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感想@NHK朝ドラ「おかえりモネ」最終週:あなたが思う未来へ*ネタバレあり [NHK連続テレビ小説感想]

NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」の感想です。
今回は、以下の週の放送について記します。
最終週(第24週):あなたが思う未来へ
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連続テレビ小説 おかえりモネ なないろ

連続テレビ小説 おかえりモネ なないろ

  • 作者: 藤原 基央
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2021/05/25
  • メディア: ペーパーバック

初回と前回の感想記事はこちら。
【感想「おかえりモネ」第1週:天気予報って未来がわかる?】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
【感想@NHK朝ドラ「おかえりモネ」第23週:大人たちの決着】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-10-22-1



最終週:あなたが思う未来へ
 菅波(坂口健太郎)がついに気仙沼へやってきた。たまたまその場にいあわせた亮(永瀬 廉)は、菅波にある問いを投げかける。
 そして、いよいよ百音(清原果耶)は菅波を家族に引き合わせようとするが、耕治(内野聖陽)はなぜか出かけてしまっていた。そんな中、未知(蒔田彩珠)も亮と気持ちを確かめ合い、前へ進もうとしていたが、東京の大学に行くかどうか、心を決められずにいた。百音は、未知の思う通りに進んでほしいと願い、その背中を押そうとするが…。

最後まで「おかえりモネ」らしい作りだったと思います。
主要人物がそれっぽい台詞を吐くものの、
実は大したことは言っておらず、
感動で満ちるのはテレビの中ばかりで、
テレビの外にいる私はすっかり置いてけぼりでした。



まず、菅波先生のモネちゃん宅へのご挨拶について。
菅波先生の気仙沼入りの予定が夜だったなら、
そのまま彼に近辺のホテルに泊まってもらい、
挨拶に行くのは次の日になってからでもいいのではないかと
思いました。
夜に婚約者の家に行って結婚の挨拶をして、
そのままそこに泊まるというのは、
心理的なハードルが高く、
菅波先生の緊張や気苦労が大変そうだと
勝手に懸念しました。
(しかも、すぐには結婚しないという挨拶でしたし)
どうも菅波先生は都合よく忙しくなる人なので、
前日は非常識レベルで早く来ることはできても、
次の日は早々に出発しなければならなかったのかもしれませんが、
違和感が強かったです。

しかもこのドラマでは、
菅波先生を迎える永浦家もとても非常識で、
父親は挨拶から逃げて酒を呑みに行ってしまうわ、
祖父もそそくさと退場してしまうわ、
一番の味方である婚約者は、
自分を残して勝手に部屋をバタバタと出ていくわ、
唯一残ってくれた母親は、「私も同じ」と言って
島の外から来た人が味わう疎外感を強調してくるわ……で、
私は見ていて呆気に取られました。
これ、菅波先生が、
自分は永浦家の人々から嫌われているのでは?と誤解しても
おかしくない状況ですよね。
特に、耕治さんの不在&酔っての帰宅の描写は、
やる意味が全く無かったと思います。
少しも面白くなかったですし、
永浦家の全員が菅波先生に失礼すぎて、
不快感が募りました。
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いつも気になっていたのですが、
コタツの掛け布団のサイズはこれでいいのでしょうか。
かなり短くないですか?
永浦家は最後まで玄関が登場せず、
縁側が玄関代わりになっていたのも含めて、
セットや小道具が雑だと感じることが多かったのですが、
スタッフさんにしてみれば、
これらもこだわりの演出の一つなんでしょうか。

すぐ上の画像にあるテーブルに並べられた料理も、
酷かったです。
モネちゃんは、かつて菅波先生自身から
彼が牡蠣に三度も当たっていると聞いていて、
お祖父ちゃんもそれを知っているはずなのに、
彼へのもてなしとしてお皿山盛りの牡蠣を出すあたりが、
ちょっと信じられなかったです。
東京で永浦家の男性二人が菅波先生と初めて会った際に、
耕治さんが彼に牡蠣を無理に食べさせた時は大丈夫だったから、
モネちゃんは今回も平気だと思ったのでしょうか。
(そもそも、この時の描写も酷かったです……)
それとも、永浦水産の牡蠣は新鮮で安全だから、
他の牡蠣が駄目な人でも絶対に当たらないとか?
この食卓を見た時は、本当に驚きました。
永浦家の人々は、
次の日に仕事で東京に戻る予定の菅波先生が
もし牡蠣に当たって体調を崩したらどうしようといったことを
一切考えていないんですね……。
まるで、いじめを見せられているようで、
これを良しとしたスタッフさんの神経を疑います。
もし私が菅波先生だったなら、
涙目で「もう帰る」と言って席を立つレベルの不快さです。



菅波先生はたしか呼吸器外科が専門とのことで、
この挨拶の後、彼は東京に戻って
新型コロナウィルス関連の治療で奔走するのでしょうが、
ドラマの内容が現実と全てリンクしているとは限らないので、
具体的な説明が少しはあった方が分かりやすいと思いました。
そうでないと、最終回で菅波先生がモネちゃんに発する
「二年半も会ってなかった」云々の台詞が生きないです。
実際、遠距離恋愛の辛さといった実感は、
全く感じなかったですし。



みーちゃんとりょーちんの恋の成就も、
私の中では全く盛り上がりませんでした。
結局、みーちゃんの粘り勝ちになってしまったのが、
ストーカーの勝利を見せられているようで、
気持ち悪かったです。
狭い喫茶店の中で、他のお客さんもいるのに、
二人がいちゃいちゃしているのも不快でした。

そのみーちゃん。
まさか最終回まであと二回というところで、
大きな秘密の暴露があるとは思ってもみませんでした。
しかも、モネちゃんに話すだけで
あっさりと解決する呆気なさ……!!

震災時にみーちゃんが実は一人で逃げていた件については、
田舎特有の、普段からのご近所の親密度の高さを思えば、
それに気付いていた人はいたのでは?と思えました。
みーちゃんがここまで一人で秘密を抱える羽目にせず、
亜哉子さんが「実はご近所さんに聞いて、知ってたのよ」と言って
みーちゃんと一緒に泣いてほしかったです。
また、少し前に、
亜哉子さんが「私、家族のことを考えてた」と
ごく当たり前のことを悲壮感たっぷりに告白したのを踏まえると、
どうしてこの時に続けてみーちゃんの件をやらなかったのかが、
とても不思議です。
震災の件は、もう十年が経過した今でも、
残りたった数回で扱える程度の話題ではないと思います。
案の定、深く突っ込むことをせずに
軽く触って終わりにしていたのが、勿体なかったです。

あと、みーちゃんのトラウマの原因がお祖母ちゃんなら、
お祖母ちゃんはモネちゃんの傍にいないで、
みーちゃんの傍にいてあげてほしかったです。
最終回直前で、みーちゃんの心の問題がぶっこまれたせいで、
ドラマ全体のぐだぐだ具合が更に増したと感じました。
最後はすんなり東京に行かせてあげたかったです。



唯一良かったと思えたのは、
りょーちんが買った船のお披露目のシーンでした。
及川家の親子二人が見せたとびきりの笑顔に、
私の荒んだ心も癒されました。
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新次さんが最後まで船に乗らなかったのは残念だったものの、
「乗らない」という選択は敢えてのものでしたし、
何より、彼が明るい笑顔で息子を見送ることができていたのが
良かったです。
ホッとしました。
でも永浦家の大人たちが、
りょーちんの晴れ舞台を見に行かないのは、
ちょっと薄情だと思いました。
たとえそれが、
「親しい友人の息子の晴れ舞台でも
わざわざ牡蠣養殖の仕事をしに行く方を選ぶというのが、
永浦家の男二人の決意の表れ」という意味だったとしても、
私の中では及川家に失礼だと感じる方が強かったです。
おそらく役者さんのスケジュールの都合でしょうが、
大事なシーンだっただけに、なんとかしてほしかったです。



そして、モネちゃんとかつての同級生たちの集まり。
楽器ケースに入れられているのは、当然、楽器ですよね。
みーちゃんが「何か入っているかもよ」と言っていましたが、
もし違うものが入っていたらびっくりです。
そして本当に、
楽器と一緒に学校のプリントまでしまわれていたので、
私は昔のモネちゃんみたいに口が開いたままになりました。
楽器をしまう際に、あんなふうに紙を中に入れておくなんて、
子供でもあり得ないと思います。
ちょっと信じられない。
そんな雑な楽器の扱いをする生徒が、
一度は本気で音高を目指していただなんて、
おかしすぎて頭が痛くなりそうでした。

そして題名「おかえりモネ」の回収は、りょーちんでした。
私が脚本家なら、違う人に言わせて話を締めます。

そういえば、この最終週に入ってから、
OP曲が最後に流れることが何度かありました。
あれは最終回にやるから効果的なのであって、
途中の曜日でやられても意味が無いと思います。
むしろ、もう残りは放送せずにここで終わっていいと、
その度に思いました。



さて、その後にあった菅波先生との再会シーン。
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作中ではコロナ禍が一段落したようで、
久し振りに婚約者と会えて良かったねと
私も素直に思いましたけれど、感動はしませんでした。
最後ぐらい、回りくどいばかりの変な台詞は無しにして、
それぞれの気持ち(恋心)を素直に、
もっとはっきりと相手に伝えてほしかったです。



放送が始まるまでは、私も、
震災復興と気象予報士のドラマという触れ込みを信じていました。
実際には、震災関連の深刻な話は脇役に全振りで、
主人公は自分勝手なトラウマ
(しかも大したことじゃない)をアピールする程度で
終わっていました。
気象予報士については……
主人公にとって大事だったのは
テレビのお天気お姉さんになることだったようなので、
その踏み台として気象予報士の要素が必要程度だったのが、
非常に残念でした。
しかも主人公が地元に戻ってきてからは、
別に彼女が気象予報士にならなくても良かった内容で
話が展開されており、
目も当てられなかったです。
この内容で、これを気象予報士のドラマと呼ぶことには、
強い抵抗を感じます。
気象予報士のドラマだと言い張るなら、
主人公にはもっと空を見てほしかったです。
東京編以降は、主人公が空を見上げる描写すらなく、
何度も「本当に気象予報士?」と言いたくなりました。

そして、もう何回も書いてきましたとおり、
大事なシーンと思しきところは、台詞がほぼ変でした。
わけが分からなかったです。
ネットの記事などでは、スタッフさんが、
この作品の脚本や台詞を大絶賛していましたが、
褒めるのも彼らの仕事の一つだと分かっていても、
私には少しも共感できませんでした。

チーフ演出の一木正恵さんのコラムも読みました。
【私の"人生をかけた一作"】
https://note.com/nhk_pr/n/n07117cc5a9c2

とりあえず、安達奈緒子さんのオリジナル脚本と、
一木正恵さんがメインで演出を手掛ける作品は、
私とは全く合わないということがよく分かったので、
今後は見ないようにします。



役者さんで良かったのは、
蒔田彩珠さん、永瀬廉さん、浅野忠信さんです!
浅野さんの演技について語るのは今さらでしょうが、
本当に素晴らしかったです。
私が、時計代わりとはいえ
この作品を最後まで視聴できたのは
浅野さんの演技の凄さのお陰です。
新次さんが度々漏らした心の痛みは本当に辛く、
私も彼への共感で何度も泣かされました。
蒔田彩珠さんと永瀬廉さんについては、
また別の作品で見られるのを楽しみに待ちます。
清原果耶さんは、途中から、
眼球をギョロギョロ動かしたり、
顎を上げて口もぽかんと開けたりするのが無くなって、
ホッとしました。
(その代わり、腕組みがやたらあるのが気になりましたが)
これからも頑張ってほしいです。



この感想記事を書くだけでも半日弱を要するので、
特に東京編以降は、
この作品に時間を多く取られることが本当に苦痛でしたが、
感想記事の掲載もなんとか完走できてホッとしました。

次の「カムカムエヴリバディ」がとても楽しみです!
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
さよならモネ!
お疲れさまでした。



(11/5 追記)
次の朝ドラの感想も書きました。
【感想 NHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」第1週:1925-1939*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-11-05



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2021-10-31 23:15 
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