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感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第16週:御三味に愛を込めて*ネタバレあり [NHK連続テレビ小説感想]

NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「ちむどんどん」の感想です。
今回は以下の放送について記します。
第16週:御三味(うさんみ)に愛を込めて
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NHK連続テレビ小説 ちむどんどんレシピブック

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  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2022/05/27
  • メディア: Kindle版

初週と前週の感想記事はこちら。
【感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第1週・第2週】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-05-10
【感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第15週】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-07-23



第16週のあらすじです。
https://www.nhk.or.jp/chimudondon/
 暢子(黒島結菜)は、和彦(宮沢氷魚)との結婚を決めた。幸せいっぱいの二人だったが…。二人の結婚に立ちはだかるのは、和彦の母・青柳重子(鈴木保奈美)。暢子と和彦は、なんとか結婚を許してもらおうと説得を試みるが…。そんな中、暢子はある作戦を思いつく。

辛い戦争体験を優子から打ち明けられた際に
「幸せになるのを諦めないで」と言われたことが
比嘉家の子供たち四人の心によほど響いたのか、
急に皆が「うちは諦めない!」と言い始めました。
以前の感想記事でも何度か書いた通り、
この「ちむどんどん」では、
比嘉家の人々が自分たちの幸せを最優先した結果、
周囲の人間が多大に振り回され、迷惑をかけられるので、
今週のこの展開には
「少しは遠慮したり諦めたりした方がよくない?」と
苦笑いで諭したくなりました。



和彦と相思相愛になり、結婚も決まって、
うきうきとはしゃいでいる暢子の姿は、
「結婚なんて興味無い」と言って無理をしていた頃とは違って、
自然体で良かったと思えました。
しかし、智や愛さんに対して後ろめたさを感じたり、
身勝手な行動を反省したりするシーンが皆無だったので、
結局、自分のことしか考えていないんだなと思えてしまい、
好感を持つまでには至らなかったです。
智が逃げたせいで、対面での謝罪が叶わないのなら、
せめて暢子は手紙を書くべきだったと思います。

和彦の母・重子さんとの対面も、
想像していた以上に酷かったです。
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初めましての挨拶であり、
結婚しますという報告でもある時の手土産が
ビニール袋詰めのサーターアンダギーというのは、
やはりちょっと常識はずれだと思います。
せっかく銀座の名店(笑)にお勤めしているのだから、
近くの百貨店でお菓子を買えば良いのに……。
重子さんに「比嘉アンダギーさん」を言わせるコントを
どうしてもやりたかったのなら、
ちゃんとした手土産の他に、
暢子にゆかりのある沖縄の品として
サーターアンダギーを持たせる手もあったと思います。

暢子が重子さんに向かって
「うちの家族はみんな仲良しで、
心の底ではしっかりと結びついている大好きな家族です」
と言ったシーンは、
本来は視聴者が感動するところなのでしょうが、
全く響かなかったです。
逆に「比嘉家の人々は、自分たちだけが大事なのよね」と
気持ちが冷めました。



そして、暢子が毎朝、
出勤前に手作り弁当を届けに行く点には
恐怖すら覚えました。
自分のことや沖縄のことを理解してもらいたいという
暢子の望みは理解できますが、
受け取る側のことを全く考えていないその行動には
少しも共感できなかったです。
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好きじゃない相手からの手作り弁当の押しつけなんて、
本当に「いい迷惑」以外の言葉が見つかりません。
そんなものは食べたくないというのが一番の理由ですが、
お弁当は生ものなので、処分するのが面倒ですし、
何より食べ物を捨てるという罪悪感を抱かせられるのも
嫌です。

暢子を演じている黒島結菜さんが、
お箸の持ち方が時々変だったり、
包丁さばきがなってなくて
葉物をちゃんと切れていなかったりと、
料理人を演じるにあたって準備不足だった点は
これまでも度々見えてしまっていましたが、
今週は、卵焼きの巻きすを縦に使っていたことに
びっくりしました。
料理道具をどのように使おうと個人の勝手ですが、
私は横でしか使ったことがないので、
「え? 縦? 縦で使うことってあるの?」と
大変驚きました。
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黒島さんができなかったり知識が無かったりするのなら、
現場の撮影スタッフや編集スタッフさんが
少しは配慮してあげた方が良いと思います。



重子さんは、
きっと「和彦を偏愛する、子離れできていない母親」として
敢えて悪く描かれているように感じます。
しかしながら、
重子さんに悪く言われる暢子がまさにその通りで、
和彦との結婚を少しも喜ばしいと思えない分、
逆に重子さんを応援したくなっています。
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和彦は……
暢子との結婚を反対する母親に向かって
「母さんの子に生まれたことを後悔している」との
暴言を吐いた翌朝に、
何事も無かったかのように普通に話しかけていたので、
そこに矛盾を感じつつも、
割と現実でも、家族ならではとして
たまにこういうことがあるよねと思えました。
とはいえ、これはあくまで偶然で、
いつも通りの雑な脚本だとも思っています。

重子さんとの会話での和彦は、全般的に、
中の人の棒っぽい演技が悪目立ちしている気がします。
作品や役によっては、
その棒演技が自然体に繋がって良い場合もありますが、
この「ちむどんどん」では違和感しかないです。



さて、良子について。
博夫に頑張らせていた以前と違い、
今週は彼女も石川の家にちゃんと行っていた点に
成長が見られたと思います。
けれども、そこで不満そうにふくれっ面をする良子には
微塵も共感できませんでした。
嫁ぎ先に向かって
「やりたくないことはやりません。
でも、やりたいことは絶対にやります。
分かってもらえるまで、私は諦めません」
という主張を通すのは、
現代ならまだしも、
やはり昭和ではあり得ないと思います。

そして唐突に登場したおばあの鶴の一声により、
問題が全て解決した展開は、
全く面白くなかったですし、爽快感も無かったです。
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皆に御三味を褒めてもらえたのが嘘や気遣いだと気付けず、
目をきらきらと輝かせながら満開の笑顔で
料理も頑張る云々と言っていた良子にしても、
面白いどころか痛々しく見えました。
BGMや演出からして
ここは笑うべきシーンだったのでしょうが、
とにかく呆れるばかりでした。
くすりとも笑えなかったです。



歌子は、傷心の智とフラグが立ったようですが、
いつも歌子に気があるようなことを無意識で言う
(「おまえは特別」みたいな)智が嫌ですし、
それをまんざらでもない様子で聞く歌子のことも
好きになれないです。
それと、三線のお稽古中に
先生から「今日はここまで」と言われたのに、
急に鼻息を荒くして
「うちは諦めたくない!」との返事をした時は
グループレッスン中という状況を踏まえると、
ただの我儘にしか見えなかったです。
他の生徒さんも大勢いるんですから、
そこは先生に従ってほしかったです。
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制作側がどうしても歌子にも
「諦めない」の台詞を言わせたいんだなとしか思えず、
気持ちが白けるばかりでした。
そもそも、状況と台詞が合っていなかったです。
先生に、三線の練習そのものや、
姉の披露宴での演奏を諦めろと勧められたなら、
歌子が「うちはまだ諦めたくない」と反論するのも自然ですが、
たかが一回の練習を早々に打ち切られただけで
(しかも過度の緊張のせいで、
いつもの実力を出せなかっただけ)
歌子がこう言い返すのは、大げさでした。



金曜日の放送で、
重子さんがようやく暢子のお弁当に手を付けたものの、
まだ暢子を見直して結婚を許すまでにはいかず、
このままもうちょっとトラブルが続くようで……。
でも結局、重子さんが観念して
「結婚を認めます」という流れになるはずですし、
暢子がああだこうだと自己主張を続けた結果、
大人な対応ができる周りが先に折れてくれて、
暢子の願いが叶う→諦めないで良かった!になるのかと思うと、
頭が痛いです。
しかも今度は、せっかく退場できそうだった矢作さんが
チンピラになって戻ってくる……?
暢子たちの評価を上げるために
矢作さんをわざと下げる内容になるのは
ちょっと安易すぎると思います。



続きはこちら。
【感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第17週:あのとき食べたラフテーの*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-08-05-1



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2022-08-02 12:09 
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