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感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第25週(最終週):やんばる!ちむどんどん! *ネタバレあり [NHK連続テレビ小説感想]

NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「ちむどんどん」の感想です。
今回は以下の放送について記します。
第25週(最終週):やんばる!ちむどんどん!
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NHK連続テレビ小説 ちむどんどんレシピブック

NHK連続テレビ小説 ちむどんどんレシピブック

  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2022/05/27
  • メディア: Kindle版

初週と数週前からの感想記事はこちら。
【感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第1週・第2週】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-05-10
【感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第22週】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-09-09
【感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第23週】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-09-18
【感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第24週】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-09-25



第25週(最終週)のあらすじです。
https://www.nhk.or.jp/chimudondon/
 暢子(黒島結菜)が沖縄やんばるに移住してから、毎日の畑仕事が楽しくてたまらない。和彦(宮沢氷魚)も、健彦(三田一颯)もここでの暮らしを満喫、歌子(上白石萌歌)は無事に智(前田公輝)と結婚した。暢子はさらに、地元野菜などを生かして、やんばるで食堂を開きたいと思いつく。そんな中、東京からフォンターナのオーナー・房子(原田美枝子)がやってくる。房子の用件は意外なもので…。そして順調に見えた比嘉家に、思いもしなかった大きなわざわいが…。

最終シーンで沖縄の海が静かに映されたのは
とても良かったです。
綺麗としか言いようのない美しさに見とれましたし、
私は沖縄に一度も行ったことがないので、
この目で是非見たいと強く思いました。

朝7時半からのBSプレミアムでの放送、
そして朝8時からのNHK総合(地上波)での放送と、
いつものように続けて二度視聴したものの、
良いと思った点はここしかなかったです。
これまで何度も何度も数えきれないほど
「私は何を見せられているんだ……」と
思わずチベスナ顔になってきたのと同じく、
この最終回も「なんだこれは」と思ってしまいました。
さすがちむどんどんの最終回だな!と
悪い意味で感心しました。
ちむどんどんの酷い点が
最終回にも集約していた気がします。



ちむどんどんの作り手が最も描きたかったのは、
主人公・暢子の成長や活躍ではなく、
家族の絆だったようです。
これについては最初から最後まで全くぶれず、
作品の問題の原点でもありました。
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「家族の絆」と言葉で改めて書いてみると
とても良いことのように思えますが、
作中では悪い方に働くばかりでした。
今までこのブログでも何度も書いてきたとおり、
比嘉家は最初の暢子の上京未遂事件からずっと、
「自分たち家族が幸せになるためなら、
周囲の人間が迷惑を被ろうともしったこっちゃない」が常で、
この「(私たちだけが)幸せになります!」との強い意思も
一貫していて、揺るぎないものになっていたことから、
ほぼ毎日、放送を見る度に、
「少しは他人のことも考えようよ……」と
呆れてしまっていました。

この最終週でも、製麺所のトラブルのせいで
暢子の身内が一致団結して頑張っていましたけれど、
そもそもこのエピソードが必要なの?と思いました。
その後に駄目押しのように描かれた
歌子が謎の体調不良で意識不明になったのも、
結局、歌子のために家族みんなが集合し、
海に向かって亡き父親を呼ぶのが大事だったので、
それ以外はどうでもよかったんだなと
嫌でもよく分かりました。
そこだけ印象深く放送できれば良かったからこそ、
歌子の病名は最後の最後まで明らかにされず、
目を覚ました後の彼女の回復ぶりも描かれず、
この十年は風邪もひかなかったという
乱暴な設定も付け加えられたんですよね……。
納得できました。

あと、病室で眠る歌子の腕に巻かれたマンシェットが
天地(上下)逆だったのも、
かなりびっくりしました。
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かつて暢子が卵焼きを巻きすで巻くシーンで、
上下でなく横にパタンパタンと折ったのを思い出しました。
最後までこういう乱雑な作りを視聴者に披露しているあたりが、
さすがちむどんどんだと思いました。
監修者さんを付けなかったんですかね。



話の舞台が現代(令和)になり、
暢子を含めた主要人物が老けメイクで勢ぞろいしたのは、
何のコントかと思いました。
しかも暢子は、白髪をちょっと足したぐらいで
顔に皺やシミが無いばかりか、
声も話し方も姿勢も動き方も若い頃のままだったので、
違和感がありまくりでした。
年齢を計算すると、
この時の暢子は七十歳手前ぐらいのはずですが、
若白髪がたくさん生えた暢子にしか見えませんでした。
女優さん側からNGを出されるのか、
老けメイクが少量の白髪を追加したのみというのは
他のドラマでもたまにあることなので、
それを非難する気はありません。
でも、老いを外見で表現することに制限がかかるからこそ、
黒島結菜さんには、
声の出し方なり話し方なり、
姿勢なり、手足の動かし方なりで、
老いた暢子をしっかりと演じてほしかったです。
ちむどんどんが始まる前は、
黒島さんは演技派だとの前評判を見聞きしていましたし、
実際、私もアシガールが大好きだったので、
彼女には期待を多大に寄せていたのですが、
知識の無さや練習不足からくる所作の拙さだけでなく、
できる演技の幅の狭さも実感してしまい、
本当に本当に残念です。



大里さん親子が登場した火曜日の放送だけは
ちゃんとしたドラマになっていて、
歌子の歌も含めて、
私にしては珍しく普通に感動できていました。
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それを受けて、
「水曜日以降の最後の数日は
ようやくまともな朝ドラになるのかな」と
薄ら期待していただけに、
製麺所のトラブルが発覚した際は
「やっぱりいつものちむどんどんだった!」と
裏切られた感がとにかく強かったです。
本当に、製麺所のトラブルも
歌子の謎の体調不良も不要でした。
最後は、普通にお店を開店させて、
身内のみんなが集まって和気あいあいと盛り上がり、
辺鄙な場所にもかかわらずお店が謎の繁盛っぷりを見せて
暢子に「ちむどんどんするさー」と言わせて終わるだけで、
良かったのに……。
最初から最後まで、
ひたすら期待を裏切られるばかりのドラマでした。



唯一、私がちむどんどんを視聴して良かったのは、
これまであまり興味を持てなかった山田裕貴さんを
見直したというか、
演技な達者な若手の役者さんとの認識を持てた点です。
序盤は、
優柔不断な博夫さんの言動がやたら不快だったので、
演じる山田さんまで苦手になっていましたが、
中盤以降は、彼が見せた自然な優しさも、
真っ当な叱り方も良く、
いかにも先生らしい言動だったと思います。
視聴中は、博夫さんが心の救いになっていました。
山田さんのこれからの活躍に期待していますし、
積極的に応援したいです。



終盤は、
作品に対して怒るのにも呆れるのにも疲れてきて、
Twitterに不満をぶちまけるのもできなかったのですが、
最後の最後まで酷いままで終わってしまい、
もう……本当に……何と言ったら良いのか……。
とりあえず、元気を貰うどころか
苛々させられてばかりの朝から解放されて嬉しいです。

出てくる料理の全てが美味しそうでなかったのも
印象的でした。
暢子が考案したカラキ入りの沖縄そばも
絶対的に汁が少ないですよね……。
撮影までに時間を要したせいで麺が汁を吸ったんでしょうか。
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そもそも暢子がやんばるで食堂を開いたのは、
安室のおばぁたちが、
昔ながらの土地の料理が消えていくのが残念だと言われて
暢子が共感したのが理由の一つであったはずなのに、
独自の新メニューばかりを打ち出す矛盾がもう……。

ちむどんどんではまずそうな料理ばかりが出てくる点が
映画の食堂かたつむりと同じだなと思っていたら、
その両方をオカズデザインさんが料理監修を務めていると知り、
やっぱりなと合点がいきました。
美味しそうとは思えない料理は、
作品にはデメリットしか与えないと思うので、
もう料理を主題とした作品には関わらないでほしいです。
これまで私は沖縄料理にも縁が無かったので、
いつか食べてみたいですし、
食べたら必ずこの朝ドラを思い出すはずなので、
今からその時がちょっと楽しみです。
「私がちむどんどんで見た沖縄料理と全然違う!」と
驚いて笑いたいです。



次の朝ドラ・舞いあがれ!は現代の話なので、
おそらくまたツッコミの嵐になるんだろうなと
悪い予感がしています。
とはいえ、さすがにちむどんどんを超える不快さは
そうそうあるはずがないと思うので、
今は楽しみにしている感情の方が強いです。
(実写のゆるキャンが好きだったので、
主演の福原遥さんのことも好きです)

毎週毎週、感想の内容が不満ばかりで
読んでいて嫌な気持ちになった人もいると思いますが、
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
お疲れ様でした!



次作の朝ドラの感想はこちら。
【感想:NHK朝ドラ「舞いあがれ」第1週:お母ちゃんとわたし *ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-10-07



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2022-09-30 13:27 
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