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感想@大河ドラマ「麒麟がくる」 [NHK大河ドラマ感想]

NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」の感想です。
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大河ドラマ 麒麟がくる 完全版 第壱集 ブルーレイ BOX [Blu-ray]

大河ドラマ 麒麟がくる 完全版 第壱集 ブルーレイ BOX [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2020/10/23
  • メディア: Blu-ray


一昨日の2/7(日)に「麒麟がくる」が最終回を迎えました。
初回からずっと見続けた私も、完走することできました!

ご存じのように、今作は、
主要人物を演じる役者さんの交代による撮り直しや、
コロナ禍での撮影中断といったトラブルに見舞われました。
完結を迎えるまで通常より長く掛かったせいか、
物語の幕がちゃんと下ろされたことに対し、私も安堵しました。
主人公・明智十兵衛光秀が生きているかもしれないという
余韻を残す終わり方だったこともあり、
いつもよりしみじみと終わりに浸ってしまいました。

十兵衛は生涯の前半部分がほとんど不明という武将でしたが、
史実の出来事に創作部分を上手く絡ませることで
よく描いていたなと思います。
主演の長谷川博己さんも
若い頃から晩年までの十兵衛を魅力的に演じていました。
彼が放つ色気が凄くて、私は変に興奮しそうになりました。



特筆すべきは、やはり染谷将太さん演じる織田信長でしょう。
まるで浦島太郎のようだった初登場時から驚かされただけでなく、
十兵衛を慕い続け、良くも悪くも彼に強く執着した信長は、
非常に面白く、興味深かったです。
特に物語の終盤で、
十兵衛の気持ちが自分に一番向けられなければ嫌だと
言わんばかりの信長の言動は、
彼らが親と幼子に見えただけでなく
ブロマンス的な匂いもしていたので、
光秀が虐げられるシーンが見ていて辛かった半面、
奇妙な楽しさもありました。
最終回で、謀反人の正体が十兵衛だと知らされた時の彼が、
ゾクゾクと興奮しながら喜んでいるような表情を浮かべたり、
最期を迎える直前にホッとしたような顔になっていたりしたのも、
大変良かったです。
本当に、良い信長だったなぁと思います。
戦国ものの大河での織田信長というと、
誰が演じても他の戦国武将より特別な感じがしますが、
その中でも今回の染谷信長は抜きん出ていると思います。



毎週、可能な限り三回全て視聴するほど好きでしたが
(BSPでの早麒麟、地上波での本放送、翌週土曜日の再放送)、
不満を覚える点もありました。
その最たるものは、オリキャラ・駒の描き方です。
駒が庶民を代表する立場で、
十兵衛では見られない世界を描く準主人公的なキャラクターだと
放送前にネットの紹介文で見た覚えがありましたので、
彼女の出番が多いことは分かっていましたが、
物語が進むにつれて強い違和感を覚えることが増えました。
特に、彼女が薬師として成り上がり、
政治の世界にまで踏み込んだのには、辟易しました。
思えば、駒が綱の上で見事な宙返りを見せたシーンで
「ここ、要る?」と思ったのが、
彼女に嫌悪感を覚えた始まりでしたね……。
次第に、駒、東庵先生、大夫といったオリキャラ三人が、
史実の重要人物と親しく会話をして話を進めるのが嫌になり、
Twitterで毒を吐くこともありました。
私の胸の中でこんな醜い感情が湧いたのは、
丁寧に描かれるべきと思っていた大きな出来事や有名な戦いが、
ナレーションだけでさらりと流されたことも
強く関係していたと思います。
コロナ禍のせいで思うように撮影ができず、
合戦シーンが大分省かれたらしいのも影響したのでしょうが、
物語のどこに重きを置くかというバランスの悪さを
終始感じていました。
(好みだと思いますが、
斉藤道三が没するまでも私には長く思えました)



更に言いますと、
越前を離れた十兵衛が出世してからは、人間関係があまり描かれず、
勿体ないと思うことも多かったです。
荒木村重や、最終回で唐突に名前が出てきた長曾我部家だけでなく、
物語の後半における細川藤孝との交友がほとんどなかったのは、
本当に残念でした。



最後は、生存説が強い偉人によくある終わり方でしたが、
視聴者の見方や好みよってどうとでも解釈できる部分は
良かったと思います。
最後、騎乗する十兵衛の雄姿がとても素敵だったので、
私も好きです。
ただ、個人的な好みで言えば、
信じていた人(主に藤孝)に裏切られるのは
非常に残酷でドラマチックなことなので、
絶望する長谷川十兵衛はさぞ美しく、良かっただろうなと
想像せずにはいられませんでした。
尤も、これを実現させるためには、
本能寺の変を迎える前の十兵衛と藤孝の仲の良さをもっと多く、
しっかりと描く必要がありますので、
土台無理な希望だったんですけれども。



数年前、大河ドラマの新作が明智光秀だとの発表がなされた時は、
「ついに歴史の敗者が大河の主人公になるのか」と
感慨深くなったものです。
実際に見たこの作品は、
どの史実、どの逸話に重きを置くかという解釈違いが大きく、
オリキャラの優遇も含めて戸惑うことが多かったのですが、
全体的に振り返ってみれば、
やはり十兵衛と信長の関係性、描かれ方が大変好ましかったので、
高い評価を差し上げたいです。

とりあえず、今月下旬にある再放送を楽しみに待ちます!



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2021-02-09 15:05 


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