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感想@NHK大河ドラマ「青天を衝け」 [NHK大河ドラマ感想]

NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の感想です。
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大河ドラマ青天を衝け 完全版 第弐集 ブルーレイ BOX [Blu-ray]

大河ドラマ青天を衝け 完全版 第弐集 ブルーレイ BOX [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2021/12/17
  • メディア: Blu-ray


最初から最後まで非常に楽しい大河ドラマでした。

私は子供の頃から日本史が好きで、
大河ドラマも割と見る方なのですが、
一番好きな戦国時代と比べると、
幕末は(私の興味が新撰組に特化するせいで)
少し熱が薄れてしまいます。
加えて、
近代となると急に興味が無くなってしまうので、
この「青天を衝け」についても、
果たして最後まで視聴できるのかなと不安でしたが、
杞憂に終わりました。
毎週毎週、とても面白かったです。

渋沢栄一については、
以前、次の一万円札になると決まった際に
伝記などを少し読んでいます。
「近代日本経済の父」という二つ名の通り、
彼は日本が誇る有名人ですので、
多くの逸話が残されていました。
前作「麒麟が来る」の主人公・明智光秀には
若い頃の資料が全く無いのを思うと、
物語を作る上での状況が逆で、
あれだけ多くの逸話があるとなれば
取捨選択が大変そうだと思いましたが、
大変上手にまとめられていたと思います。
全体的に栄一が聖人すぎるとは感じたものの
これについては今作に限ったことではなく、
大河ドラマあるあるの一つですので、
不快にはなりませんでした。
寧ろ、がむしゃらに生きる栄一を追ううちに、
あっという間に最終回を迎えたという感じでした。
こんなに出来が良い大河に限って
例年より放送回数が少ないというのが、
本当に本当に残念です。
第40回と最終回(第41回)において
放送時間が15分延長されたのは救いでしたが、
欲を言えば、最低でも、
全45回ぐらいで見たかったです。



栄一が強い信念を持つ熱い人物だっただけでなく、
ちゃんと努力家で、
そんな彼を時代も求めたという
劇的な人生が素晴らしかったのは勿論ですが、
それに花を添えた周囲の人物の描写も
大変良かったです。
特に、血洗島の人々は魅力的で、
栄一の父である渋沢市郎右衛門が亡くなった回は
私も本当にショックでした。
栄一が幕臣となってからも目が離せず、
徳川慶喜公と平岡円四郎の微笑ましいやり取り
(飯の盛り付けや髷の結い方など)は、
作中屈指の名シーンだと思っています。

個人的には、
慶喜公が戊辰戦争時に
大阪城から密かに退去した件が許せず、
彼のことが嫌いだったので、
今作で初めて彼を好ましいと思えたのが、
かなり意外でした
(慶喜公は栄一が慕う人物なので、
そのように描かれるのは当然のことですが)。
強烈すぎる個性を持つ実の父親との関係、
不遇と呼べてしまう処遇、
そして歴史に残る大きな決断、
影に徹したその後の人生……と、
一つの出来事だけで嫌うのは勿体ない人物だと
私もようやく気付くことができましたので、
いつかちゃんと彼について学びたいなと
思うまでになれました。
今はとりあえず、
本木雅弘さん主演の「徳川慶喜」を見たいです。



特に好きだったのは、
上記の慶喜公と円四郎の和やかなシーンですが、
栄一で言えば、
彼と慶喜公が峠で並んで立ちションをするシーンです。
ここ、二人ともまだ相手を知らない頃で、
記憶にも残っていないでしょうから、
結果的に視聴者だけが知る出来事となっているのが
理由です。

あと、記憶に強く残っているのは、
栄一が喜作と一緒に全力で走るシーンです。
なので、最後の最後が
若い頃の二人がそうしているシーンで締められたのは、
むちゃくちゃ感動しました。
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他にも、血洗島時代の栄一の中で、
みるみるうちに商いの才覚が出てくるのも好きですし、
幕臣となってから目覚ましい活躍をするのも好きです。
(パリ訪問では、民部公子が麗しくて素敵でした)
御一新が成ってからは、
日本のインフラを作って整えるくだりも、
三井組や三菱商会とバチバチやり合うところも
実に面白かったです。
栄一たちが「郵便」と名付けるくだりは、
私も見ていて「おお……」と声が漏れました。
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そして、絶対に挙げておかねばならない
徳川家康公!!!
彼が案内役として置かれたのは絶妙でした。
日本人なら誰でも知っているという
家康公の絶対的な知名度だけでなく、
徳川幕府の最後の将軍となった慶喜公との対比もあって、
客観的な立場で視聴者をこの作品の中に誘う役は、
本当に最適だったと思います。
家康公は神様として実際に祀られているので、
リアル「神の視点」になっていたのも
良かったです。



見ていて面白かったドラマというだけでも
既にもう十分なのですが、
この作品の最たる功績は、
「渋沢栄一が新一万円札になるに相応しい人物だ」と
視聴者に知らしめ、納得させた点です。
以前なら、その名を聞いてもぴんとこなかった人が
多かったはずですが、
今なら「あぁ、あの渋沢栄一」となるでしょう。
その一万円札を実際に見たら、
主演の吉沢亮さんの顔を脳裏に浮かべたり、
その活躍や功績を思い出したりすると思います。
渋沢栄一への理解を無理なく深められた件については、
制作陣に対してもうもう感謝しかないです。
本当に楽しいドラマを、
そして役立つドラマを作ってくださり、
ありがとうございました。
大好きです!



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2022-01-07 14:24 
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