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感想@テレビドラマ「透明なゆりかご」第6~7回*ネタバレあり [テレビドラマ感想]

NHKのテレビドラマ「透明なゆりかご」の感想です。
この記事ではこちらの放送回について触れます。
第6回:いつか望んだとき
第7回:小さな手帳
以下の記述にはネタバレを含みます。

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以前の感想はこちら。
【感想@テレビドラマ「透明なゆりかご」第1~3回*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-05-04-1
【感想@テレビドラマ「透明なゆりかご」第4~5回*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-05-05



この再放送は、昨日までのそれと異なり、
放送開始時間が約一時間半も遅くて(午前一時)
リアタイ視聴するのはかなりきつかったのですが、
頑張って起きた甲斐がありました。



【第6回:いつか望んだとき】
ハルミちゃんが闇医者で堕胎しようとしていると知った時は、
アオイちゃんと同様に驚くと共に憤慨して
「何を言ってるの、とんでもない!」と本気で思いましたが、
あの夫婦の会話を聞いていたら、そうとは言えなくなりました。
特におじいちゃん先生がぽつりと漏らした
「何も聞かずに手術してきれいにしていれば、
あんなことにはならなかったのに」という言葉が重かったです。
産婦人科は、内診台への抵抗も大きく、
婦人科系の病気の受診でもなかなか行きにくい場所です。
ましてや堕胎手術を望むなんて、
どれほどの勇気を必要とするんでしょうか。
また、この放送でも具体的な金額が出ていたとおり、
中絶費用は自費(患者十割負担)で、
まともな病院で受ければ非常に高額です。
そんな心理的にも経済的にも気軽に受けられない中、
望まない妊娠をしてしまう女性が少なくないという厳しい現実。
女性に何も聞かないという点も含めて、
普通では取りこぼされてしまう女性を
あの老夫婦が下でなんとか受け止めているか思うと、
一概に闇医者を否定することはできなくなりました。

おばあちゃんがアオイちゃんに
「お金を取らないと違法になるから最低限の額を貰っている」
というようなことを言っていたので、
あのおじいちゃん先生は、一応、闇医者ではないんですよね。
来る者を拒まない、堕胎手術の専門医という感じで、
口コミで来た人に応対している感じでしょうか。
どのような業務形態なのかは謎ですが、
一般的な産婦人科と同様に
多くの女性を救っているのは確かなようです。

実際、ハルミちゃんはあの老夫婦を心底頼っていて、
まるで本当の祖父母のような懐き方をしていたのが、
普段の彼女が身を置く環境の辛さを表しているようでした。
そういえば、おばあちゃん役の方がもう亡くなっているので、
ハルミちゃんがおじいちゃんに発した冗談が
余計に沁みました。
あそこが無くなったら、困る人は大勢いますよね。
アオイちゃんに問われた時の由比先生の答えも、
重く胸に響きました。
(中絶手術をやりたくない先生が断っても、患者は他で受ける)

タイトルのとおり
「いつか望んだとき」のためにというのは素晴らしく、
だからこそ由比先生は丁寧にやるとのことでしたが、
堕胎手術は母体への影響が大きく、
いつか望んだ時が本当にやって来たとしても、
過去のそれのせいで望めなくなることもあるのが辛いです。
アオイちゃんの想像どおり、
ハルミちゃんにもその時が来て、叶うといいなぁと
願っています。



【第7回:小さな手帳】
どの回も見ていると涙が出てしまうのですが、
この回が一番辛かったです。
ミカちゃんのお母さんが酷過ぎます。

アオイちゃんはやはり発達障害でした。
この脳の病名は、今でこそよく見聞きしますが、
私が子供の頃もまだ無かったはずなので、
苦労した人は多かったと思います。
医者に病気だと告げられた時のアオイちゃんの母親が
驚きながらもどこかホッとしている様子は、
とてもリアルでした。
子供の異常行動に理由があると分かれば、
「そういうものなんだ」と受け入れられるようになるので、
気持ちが凄く楽になりますよね。
それまでのアオイちゃんの母親の責め方が悲痛で、
アオイちゃんだけでなく
母親自身も深く傷ついているようだったので、
私も気持ちが少し楽になりました。

そしてミカちゃんの件です……。
母親は、再婚相手に自分の連れ子を否定されたのに流されて、
一緒に娘を憎く思うようになったらしいとのことですが、
写真のミカちゃんの顔を黒く塗りつぶしていたのが言語道断で、
悲しくなると同時に怒りがこみ上げました。
一度は勢いで捨てようとした母子手帳を残していたあたり、
少しは娘を憎むだけでなかったと思いたいのですが、
同時に「そうではないのかもしれないな」とも思ってしまい、
今まで以上にやりきれない気持ちになりました。

母子手帳については、生まれてくる子のためというより
母親のためのもの(出産・育児の記録)
という印象が強いのですが、
そういえば私も、
子供の頃は自分の母子手帳を見るのが楽しくて、
引き出しからたまに取り出しては眺めていたのを思い出しました。
(それは単なる記録で、私への言葉は何もありませんでしたが)

以前の感想でも書きましたとおり、
私は病院で働いたことがあるので、
患者さんの母子手帳もたくさん見てきました。
ミカちゃんがしたように子供への言葉を綴ったものも、
何度か目にしました。
(忙しいので、必要な頁以外はたまたま見てしまった程度です)
そういう母子手帳は、大概、
子供の写真が貼られたり挟まれたりしているので、
手に取るとやたら重かったのが記憶に残っています。
ただ、それを見ても
「こういうのを書くのが好きな母親なんだな」と思うだけで、
子供に対する母親の愛情が深いとは特に感じなかったので、
当人も周囲も人それぞれだというのは主張したいです。



続きはこちら。
【感想@テレビドラマ「透明なゆりかご」第8~10回(最終回)*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-05-07



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2021-05-06 08:17 
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