さくらもちモチ

感想@アニメ「宇宙よりも遠い場所（よりもい）」ネタバレあり　[アニメ感想] [編集]

アニメ「宇宙よりも遠い場所」をBS11にて最後まで視聴しました！
かなりの良作だったことから、
自分の中の想いを文章で残しておきたかったので、
短いですがここで感想を綴ります。

以下の記述にはネタバレを含みます。



実を言いますと、登場人物が苦手だったので、
第4話ぐらいで視聴を止めようかと思ったことがあります。

まず最初に駄目だと思ったのが、キマリこと玉木マリ。
第1話で、「青春したい」という熱い思いを抱きながらも、
やっぱり実行に移せずに終わってしまったエピソードを受けて、
「あぁ、こういう系の子が主人公じゃ、この先がきつそうだな」と
思った次第です。

ご存知の通り、この作品は以前にも放送されていましたが、
私は何の前知識も持たずに今回の再放送を視聴しましたので、
キマリの中で「しらせと共に南極に行く！という新たな目標ができた後も、
本当に南極に行けるのかどうかすら知りませんでした。
しかし、ちょっとずつですが、
彼女なりにできることを頑張り続ける姿を見て、
最初の冒険の失敗時に抱いていた苦手感は薄れていきました。

代わりに、「この子、駄目だ……」と思えたのが
その、しらせ（小淵沢報瀬）です。
南極に行きたい気持ちは真剣で、その努力もしているのに、
肝心なところで足がすくむという軟弱さに、見ていて苛立ちました。
（特に新宿でのエピソード）
全員を好きになれている今では、
しらせのそういう弱さも魅力だと受け止められているのですが、
当時は、面白さより苛立ちの方が強く感じていたので、
（放送時間が深夜だったことから）録画までして
わざわざ視聴する必要もないんじゃないかと思うこともありました。

その私の気持ちを変えたのが、
リア友の「南極に着いてから面白いよ」「観た方がいいよ」という
お勧めの言葉でした。
この友達は、最初の放送で終盤だけを見ており、
最初から見たくなったと言っていました。
で、
私「あ、ちゃんと南極に行けるんだ？」
友「行けるよー」
という会話を経て、
それならもうちょっとだけ頑張って視聴しようと決めました。



この作品に対する気持ちが大きく変わったのは、
第5話「Dear my friend」です。
この記事を読んでいる方は、この「よりもい」を既に視聴済みか、
視聴を検討中の人がほとんどだと思いますので、
細かなあらすじは省きますけれど、
主人公が学校で受けてきた嫌がらせの犯人が、
実は最も身近な親友だったと、
その親友自身から明かされる回です。
親友の気持ちは（酷いことだと思いつつも）理解できましたし、
それを許せるキマリの心の広さに感動しました。
最後の最後、最終回のラストで、
その親友がキマリを驚かせる内容には、
素晴らしさに「やられたー」と感心しました。
作り手が、全てのキャラクターに深い愛を注いでいるのが
よく感じられました。



第10話「パーシャル友情」も良かったです。
既にBBAな年齢の私ですら
稀ですが、未だに「と、友達だよね……私たち」と
その表現に不安を感じることがある、この問題。
わざわざ真正面からぶつかっていくゆづきちゃん（白石結月）が
もどかしくて、熱くて、たまらなかったです。
「友達誓約書」には泣かされました。
その内容がどうこうというのでなく
そんな紙切れ一枚がゆづきちゃんの安心に繋がるのかと思ったら
せつなかったです。



そして同じ友情ネタの第11話「ドラム缶でぶっ飛ばせ！」。
上記の友人が褒めていたのも、この放送回です。
いやぁ……良かった。
想像していた以上に良かったです。
しらせがテレビカメラの前で啖呵を切ったあたりは
私も涙が止まりませんでした。
また、仲間三人の誰もが、ひなた（三宅日向）に向かって
「もう忘れた方がいい」とか「あの人たちを許したら」とか
変に大人ぶるような余計なことを言わなかったのも
大変良かったです。
ひなたがしたくないのなら、彼女らを一生許さなくていいよ！
「許せないひなたは心が狭い、器が小さい」なんてことはないよ！



作品タイトルと同じ第12話「宇宙よりも遠い場所」。
この回も凄かった……。
放送前に見たBS11の公式ツイッターで、
「ハンカチ必須の号泣エピソード」みたいな紹介があり、
「そう書かれてもなぁ……。
いかにもな内容だと、逆に泣けないよね」と
天邪鬼なことを考えてしまったのですけれど。
最後……しらせが自分のメールを受信するくだりで大泣きしました。
あの演出は、ずるい、ずるいよ！！
第11話でこの「よりもい」が名作扱いされている理由が分かりましたが、
この第12話をもって、更に駄目押しをされた気分でした。



最終話は、
きれいに畳み終えた風呂敷を箱に大事にしまうような、
丁寧にまとめられた「お終いのお話」でした。
一番好きなのは、ちょっとだけ映った、
ひなたのバイト先のコンビニのガラス窓に貼られた、
お手製のお知らせチラシ！
壁新聞のような内容で、
手作り感あふれる出来には苦笑しそうになりましたが、
録画をその部分だけ静止させてちゃんと読んでみたところ、
店長さんの良い人柄を感じられて、
私はにやにやしてしまいました。



終盤はさすがに録画を残しているものの、
序盤は、視聴を終えると消してしまったので、後悔しています……。
後でレンタル屋さんで円盤を借りて、一気見したいです！