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感想@映画「マスカレード・ナイト」ネタバレあり [映画・舞台]

映画「マスカレード・ナイト」の感想です。
以下の記述には、軽いネタバレを含みます。
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マスカレード・ナイト (集英社文庫)

マスカレード・ナイト (集英社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/09/18
  • メディア: ペーパーバック

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待望のシリーズ新作!ということで、
期待をして映画館に行ってきました。
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木村拓哉さんは、もうキャラが立ちすぎていて、
「何をやってもキムタク」と言われているとおり、
彼がどんな作品のどんなキャラクターを演じるのを見ても
「木村拓哉」という存在を意識せずにはいられないです。
ただ、上記の言葉は、悪い意味で
(冷やかしとして)使われることが多いものの、
寧ろそこが良いと捉えられることも少なくないです。
私も木村さんのことが大好きなので、
新作に触れる度に、
今回はどんな彼が見られるんだろうと楽しみにしています。
勿論、この「マスカレード」シリーズも同じで、
木村さんが演じる敏腕刑事の新田浩介が
慣れないホテルマンの業務に悪戦苦闘して頑張る姿や、
彼と完璧なホテルマンたちとの対比が、
最大の見どころでした。
(スマートではないけれど、そこは熱意や機転でカバー)
でも、そこが面白いせいで
本筋のミステリ部分が霞んでしまうのが前作と同じだったのは、
良い点であり悪い点でもあったと思います。

原作の小説を書かれた東野圭吾さんが、
たとえば彼の人気シリーズ「新参者」もそうであるように、
見るからに怪しい人やなんだか怪しそうな人を通して
人間を繊細に描くのは、非常にお得意のようですが、
ミステリの肝である事件の真相は
残念ながらそれほどでもないというのが多いので、
このシリーズでは
悪い方で相乗効果が出ているようにも見えました。
非常に乱暴な言い方をしますと、
殺人事件は本作品の主軸でなければならないのに、
実質、物語の導入としての役割で終わっている
(新田刑事がホテルコルテシア東京にやってくる理由)のが、
ちょっと勿体なかったです。



前作を知っている人にはくすっと笑える部分があったり、
新田刑事を迎える側に変化があったりと、
シリーズ続編ならではの興味深いシーンが嬉しかったです。
冒頭での明石家さんまさんのゲスト出演の仕方は、
意外性があってびっくりしましたし、可笑しかったです。
また、今回は、長澤まさみさん演じる山岸尚美さんが
客からの非常に難しいリクエストに応えようとして
懸命に頑張る姿が主で、
プロのホテルマンの凄さを実感できます。
その分、前作と比べると、
ホテルマンとしての新田刑事の活躍は減らされていますが、
彼の出番そのものは圧倒的に多く、
山岸さんとも実質的にコンビを組んで応対していくので、
前作と同様に楽しめました。
ただ、山岸さんが新田刑事との再会直後に
「今回は氏原さんと組むことになると思います」と
言っていたのに、
結局、二人で動いていたのが多かった点については、
ツッコミを入れたくなりました。

曲者揃いの客の中で、一番やっかいだったのは、
沢村一樹さんが演じた日下部さんでしょう。
プロポーズ云々の強引さは目に余る行動でしたし、
その後の山岸さんへの嫌がらせとも呼べる執着っぷりは
尋常でなかったので、
彼の正体や理由が判明した際は「やっぱり」と思いました。
前作の栗原さんほど不愉快ではなかったのですが、
山岸さんが難題を何とか解決しても
すぐにまた彼に別の難題を吹っ掛けられる展開は、
見ていて少し疲れました。



殺人事件の真相については……
東野先生の作品では
「怪しそうな人は真犯人ではない」ことが多いので、
そのような描写がいくらあっても
私が彼らを容疑者だと思うことは全く無く、
寧ろ、怪しくない人を疑うのに慣れていたので、
どんでん返しがあった真犯人の正体には
そこを突かれた気がしました。
また、ミステリ部分が弱いといっても、
容疑者に踊らされる警察関係者の慌てぶりを見るのは楽しく、
「犯人当てを主題としないミステリ」という位置づけなら、
エンタメ作品として高く評価できます。

ロリータ服のブランドを愛している私としては、
発端となった事件の被害者の服装がそう呼ばれるのには、
違和感が強かったです。
あれはaxes femme系の服に見えたので、
強いて言えばガーリー系なのでは?と思いました。
世間の認識では、未だに
「フリルやレースが多く付いている服はロリータ」なんだなと、
苦笑が漏れそうになりました。



ミステリとしての面白さにはやや欠ける他、
CMなどから伺えるホテルマン業務のドタバタがメインだと
割り切る必要があるので、
そこを受け入れられるかどうかで評価が割れると思います。
木村さんはとにかく格好良く、
長澤さんは綺麗であるのに加えて、
他のキャストさんも豪華なので、
私は彼らを見るだけでも楽しかったです。
特に、両手を前で組む長澤さんの立ち姿は、
シンメトリを基本とするホテルコルテシアらしさがよく出ていて
とても美しく、
是非、注目してほしいです。

先日、前作がテレビで放送されたこともあり、
それを見た上で続きも見てみたいと思った人なら
普通に楽しめると思うので、お勧めします。



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2021-09-23 11:22 
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