感想@荒川弘「銀の匙 Silver Spoon」1~14巻 [アニメ・ゲーム・漫画・小説]
荒川弘先生の「銀の匙 Silver Spoon」を楽しく読んでいます。
銀の匙 Silver Spoon(1) (少年サンデーコミックス)
- 作者: 荒川弘
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/03/15
- メディア: Kindle版
現在、まだ単行本の14巻までですが
「銀の匙」を紙の本で集めており、楽しく読んでいます。
おぼろげな記憶では、
大分前に少年サンデーで週刊連載されていた作品という印象でしたが、
完結したのが数年前だと先日知り、ちょっと驚きました。
昔、単行本が10巻に満たない頃に一度読んだことがあったのですが、
当時は「豚丼」のエピソードがきつかったのと、
主人公の友達が離農せざるをせなくなり、姿を消したあたりで
読み続ける気力を失ってしまいました。
テレビアニメも実写映画も見なかったので、
この作品に触れるのはそれ以来です。
実を言いますと、その頃の私はこの作品を苦手としていました。
面白く読んではいたものの、
都会に住む幼い主人公が人生に挫折し、
流されるようにして北海道の田舎に来た後、
現地の人たちと触れ合いながら心身ともに成長していくという話が、
私が愛する「じゃじゃ馬じゃじゃ馬グルーミン★UP!」と
全く同じだったからです。
じゃじゃ馬グルーミン★UP!(1) (少年サンデーコミックス)
- 作者: ゆうきまさみ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/10/05
- メディア: Kindle版
この「じゃじゃグル」は競走馬の生産が主で、
「銀の匙」は農業高校の酪農科での授業が主ということで、
それぞれの主人公が身を置く舞台は違うのですが、
上記の基本設定が同じである点と、
話の流れによっては似たエピソードが入ってしまうのが気に入らず、
抵抗感が強くありました。
尤も、後者については、
北海道での畜産を描こうとすれば誰でもそうなると分かっていたので、
私が「嫌いなものは全部嫌い」という状態になっていたんだと思います。
そんな私が、再び「銀の匙」を読もうと思ったきっかけは、
非常に単純で、
中古書店で安価な金額で売られていたのを見つけたからです。
荒川先生の安定した作画には信頼が置けましたし、
苦手(嫌い)でも面白さは内心でちゃんと認めていましたので、
「この値段なら買ってもいいな」と思い、
そこにあった在庫をまとめて購入しました。
偶然ですが、途中で抜けている巻があったものの、
私が買えたのが第8巻までで……。
野球部の駒場くんが急に登校しなくなったラストを読み、
これは続きを買わねば!と強く思った次第です。
改めて読んだ「銀の匙」は、大変面白かったです。
作中で何度か説明があったように、
あの農業高校では生徒の自主性に重きが置かれていることから、
生徒の思い付きを自由に実行できるというのが最大の魅力です。
主人公の八軒くんが、
周囲の人々の協力を得ながら様々な分野で頑張ることが非常に面白く、
私も彼と一緒に一喜一憂しながら一気に読み進めました。
勿論、八軒くん自身が成長し、強くなっていくのも素晴らしく、
たくさんの感動をもたらしてくれました。
夢を持たず、家族から逃げる目的で農業高校に入った八軒くんが、
今や起業しようとしているんですから、本当に凄いです。
まだ読んでいない最後の15巻が楽しみです。
銀の匙 Silver Spoon(15) (少年サンデーコミックス)
- 作者: 荒川弘
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2020/02/18
- メディア: Kindle版
全何巻なのか分からず、
ついさっきまで「15巻以降も」と書いていたのですが、
ネットで調べて全15巻だと知り、再び驚きました。
八軒くんが大学に合格して終わりですかね。
未来で、駒場くんが自分の牧場を持てているといいなぁ。
ただ、読んでいてちょっと気になった点もありました。
御影さんが八軒くんの両親に向かって彼の良さを説くところ(第11巻)が、
「じゃじゃグル」でもあったシーンなので、
また「同じじゃん」と思ってしまいました。
これについては、「銀の匙」に限らず、
他の漫画や小説でもよくある状況だと分かっていますが、
無視できなかったです。
それだけ、私にとって「じゃじゃグル」が特別な作品なんだと、
改めて痛感しました。
2021-02-15 13:13
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