さくらもちモチ

感想：NHK朝ドラ「舞いあがれ！」第6週：スワン号の奇跡 *ネタバレあり　[NHK連続テレビ小説感想] [編集]

NHKの連続テレビ小説（朝ドラ）「舞いあがれ！」の感想です。
今回は以下の放送について記します。
第6週：スワン号の奇跡

以下の記述にはネタバレを含みます。

「舞いあがれ！」の過去の感想記事はこちら。
【第1週：お母ちゃんとわたし 】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-10-07
【第2週：ばらもん凧（だこ）、あがれ！ 】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-10-15
【第3週：がんばれ！お父ちゃん】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-10-21
【第4週：翼にかける青春】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-11-01
【第5週：空を飛びたい！ 】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-11-04



第6週のあらすじです。
https://www.nhk.or.jp/maiagare/



舞ちゃんがパイロットとして乗ったスワン号が、
琵琶湖での記録飛行に挑みました！
先週（第5週）の最後が、
舞ちゃんがテスト飛行で初めて空を飛ぶという
希望に満ちた明るい締めだったので、
サークル活動の集大成となる今週は
より深い感動が待っているのだろうと
期待していました。


その通り、皆でスワン号を飛ばすシーンは
確かに感動的でした。
しかしその山場が週の半ばで終わり、
残りは、旅客機のパイロットという
新たな夢を見つけた舞ちゃんが
それをなかなか両親に言い出せず、
彼女の幼馴染みである貴司くんと久留美ちゃんも
難しい悩みを個々に抱えていて……という
暗い内容で終わったので、
見ている私も何とも言えない気持ちになりました。

贅沢な要望かもしれませんが、
やはり金曜日の放送は、
無意識のうちに（勝手に）
一区切りを付けてしまうものなので、
できることなら明るい気持ちで
視聴を終えたかったです。
人力飛行機の次のパイロットに選ばれなかった舞ちゃんが、
由良先輩の一言によって
新たな道を見つけるという話の流れは
とても良かったので、
舞ちゃんがそれを自分の次の夢として心の中で育み、
まるで膨張し過ぎた風船がパンッと弾けるように、
その気持ちが抑えられないといった感じで
「私は旅客機のパイロットを目指します！」と
朗らかに宣言するところで
週を終えても良かったのではないかと
思いました。



久留美ちゃんと貴司くんの問題については、
その原因が他にあるせいで、
当事者の二人がどう頑張ろうとも
解決は容易ではないというのが辛いです。


久留美ちゃんのお父さんについては……
失職した日に
部屋の電気も点けずにぼんやりとしていた描写から、
仕事を辞めたくてそうしたわけではなく、
彼自身も相当悔しかったり
不甲斐なく思ったりしているんだろうなと
ちゃんと伝わってきた分、
彼が娘から強く責められるのを見るのは
なかなかしんどかったです。
とはいえ、そんなお父さんも、
言葉の弾みとはいえ
久留美ちゃんに酷いことを言っていましたね……。
おとなげなく久留美ちゃんに悪態を吐いたシーンは、
それこそ彼が彼女に甘えている証であり、
実は娘が自分のところに留まってくれていることが嬉しい
（そんな娘に迷惑をかけてしまって申し訳ない）
というような感情が
透けて見えた気になりました。

貴司くんについては、
以前から懸念していたとおりになってしまって
とても残念です。
前にも触れましたが、
当時のSEは、大量の雇用があった反面、
労働環境が劣悪な場合が多くて
辞職する人が絶えなかったという印象があり、
貴司くんもその内の一人なのかなと思いました。
仕事で生じた不満や不安、怒りといった感情を
詩の制作に活かすことで昇華できていれば。
まだ気持ちが楽にいられたかもしれません。
でもそれができず、
ひたすら気持ちを荒ませていた彼は
とても辛そうで、
見ていられなかったです。



さて、舞ちゃんについて。
新たな夢を両親に言い出せない日々が
思っていたより長く続き、
ナレーションで月日が一気に経過した時は
「え？　まだ言えてないの？」と
少々驚きました。
人生が左右されるほどの大事なことは、
一日でも早く言うべきだと思うので、
言おうとするけれどもできずに終えてしまう
（言うのを一旦諦める）舞ちゃんが
ちょっと意外でした。
とはいえ、そういう自己主張の乏しさは、
舞ちゃんなりの遠慮や優しさからくるものだと
分かっているので、
不快な気持ちにはならなかったです。

次週予告によると、
どうやらめぐみさんは反対するようなので、
舞ちゃんが彼女をどう説得するのかが
見どころの一つでしょうか。
舞ちゃんだけでなく、久留美ちゃんと貴司くんも
引き続き悩んで苦しむようなので、
舞ちゃんが「パイロットになりたい」と望むに留まらず、
皆が「幸せになりたい」と望む回なのかなと思っています。
楽しみです。



それにしても、
幼少期には少し走った程度ですぐに発熱し、
体育の授業を休むどころか
学校にも通えない日があった舞ちゃんが、
今やスタミナを求められる人力飛行機のパイロットとして
空を飛ぶとは……！
琵琶湖での飛行シーンは、本当に感動的でした。
素晴らしかったです。



続きはこちら。
【感想：NHK朝ドラ「舞いあがれ！」第7週：パイロットになりたい！ *ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-11-18-1