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感想@テレビドラマ「透明なゆりかご」第1~3回*ネタバレあり [テレビドラマ感想]

NHKのテレビドラマ「透明なゆりかご」の感想です。
この記事ではこちらの放送回について触れます。
第1回:命のかけら
第2回:母性ってなに
第3回:不機嫌な妊婦
以下の記述にはネタバレを含みます。

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以前からネットで「名作だ」との評判を見ていたこの作品。
私も気にしていたものの今まで見そびれてしまい、
今回がほぼ初見です。
(前回の再放送で最終回の途中を一瞬だけ見ました)

ネットで画像を見た時は、
主人公のアオイの頭(三角巾)が古めかしい感じだったことに
疑問を抱きましたが、
彼女はまだ看護学生なので
ナースキャップをかぶれない代わりにそれを使っていたんですね。
そもそも看護師(看護婦)がナースキャップをかぶっているあたり、
とても懐かしくて、
そういう時代だという設定なんだと分かり、納得できました。

以下、夜中の一挙再放送を視聴した感想です。
録画はしていないので、間違っていることもあるかもしれません。



【第1回:命のゆりかご】
初っ端から衝撃的でした。
勤務初日で最初の仕事が中絶手術の補助だなんて、
私ならトラウマになってアルバイトを辞めそうだと思いました……。
アオイが、ホルマリン漬けにした胎児に対して恐怖を抱かず、
抵抗も無いところは良かったですが、
彼女が事の重さをまだ実感できていないように見えたので、
危うさも感じています。

不倫で出産した女性については……
親子二人、余計な苦労を背負いつつも、
ひっそり頑張って生きていくものだと思っていたので、
あの最悪なオチにはびっくりしました。
私は未婚で出産経験も無いのですが、
添い寝しながらの授乳での事故は珍しくないと聞いたことがあります。
それでなくても、昔ほどではないとはいえ、
ちょっとしたことがとんでもない事故に繋がるのは
育児ではよくあると思います。
もしかしたら、あの女性は無意識に
新生児の頭を自分の乳房にそっと(必要以上に)
押し付けてしまったのかもしれませんが、
それでも事故だったと、私も信じたいです。



【第2回:母性ってなに】
この回は辛かった……本当に辛かったです。

アオイが熱心に新生児の面倒をみるシーンは、
当初こそ微笑ましく見守ることができましたが、
途中からは先輩ナースの望月さんと同様に
「あなた大丈夫?」と不安になりました。

そして、女子高生が両親に連れられて病院に来たシーンは
あまりにしんどくて、
テレビを消して視聴を止めようかと何度も迷いました。
普通のドラマなら、
女子高生が実際に新生児を見たのを機に母性を獲得し、
改心して「この子の面倒をちゃんと見る!」となるのでしょうが、
このドラマでは最後までそうならなかったのが凄かったです。
とはいえ女子高生が何も思っていなかったわけではなく、
後で種明かしのように流れた彼女の過去の映像は、
あくまでアオイの想像とはいえ、
どれも辛いものでした。
出産前に実際にあの医院に足を運んでみたものの、
結局、中には入れずに終わってしまったこと。
自宅浴室での一人きりの壮絶な出産。
出産直後に自転車に乗って果たした我が子の遺棄。
こうして挙げるだけで、胸が潰れそうです。
勿論、あの新生児の今後の幸せを願わずにはいられず、
最後まで泣きっぱなしでした。



【第3回:不機嫌な妊婦】
もし自分が阿部さんだったら……と
想像しただけで泣いてしまう内容でした。

私もかつて病院で働いたことがあり、
患者さんに不機嫌な態度で接せられた経験もあります。
具合が悪いせいでそうなってしまう人は少なくなく、
その場合は私も「仕方が無い」と割り切れるのですが、
中には理不尽に不機嫌さを丸出しにする人もいます。
阿部さんのアオイへの当たり方は後者でしたが、
その理由が理由だけに、
それを知ってしまうと誰もが言葉を失ってしまうというのが
問題でした。
私は、自分に非があった場合は別として、
やたら怒ってくる人に対してその理由を知ろうとはしないので
アオイは優しいなぁと思いました。
アオイの熱心さと生真面目さが生きた結果、
阿部さんが少しずつ彼女に心を開いていった展開は、
それ以外があまりにも辛かった分、救いがあって良かったです。

植物状態の人間に音を聞かせたら認識されるかについては、
正直に答えたアオイに対して
私も「こんな時ぐらいは嘘を伝えなよ」と思いましたが、
最後、阿部さんが旦那さんには届いていないと知りつつも、
ようやく生まれた子供の声を聞かせずにはいられなかったのが、
とても良かったです。
あの阿部さんなら、もしアオイに嘘を吐かれたとしても、
いつか自分で調べて正解に辿り着いてしまったと思うので、
その可能性があるなら、
やっぱり真実を告げたのは良かったのではないかと思いました。

ちなみに、私も意識を無くしたことが何回かあり、
そのうちの一回は本当に死にかけたのですが
(受診した病院で倒れて、AEDも使われました)
倒れた後はいつも、真っ暗闇の中、
唐突に猛烈な不快感を味わうと共に周囲の音が煩く聞こえてきて
「あれ? 私、どうしてたんだっけ。
もしかして寝てる? なんでこんな騒がしいのに寝てるの?」と
混乱しながら考えているうちに
目を開けられるようになるという流れになっています。
阿部さんの旦那さんの場合、学術的には無理なのでしょうが、
もし奇跡が生じて音が伝わっていたなら、
あんな感じで暗闇の中で赤ちゃんの声を聞いていたのかなと、
自分の体験を振り返りながら想像しました。
また、旦那さんが亡くなるシーンは、
大学病院で父が亡くなった時を思い出しました……。
(上記の体験があったこともあり、
亡父には最期まで声は掛けました。
名前だけでなく、「今までありがとう」とも伝えました)

ところで、この回を視聴中にとても気になったのが、
アオイと彼女の母親の関係です。
途中、まだ幼いアオイが母親に叱られて、
びくっと体を大きく震わせる描写がありました。
また、親子でカフェのワッフルを食べていた時に、
母親が何気なくアオイの手を触ろうとしたけれど、
アオイが反射的に手を引っ込めるシーンもありました。
以前も、アオイが就業中にもかかわらず
他人の言葉が聞こえないほど自分の世界に入り込んでいたり、
彼女自身が「私は他人の感情に疎い」と言っていたりと、
発達障害っぽいところが少しあるのかなと思いました。



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2021-05-04 14:07 
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