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感想@アニメ「さんかく窓の外側は夜」第11話:対峙*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ「さんかく窓の外側は夜」の感想です。
今回は第11話「対峙」について記します。
以下の記述には、先の展開を含むネタバレがあります。
原作の漫画については読了済みです。
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「さんかく窓の外側は夜」ドラマCD1

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  • アーティスト: V.A.
  • 出版社/メーカー: エイベックス・ピクチャーズ株式会社(Music)
  • 発売日: 2021/12/24
  • メディア: CD

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第11話「対峙」のあらすじはこちら。
https://sankakumado-anime.com/
 実の父親である先生と対峙した三角は、先生が殺人者だということ、そして自分を殺したいほど憎んでいることを知り、絶望から力が暴走しそうになる。三角の暴走を止めるため、英莉可は半澤に力を借りて、三角と先生のいる空間までの道を作ろうとする。
 そんな中、迎は冷川を助けるために、先生の作り出した空間の中に逃げ込む幼い姿の冷川に言葉をかけ続ける。

囚われた冷川さんを助けるために、
三角くん一行が”先生”の自宅に入ってからのお話でした。

諸々の事件の原因であり、
冷川さん救出のために倒す必要がある”先生”が、
実は失踪中の自分の父親だと
当人から直に聞かされたことにより、
三角くんは絶望に苛まれます。
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心の防御力が低下したことにより、
”先生”から受ける呪いの効力が増しました。

この辺は、もう、”先生”が人間の屑過ぎて、
あまり語りたくないです。
きっと”先生”は元から心が弱い人だったんでしょうし、
他人に積極的に相談するタイプでもないようなので、
周りが見えていないのに一人で闇雲に突っ走った結果、
耐えがたい孤独と嫉妬に苦しめられてしまい、
全てをひたすら呪って生きてきました。
まさにこれは、
一度入ったら出られない家にいる呪いが
かつて三角くんに話していたことそのもので、
彼は彼女と同じく、
誰かを呪うことでしか生きられなかった人でした。
それでも、彼女には割と好感を持てたのは、
そうであるとの自覚が彼女の中にちゃんとある点と、
対象があの家(血族)に限定されているからでしょう。
(加えて、変に達観したところがあるのも好きです)
ただただ人が憎い、
幸福を壊したいとの欲で呪ってきた”先生”は、
言わば全てを対象としているのでたちが悪いです。
また、三角くんが自分の子供だと知った上で呪い、
絶望を見せようとしたのは、
人でなしのすることだなと思いました。
文字通り、心がもう人間ではなかったです。



そんな三角くんの窮地を救ったのは、
逆木さんの発言を元に名案を閃いた英莉可ちゃんでした。
彼女はその結界の中にある死人の力を借りると、
外にいる半澤刑事を含めた皆を繋ぎます。
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半澤刑事、本当に空気清浄機なんですね。



”先生”による呪詛は続きます。
彼は、自分と血が繋がっているとの言葉で
息子の心を更に傷付け、
より深い所に落とそうとしますが……。
三角くんは「血しか繋がっていない」として
その言葉を跳ね除け、
”先生”を祓いました。
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ここはもう、我らが三角くんの圧勝で、
原作の漫画を初めて読んだ時もスカッとしました。
これまで母親から深く愛されてきただけでなく、
自身も同様に母親を深く愛し、
周囲の人々とも関わって生きてきた三角くんの中には、
心の在り方の基本というか、
確固たるものがきちんと築かれているので、
今さら”先生”に血の繋がりを挙げられたところで
気持ちが揺らがないどころか、
却って強固になったのが、良かったです。
それは、昔から恵まれない環境にあった
(しかも途中からは自ら望んでそうした)”先生”には、
どう頑張っても太刀打ちできない強さで、
”先生”がちょっと可哀相に思えました。

あと、ここでは、
三角くんがちゃんとフルネームを口にして、
自分の能力にバフをかけているのも、
大変良かったなと思います。
三角くんの見せ場だけあって、
この時の彼は非常に力強く、頼もしく、
まさにヒーローでした!



”先生”の呪いの力が消えたことで、
彼が自らに科した戒めも無くなり、
かつて失ったものを嫌でも思い出す羽目になりました。
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幼い三角くんを抱いた若い頃のお母さんが
にこっと笑うシーンも良かったけれど、
個人的には、やはり、
この宝石箱のエピソードの補足が特に好きです。
”先生”は、三角くんを本気で地獄に落とそうとした
ひどい親だけれど、
精神が安定していてまだまともだった頃は、
親としての愛情を
人並みにちゃんと息子に向けられていたのだと
実感できるからです。
前回の感想と重複しますが、
過去の彼によるおまじないが未来の息子を護り、
今の彼を倒すための力となったというのが、
たまらないです。

自分が大事なものを失ったという事実と
否が応でも向き合うことになった”先生”。
でもこれは彼だけが味わう苦しみではなく、
作中の人物たちも、現実の私たちも、
多かれ少なかれ経験することです。
それに長く囚われてしまったり、
時間に解決してもらったり……と、
辛さの度合いや解決法の有無、種類などは、
人によって様々ですが、
”先生”が心穏やかに過去を振り返られる日が
いつか来ればいいなと思っています。



さて、”先生”の呪いの力の消失により、
皆がいる空間も危なくなってきました。
三角くんは、
逆木さんの力を借りて冷川さんの元に向かいます。
入れ替わりに、引き戻される迎くん。
周囲に生えている呪いの数が、ヤバいヤバい。
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迎くんが咄嗟に、
三角くんの体にカラビナを付けるあたりが
さすがでした。



助けてもらえなかった自分というものに、
やたら囚われている冷川さん。
実際に地下室に閉じ込められていた幼少期は、
それが異常だという認識すら持てなかったので、
現状への不満を覚えるだけで済んでいましたが
(それでも尋常でなく辛かったでしょうが)、
自分を全肯定してくれるはずの運命の相手、
しかも普段から人助けを積極的にしている人物に
自分が助けてもらえなかったのだから、
冷川さんが絶望するのは当然かもしれませんし、
彼は自分の運命ではなかったかもしれないと疑うのも
自然のことなのかもしれません。
でも当の三角くんにしてみれば、
状況的にそうせざるを得なかっただけで、
冷川さんを見捨てたつもりは微塵も無いという
二人の根本的な考え方の違いが、
もどかしいというか、面倒臭いというか、
三角くんは本当に大変だよねと同情したくなります。



ようやく三角くんが助けに来ましたが、
彼を待っていたはずの冷川さんは、
この事態にひどく怯えます。
冷川さんにとって三角くんが特別で、
何よりも大事な存在だからこそ、
彼だけには自分の嫌なところを見せたくないんですよね。
かつての”先生”も、三角くんのお母さんには
自分の力のことを全く語らなかったらしいあたり、
当時はこんな気持ちだったのかなと思います。
もし本当の自分を彼女に知られたら
嫌われるかもしれないとの恐怖から、
”先生”は何も言えず、
当然、相談もできなかったんですよね。
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足元が崩れ、落ちていく冷川さんに向かって、
反射的に手を伸ばす三角くん。
手が届かないと分かっていても
助けようとせずにはいられないという彼の本質が、
ここでもちゃんと出ていました。



次はとうとう最終回ですね!
もうテレビでの最速放送はとっくに済んでいて、
ネットでの公開も開始されていますが、
私はこの感想記事を書き終えてからと思っていたので、
まだ視聴していません。
結末は既に分かっているとはいえ、とても楽しみです。



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2021-12-21 23:17 
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