さくらもちモチ

感想@大河ドラマ「真田丸」第8回：調略*ネタバレあり　[NHK大河ドラマ感想] [編集]

NHK大河ドラマ「真田丸」第8回「調略」の感想です。

主なキャストこちら*敬称略
真田信繁：堺雅人
真田信幸：大泉洋
真田昌幸：草刈正雄
松：木村佳乃
薫：高畑淳子
とり：草笛光子
きり：長澤まさみ
小山田茂誠：高木渉
北条氏政：高嶋政伸
徳川家康：内野聖陽
上杉景勝：遠藤憲一



以下の記述にはネタバレを含みます。
前々回・前回の感想はこちら。
【第7回：奪回】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2016-02-22
【第6回：迷走】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2016-02-14-1



春日信達（前川泰之さん）の北条方への内通が
上杉景勝（遠藤憲一さん）に知られ、彼が殺されるという史実は、
なんとなく知っていたので、
ここにどうやって真田信繁（堺雅人さん）を絡めるのかなと、
今週も興味深く観ました。
この「真田丸」では、景勝には手を下させませんでしたね……。

北条氏直からの書状が届いた直後、
叔父の真田信尹から「わしのようにはなるな」と言われた信繁が、
不本意といった様子で顔をちょっと顰めるシーンがありましたが、
その後――直後でなく、合間に他のシーンを挟んで暫く経ってから
信尹と真田昌幸（草刈正雄さん）の真意が判明し、
信繁がようやく叔父からの言葉の意味を理解するというのが
上手い展開だなぁと思いました。
大変面白かったのですが、内容が酷く残酷だったので、見ていて辛かったです。



面白かったと言えば、昌幸さんと北条氏政（高嶋政伸さん）の対峙です。
何も知らない北条の馬鹿息子・氏直を中心にして、
昌幸は自分の地位を高めるのに、絶大な権威を持つ氏政の言葉を利用し、
氏政は、彼自身が直後に明かしていたように、
天狗になるであろう息子の鼻を折る為に昌幸を利用していた……のが、
狸の化かし合いのようで、思わず笑ってしまいました。
横柄で考えの浅い氏直の駄目っぷりも最高です。
こういう駄目な人が一人でもいると
周囲の人間（父の氏政や昌幸さん）の狡猾さがより強く強調されますので、
話のよいアクセントになっているなと思いました。


そうそう、きり（長澤まさみさん）と梅の会話も良かったです。
密かに慕っている信繁とのラブロマンス（笑）を興奮しながら
無自覚で自慢するきり……と、
それを鬱陶しそうに聞きつつも、人の好さのせいで顔には出さない
（きりには知らせない/知らせるつもりもない）梅。
うきうきと語ってすっきりとした気分で立ち去ったきりと、
やや鬱憤を晴らすように思い切り鉈を振り下ろして汗を拭く梅。
きりが信繁の恋情を梅に伝えていない（でも梅は知っている？）点と、
きりと梅が友達である点、
そして、梅よりもきりの方が身分が高いという点も相まって、
なんとも言えないビミョーな雰囲気になっていたのが素晴らしかったです。
これ、何か一つでも変わったら二人の仲が壊れそうですが、
その前に、信繁自身が上田を離れてしまうことで、
結局、だらだらと続くのでしょうか。
何かが変わる前に、梅が誰かに嫁ぐ展開もあるなぁと、
にやにやしながら勝手に想像しています。



織田信長の死後、頭一つ抜けた強さを持った北条に対して脅威を感じてしまい、
おろおろとなさけないところを露わにしているのに、
昌幸の策略だと気付いて懸念する時の徳川家康（内野聖陽）からは、
世の流れを読む聡さを感じられました。
はっとなった彼を見て、私もテレビの前ではっとなりました。
この天正壬午の変を経て最も力を付けたのは家康だと思うと、
こういう描写はそれを踏まえてのことなのかなと思いました。

それにしても、この後いろいろとあって真田が徳川につくのかと思うと、
（そして、真田が徳川に仕えたからこそ、
昌幸さんの名が戦国時代の智将として挙がる理由となった、
徳川による上田攻めが起こったかと思うと）
非常に感慨深くなります。