さくらもちモチ

感想@NHK連続テレビ小説「なつぞら」第17週：なつよ、テレビ漫画の幕開けだ*ネタバレあり　[NHK連続テレビ小説感想] [編集]

NHK 連続テレビ小説「なつぞら」の感想です。
今回は、第17週「なつよ、テレビ漫画の幕開けだ」について記します。

以下の記述にはネタバレがあります。

前回の感想記事はこちら。
【「なつぞら」第16週：なつよ、恋の季節が来た*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2019-07-20-3



まず、今週のタイトルからして、
アニメーターとしてなつが大きく成長したり、
新しい世界に飛び込んだ彼女がどきどきわくわくするのを
一緒に体験できるのかなと思い、少し期待していました。
しかし、そのような描写が無いことはなかったとはいえ
今週のメインは雪次郎くんだったと言えると思うので、
違和感が大きかったです。



その雪次郎くん……。
以前の放送にて、北海道の訛りのせいで
声優としての仕事で大いに苦労しているのは見ました。
でも劇団の皆から大いに支持されるほど、
また、蘭子さんから大袈裟な嘘を吐かれてまで
彼女からの独り立ちを促されるほど、
役者として力をつけているとは思いもしませんでしたので、
今週の流れには「えええ？」と驚かされました。
しかも役者を辞めて北海道に帰り、
自ら捨てた菓子職人の道に戻るという顛末。
若い頃に人生に迷走してしまうことは珍しくないですが、
雪次郎くんについては、一体何だったんだろうと
苦々しく感じてしまいました。

私が見落としてなければ、雪次郎くんについては、
声の演技で当たり役を得たとの説明はあり、
蘭子さんと一緒に声を当てているシーンもありましたけれど、
皆から褒められるような見事な演技を舞台で披露するシーンは
一度も無かったはずです。
それに、蘭子さんへの熱い思いについても「？？？」でした。
以前、雪次郎くんが蘭子さんの演技をきっかけにして
役者を本格的に志したエピソードがあったことから、
彼女に対する尊敬の念は感じられました。
でも恋愛感情については無いと思っていましたので、
蘭子さんの家で二人きりの打ち上げをした際の
雪次郎くんの「好きです」という告白も、
あくまで尊敬する俳優として好きなのか、
恋愛としての告白なのかが分からず、
私は放送中ずっと戸惑っていました。
そして、蘭子さんから厳しい言葉で追い出された雪次郎くんが、
かつての仲間が新たに作った劇団に行くのか、
咲太郎の会社で声優一本で頑張っていくのかと思いきや、
北海道の実家に戻って菓子職人に戻り、
幼馴染みの天陽くんと一緒に「なつは凄い」と、
変な主人公上げ要員になるという内容は、
全てが唐突すぎて、私はついていけませんでした。



なつについては、
新たな思いつきを披露して皆から感心されるのは
主人公ならではの描写だと思いますので、否定はしませんが、
ちょっと机に向かって絵を描いただけで、
すぐに新たな作品（テレビ用のアニメ）が出来上がっていたので、
「え？　もう？」と思いました。
東京編（アニメーション編）が始まってからそれなりに経っていますが、
暴走した神地くんのエピソード以外で面白いと思えていないのは、
肝となるなつの話の内容が薄いだけでなく、
坂場さんとの会話ばかりが主になっているせいだと思います。
もっと原画や動画の仕事で悩み、めきめきと成長していく彼女を
じっくりと見守っていきたいのに、
坂場さんとの言い合い以外は問題なく進み、
いつも「なつは凄い！」という無双状態になってしまうので
「私が見たい”なつぞら”はこれじゃない」感が強いです。

また、週を重ねる度に数年が経過していることが多く、
そのせいか、ナレーションだけでなく
現状を説明するような台詞が少なくなくて、
変にくどくなっているシーンが気になりますが、
なつと坂場さんがこれから結婚するなら、もういきなり
「二人は初々しいながらも結婚を前提に交際を始めました」
という設定にしても良かったのではと思いました。
二人の恋ごころを丁寧に描くわけでもないのに、
ずっと宙ぶらりんの状態を見せられるのは、
あまり気持ちのよいことではなかったです。


気持ちが悪いと言えば、亜矢美さんの件です。
咲太郎と恋愛関係に落ちるのは違うだろうと思いました。
まだ確定ではないとはいえ、生々しくて嫌な感じがしました。



次週からは、なつと坂場さんだけでに留まらず、
あちこちでカップルができるかもしれないようなので、
（その全てにあまり好感を持てていないことから）
ちょっと憂鬱です。


続きはこちら。
【第18週：なつよ、どうするプロポーズ*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2019-08-06-2