面目な彼ならではの話でした。
もしも及川さんが
あそこまでバレーに熱中していなかったら、
バレーで天才に劣る自分を許せていたら、
あまり真面目に取り組んでいなかったなら、
頑張るだけ無駄だとしてあっさり諦め、
別の喜びや新たな目標を他に探したかもしれません。
そもそも、もし影山とポジションがかぶらなかったら、
及川さんは彼を頼もしい後輩として素直に歓迎し、
白鳥沢に対抗するための戦力として
頼りにしたかもしれません。
また、牛島くんや影山が近くにいなかったら、
及川さんが天才にやっかむことなどなく
(もしかしたら自分が天才だと錯覚して)
楽しく部活動に励めたかもしれません。
でもご存知のとおり、及川さんの場合は
それらが全て揃ってしまっていました。
よく考えれば、
及川さん自身の性格も、バレーへの熱中具合も、
二人の天才の存在も、
その後の彼がバレーで更に強くなっていくための糧
(大きな試練)だと言えるのですが、
それはあくまで大成した後の彼にしか語れない結果論です。
どんなに心を奮い立たせ、懸命に努力を重ねても、
思うような成果を得られない現実に絶望して
心が潰れてしまう方が普通で、
逃げなかっただけ偉いと言えます。
及川さんの場合、
恐怖や焦りといった負の感情のせいで
普段からひどく悶々としていたようで、
部の監督から止められるほどの猛練習を続けたのは、
それが天才たちを超えるための唯一で最適な方法だという
安易な思い込みと、
彼なりの不安の対処法だったんだと思います。
体を壊しそうになるまで練習に精を出せば、
技術が向上して実力が付くだけでなく、
心身の過度な疲労により
物を考えられなくなる(考えずに済む)ので、
一時的に負の感情の支配から逃れられるからです。
きっと当時の及川さんは、
夜はお布団に入った途端に
気絶するように眠ったと思います
(悩みや不安が強すぎて眠れない夜を過ごすのと
どちらが良いのかは分かりませんが)。
そうするうちに膝や肘、肩、腰などをひどく痛め、
まともに練習することも叶わなくなり、
二人の天才から完全に置いていかれて
最悪な結果を迎える……という展開は、
想像に難くないです。
そしてとうとう、
及川さんの中でスイッチが入ってしまいました。
よりにもよって不安の原因の一つである影山が……
しかも及川さんの悩みを知らない彼が
平然と教えを求めてきたんですから、
及川さんがつい突発的に感情を昂らせたのは
無理も無いと思います。
(書く必要は無いと思いましたが、
この時の影山は本当に
及川さんに教えてもらいたかっただけなので、
彼に非は無いです。念のため)
この時、もし及川さんの手が影山に当たっていたら、
彼はいつかバレーから離れたでしょうし、
高校三年の現在までやり続けたとしても
ここまでは強くならなかったと思います。
だからこそ、岩泉さんの存在が救いです!
もし私が岩泉さんに会えたら(会えないですが)
「あの時、及川さんを止めてくれてありがとう」
「いつも及川さんを支えてくれてありがとう」と
心からのお礼を伝えたいです。
岩泉さんが及川さんに猛烈に怒ったせいとはいえ、
まず最初にガツンと痛い目に遭わせて、
惑う彼を正気に戻してから、
本気の説教を大声で放っているのも、良かったです。
岩泉さんに「殴るぞ!」と怒鳴られて
反射的に「もう殴ってるよ!」と返した時の及川さんは、
私がよく知るいつもの及川さんで、
アニメでも漫画でもこのシーンになると
未だに「良かった……」とホッとします。
自身が強くなることしか見えていなかった及川さん。
岩泉さんのモノローグでも説明があったとおり
おそらく彼は当時からずば抜けてバレーが上手く、
自身の出来がチームの勝敗を決めるという自負が
彼の中で生じたのは、
ごく自然のことだったのかもしれません。
きっと本当にそうだった時もあったんでしょう。
そんな及川さんに向かって、
「六人で強い方が強い」という
ごく当たり前のことながらも
実に上手く真理を突いた言葉を発した岩泉さん。
わざわざ口にするまでもないほど普通のことであるからこそ、
その言葉は重く強く、及川さんを正面から圧倒し、
彼の心を強く震わせました。
そこから及川さんは考え方を変えて、
今に通じる彼に「進化」したわけですが……。
変わった後の具体的な描写は、
及川さんが笑顔で他の部員との練習に励む数秒間
(漫画は一コマ)しかないので、
想像の域を出ませんが、
当時からもう今の彼のように
チームメイトに気持ち良くプレーさせることで
それぞれの調子と全体的な士気を上げていき、
最高に良い状態を引き出していくやり方にしたんだと
思われます。
これはまさに、幼い頃の及川さんが感銘を受けた
ホセ・ブランコ選手のプレースタイルですよね。
ちびっ子だった及川さんが、
派手な活躍を見せたスター選手のたまごではなく、
不調の彼を支えて復活させたブランコ選手に魅了され、
自分もセッターになりたいと熱く伝えた後、
成長過程で登場した強大すぎるライバルにより
少しだけ道を踏み外しそうになったものの
幼馴染みの真を突いた言葉によって自分を取り戻した末に、
強く憧れた人のプレーに到達するという流れは、
こうして改めて整理して書いているだけでも
胸が熱くなります。
勿論、及川さんの魅力はここだけでなく、
外見が特に優れているところも、
普段のへらへらとしたお調子者なところも、
バレーではむちゃくちゃ格好良いところも、
言葉では表せないほど素晴らしくて大好きなのですが、
こういう過去を背負っていると判明したお陰で
更に彼のキャラクターとしての奥行が広がり、
魅力も高まったのがよく分かります。
もう……本当に最高です。
大好きすぎるキャラクターです。
ブランコ選手がどうだったのかは不明ですが、
試合や練習での及川さんは、
他の選手の良さを自然に引き出すのと同時に、
「こういうふうにしたい」という彼の意思を込める塩梅が
非常に上手いのではないかと想像しています。
前者だけでは媚びたプレーになりがちで、
チームメイトに違和感に似た不快感を抱かせそうですし、
後者のみとなると
まさにコート上の王様だったかつての影山です。
それらを上手く両立させてチームを統率していき(=指揮者)、
試合をも支配していく(=コートを制す)及川さんは、
やはり「総合力では県ナンバーワン」たる実力者なんだと
思えます。
また、この先でとても重要になってくるのが、
ここで岩泉さんが及川さんにぶつけた名言を、
実はたまたま影山も耳にしている点です。
この段階での物語の視点は、体育館の中にあるため、
影山は去って終わりとなっていますが、
後々の話で彼もこの発言を聞いていたと判明します。
そして日向も、
影山を介してこの言葉を知るんですよね……!
この「六人で強い方が強い」という発言は、
バレーの真理を表したと言えるので、
バレー好きなら誰の胸にも深く刺さるのでしょうが、
その効果が及川さんだけで留まらなかったという結果が
私にとっても喜ばしく、
ついにやにやしてしまいます。
岩泉さんも影山が聞いているとは知らないので、
(影山は聞こうとして耳を澄ましたのではなく、
たまたまその発言が聞こえてきただけ)
まさか日向にまで届くとは思ってなかったでしょうし、
そもそも及川さん以外に聞かせるための発言ではないので、
もし日向がそれを岩泉さんに伝える時があったなら、
岩泉さんには「お、おう……」と
ちょっと戸惑ったように応えてほしいです。
更に言えば、そういうところを及川さんにからかわれて、
蹴りか投げで反撃してほしいです。
Bパートの尺の多くを使って語られた回想後の
及川さんのサーブ……ということで、
通常であればビシッと鮮やかに決まるところだと思います。
でも、一点差の攻防が続いているという
非常に緊迫した状況であったからか、
ボールは烏野のコート内ぎりぎりに入るという温情は
さすがにあったものの、
西谷先輩によって見事に拾われてしまいました。
また、すぐに岩泉さんの見せ場がやってきますが、
逆に影山の見せ場(=進化)となり、
及川さんは苦汁を飲まされる羽目になります。
なので、このシーンを見る度に
「及川さんには容赦が無いな……」と
つい思わないでもないのですが、
それが良い意味で視聴者の予想を裏切っているので、
ハイキュー!!が常に面白い理由がこういうところなのだとも
痛感させられます。
更に言えば、
及川さんがここで影山の劇的な進化を知ったことが、
最終的な青城の勝利に繋がるので、
作者が容赦無いのは及川さんだけでなく、
影山(と日向)にもそうなのだと分かるのですが……。
ここまで厳しいと、逆に愛情を強く感じます。
実際、W主人公の日向と影山は
作者から一番愛されて当然として、
及川さんもかなりの愛されっぷりだと感じます。
というか、嫌なキャラクターが全くいないあたり、
全員にちゃんと(愛の深さは均等ではないものの)
目が掛けられているなと実感できます。
私にとって及川さんは、
知れば知るほど更に惹かれてしまう
本当に愛おしい人です。
今回の放送も録画も、
この感想記事を書くために何十回と視聴しましたが、
一度も飽きることなく、ただただ幸せでした。
お陰様で
「今日も推しが格好良くて幸せ」を
毎日堪能できています。
及川さんのことが大好きです!
続きはこちら。
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第23話:流れを変える一本】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-02-13
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2023-02-12 19:45
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