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感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第14週:渚の、魚てんぷら*ネタバレあり [NHK連続テレビ小説感想]

NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「ちむどんどん」の感想です。
今回は以下の放送について記します。
第14週:渚の、魚てんぷら
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NHK連続テレビ小説 ちむどんどんレシピブック

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  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2022/05/27
  • メディア: Kindle版

初週と前週の感想記事はこちら。
【感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第1週・第2週】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-05-10
【感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第13週】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-07-08



第14週のあらすじです。
https://www.nhk.or.jp/chimudondon/
 暢子(黒島結菜)は、和彦(宮沢氷魚)、智(前田公輝)、愛(飯豊まりえ)らと濃密な1日を過ごしてから、何か吹っ切れたように元気に働いていた。だが暢子の思いをよそに、智は暢子に思いを告げようとして、それぞれの恋愛模様は大きく動き出していく…。そんな中、沖縄やんばるの比嘉家では、優子(仲間由紀恵)にとある騒動が巻き起こる。

数週前から「もしかして」と思っていましたが、
暢子と和彦と智の言動がいちいち不快すぎて、
その前まで最も不快だった賢秀のシーンが
今や癒しになっている気がします。
朝ドラに躾けられている……というか
苦しくて辛い修行のステージが上がるというのは
こういうことか!と、
変に納得してしまいました。

石鹸売りの女性に続き、
東北出身の女性にも振られて
やっぱり養豚場の女性とくっつきそうな賢秀。
彼がクズ男であるのは相変わらずですし、
本当に本当に嫌いで見ていられないのですが、
それ以上に暢子たちのシーンが不愉快すぎて、
まだマシだ……と思ってしまっています。



今週の放送で特に嫌だったのは、
おそらくほぼ全ての視聴者がそうだったでしょうが、
暢子が智のプロポーズを断ったシーンです。
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以前から智からプロポーズされまいとして
あれこれと話を誤魔化し、
必死になって逃げていた暢子。
智がちゃんと気持ちを告げようとするたびに
「あ、そういえば……」と関係無い話題を始めて
彼の会話を無理に遮り、
告白する機会を無情に潰してきましたが、
今回いきなり「あんたのそれは友情!」と言って
智の思いを全力で全否定してきたのには
私も唖然としてしまいました。
智に友情しか感じていないのは、暢子の方ですよね。
どうして暢子は智の気持ちをしっかりと受け止めた上で、
「ありがとう。
でもごめん、私は智を友達にしか思えない」と言って
断れないんでしょうか。
優子曰く、暢子は子供の頃から
「ありがとう」と「ごめんなさい」が
大きな声で言える人なんですよね。
暢子はそういうキャラクターなのだと、
わざわざエピソードまで作って仕立て上げたのだから、
その設定を生かすような言動をさせれば良いのに、
何故それを無視するんでしょうか。

暢子が智の恋心に気付いたきっかけが
早苗の言葉だったとはいえ、
それ以降は、他愛のない日常の中で
智から向けられる愛情を嫌というほど実感していたはずです。
特に、智から
「店が軌道に乗ったら俺の話を聞いてほしい」
「沖縄に帰ったら、優子に挨拶をする」と言われた時に、
暢子は明らかにその発言の意味を知っていたのに、
戸惑いつつも断らず(断れず)、否定もせずに、
無言で頷いて応じていました。
結局、暢子は、はっきりきっぱりと断ることで
自分が悪者になるのが嫌だったんですよね。

暢子が自分の気持ちだけを大事にする人だと思えば、
智の気持ちを一方的に否定して話を逸らすなんてことは、
平気でできて当然なのかもしれません。
でも、それを主人公の行動として見せられても、
視聴者の私は彼女に対して共感も同情もできません。
「何なんだ、こいつ……」と呆れるばかりです。

プロポーズの直後に
智が感情を思いきり爆発させた発言にしても、
元はと言えば、暢子がさっさと彼を振らなかったせいで
彼の中で気持ちが暴走した結果であるのは明白です。
それで暢子は困る羽目になっていましたが、
まさに自業自得でしょう。
智の、暢子の全てを欲するような言い方は、
確かに乱暴で、自分勝手でしたが、
ここで暢子が逆ギレするのは筋違いだと思います。
とにかくもう……このプロポーズのシーンは、
「この期に及んで暢子は何を言っているんだ」と、
耳を疑いました。
智は、言動だけでなく表情も気持ちが悪くて、
演じている役者さんには申し訳ないのですが、
特に暢子をニヤニヤと見る彼は見ていられなかったのに、
このプロポーズを断られるシーンだけは
彼が可哀相だと思えてなりませんでした。
本当に本当に、
徹頭徹尾、自分だけが大事という暢子が
ただただ不快でした。



暢子を見ているだけでも本当に嫌なのに、
不快感をより増長させていたのが、和彦です。
愛さんとの会話での和彦は、
最後まで彼女の話を聞こうとしませんでしたね……。
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愛さんが大事な話をしようとすると、
何故か和彦がそれを遮って勝手に話し始め、
物分かりの良い愛さんが黙って聞くという流れは、
自分のことしか考えていない和彦の身勝手さが
よく表れていたと思います。
暢子といい和彦といい、
どうしてそんなに自分しかいないんでしょうか。
どうして他人を遮ってまで、
すぐに「私が」「俺が」となるんでしょうか。
尤も、暢子については、
比嘉家の全ての人にそういう感じがあるので、
彼女もそうであるのは必然なのかもしれません。
でも相手から先に話しかけられた時ぐらい、
ちゃんとそれを優先して聞きなよ……と思います。
相手の話を遮って自分が話し出すのが
とても失礼な行為であるというのを、
暢子も和彦も分かってないように見えます。

相撲大会に参加する智が
もし優勝できたら暢子にプロポーズするつもりだと知って、
不快になり、変に焦って、
暢子への恋心をようやく自覚したらしい和彦。
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見ていて「何を今さら……?」と思いましたし、
和彦の本心を知って涙ぐむ愛さんがとにかく可哀相で、
とても彼の恋を応援する気にはなれなかったです。

今週の愛さんは、
ずっと諦めモードでいるように見えました。
独特な派手な服もちゃんと着こなしていて、
清楚な感じの美人さんだった分、
悲しそうに淋しそうに和彦や暢子を見つめている姿が
非常に印象的でした。
和彦に渡した最後の手紙でも、
実際は心変わりをした彼に非があるのに、
彼を責めることは一切せず、
逆に、自分が悪かったと書いていて、
このドラマでは珍しく大人な対応をする愛さんには
感心するばかりでした。
智が逃がした魚は大きいですよね。
もし今後、和彦が暢子と付き合うようになったとしても、
愛さんがあまりにも出来過ぎた人だったので、
和彦が暢子に不満を抱く度に、
「愛はこんなことしなかった」や
「愛はそんなふうに言わなかった」という感じで、
愛さんといちいち比較して
ねちねち文句を言いそうだとも思いました。

作中では今後も描写は無いでしょうが、
和彦は愛さんの両親にちゃんと詫びに行って、
思いきり詰られてボコボコにされてほしかったです。
非常識な和彦が辛い思いを一切しないで済んでいるのは、
ちょっと納得がいかないです。

失った恋にしがみつくことなく、
仕事に生きがいを見出した愛さん。
これから絶対に幸せになってほしいですし、
愛さんなら絶対になれると信じています。
嫌いな登場人物ばかりの中、愛さんだけは、
彼女を演じた飯豊まりえさんも含めて大好きでした……!!
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物分かりの良い愛さんが進んで身を引いたことで、
晴れてフリーとなった和彦。
早速、暢子に「好きだ」と告白していましたが、
まぁ応援できないです。
暢子も暢子で、
「恋愛感情に鈍くて奥手」設定がまだ生きているのか、
とっとと「うちも好き」と言えば片付く話なのに、
来週からの母親の過去や再婚話に絡めるようで……
もう、なんと言ったら良いのかが分かりません。



智は暢子に「俺がおまえを幸せにする」と言っても
暢子から「うちは自分の力で幸せになる」と返され、
二人の気持ちのすれ違いが伺えましたが、
これが歌子なら「しんけん? ありがとう」と
素直に好意を受け止めてもらえると思います。
あそこまで熱烈に暢子を好きだった智が、
この先、急に歌子に気持ちを変える展開になるのは、
勿論、気持ちが悪くて違和感もあるのですが、
「智は歌子を幸せにすることで、
自分も幸せな気持ちにさせてもらえば?」とも
思えています。
とにかく暢子が最低最悪すぎるので、
次の恋の相手は誰でも良いから、
智は彼女から離れるべき……という心境です。



そういえば、
週の始めに登場したフォンターナの常連客の話も、
大変酷かったです。
暢子がフォンターナで働き始めてから
六年? 七年?が経つのに、
その常連客については全く知らず、
特別な料理を出すという大事なことも
事前に教えられていないだなんて、
不自然極まりなかったです。
たまたまこの日だけ朝礼をやらなかったんですかね。
しかも、娘の誕生日に、
亡き母との思い出の店で特別な料理を食べている最中に、
父親が再婚話を唐突に始めただけでなく、
その相手は母の世話をした看護師……だなんて、
デリカシーが無さすぎました。
その後に娘がそれを受け入れた話も含めて、
「なんだ、これは」と呆気に取られました。
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これまでの、
暢子を始めとする主要人物たちの傍若無人な言動と、
呆れるばかりのストーリー展開を踏まえれば、
そういう話を平気で作ることができる制作側が
この再婚話を「感動エピソード」として出してくるのは
当然と言えばそうなのでしょうが、
ちょっと常識を疑うレベルの酷さでした。

暢子が娘さんに出した誕生日のケーキも酷かったです。
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これ、スーパーで売られているスポンジケーキと
生クリームとベリーの詰め合わせを使って、
慣れないママが頑張って作りましたというレベルですよね。
せめてイチゴを使ってほしかったですし、
ケーキとお皿の大きさが合っていないのも
素人臭くて安っぽいです。
これが銀座で一流のイタリアンレストランで出される
特別なドルチェか……と思うと、
苦笑が漏れました。
家庭での手作り感が満載すぎます。
せめてケーキの側面にもきれいにクリームが塗られていたら、
少しは見た目がマシになったはずですが、
きっとオカズデザインさんの腕ではできなかったんだろうなと
冷めた目で見ました。



次週は、暢子の帰省に
母親の再婚話、そして両親の過去が主だそうです。
もう、ストーリーには全く期待していないので、
暢子はいつになったらちゃんと髪を結ぶのか、
お箸を正しく持てるようになるのか、
包丁を料理人らしく使えるようになるのか、
食べることが大好きだという設定どおりに
美味しそうに食べられるのかを、
注目するべき点として、気にしています。

特に物を食べるシーンについては、
イカの刺身を食べるシーンなのに
暢子は何故かツマだけを食べて「美味しい」と言ったり、
ワカメを口からペロッと出したり、
今週の放送でも、あーんと大口を開けたのに
肝心のサーターアンダギーはちまっと齧るだけで済ませたりしていて、
ちょっと見苦しいです。
どれも美味しそうには見えない食べ方だったので、
黒島結菜さんのやる気を感じられず、
女優としての姿勢を問われても仕方が無いと思います。
当初は、こんな作品のヒロインだなんて
黒島さんも運に恵まれなかったなと思っていましたが、
今は残念ながら、
どっちもどっちだなという感想に変わっています。
手を不用意にバタバタと動かしたり
その場でぴょんぴょん飛んだりするのも、
暢子の年齢を考えると非常に子供っぽいので、
黒島さんでも演出の担当さんでも
脚本家さんでもプロデューサーさんでもいいので、
その狙いを文章で教えてほしいです。
どうしてこんなに暢子を嫌われるキャラにしたのかが
本当に不思議でなりません。
ここまで作り手・演じ手から愛を全く感じない役というのは
珍しいと思います。
どうにかまともな方向に立て直すのがもう無理なら、
せめて各々から言い訳を聞きたいです。



続きはこちら。
【感想:NHK朝ドラ「ちむどんどん」第15週:ウークイの夜*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-07-23



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2022-07-15 12:13 
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