さくらもちモチ

感想@大河ドラマ「真田丸」第7回：奪回*ネタバレあり　[NHK大河ドラマ感想] [編集]

NHK大河ドラマ「真田丸」第7回「奪回」の感想です。

主なキャストこちら*敬称略
真田信繁：堺雅人
真田信幸：大泉洋
真田昌幸：草刈正雄
松：木村佳乃
薫：高畑淳子
とり：草笛光子
きり：長澤まさみ
小山田茂誠：高木渉
北条氏政：高嶋政伸
徳川家康：内野聖陽
上杉景勝：遠藤憲一
滝川一益：段田安則


以下の記述にはネタバレを含みます。
前々回・前回の感想はこちら。
【第6回：迷走】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2016-02-14-1
【第5回：窮地】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2016-02-07-1



今週も、真田昌幸（草刈正雄さん）の言動から目が離せなかったです。
特に、滝川一益（段田安則さん）とのやり取りは、彼の人の好さも相まって、
先走ってしまった昌幸さんの失態が露わになりましたが、
何故か憎めないというか、
「あぁ、やっちゃったー」と苦笑を含んだ微笑ましさも感じました。
智将で知られる昌幸さんも、彼の人生や真田家の歴史を細かく見ていくと、
彼の知略が成功するばかりでなく、ちゃんと人並みに失敗もしているんだと分かり、
歴史の英雄というより、
一人の普通の人間としての魅力が強調されているなと思いました。

昌幸さんは、表立っては「北条には仕えない」と言い切りながら、
仕える時のことを抜け目なく考えていたり、
その為に上杉を利用しようとして準備を整えたりと、
考えがコロコロと変わる点が面白いです。
これ、ちゃんと「昌幸さんは何の為に何をしようとしているのか」を考えながら見ないと、
「あれ？　今は誰に仕えてる（仕えようとしている）んだっけ。
なんでこんなことをしてるんだっけ」と分からなくなりそうですね。
豊臣贔屓（正確には石田三成が好き）の私は、
ここからの信繁（堺雅人さん）の関わり方に期待しています。



さて、サブタイトルの「奪回」という通り、
今回は信繁がとりやきり（長澤まさみさん）の奪回に尽力していました。
後半、木曽義昌との会話で株を上げたとりに対し、
不平不満ばかり漏らしていたきりの好感度が急落しそうなのが
見ていて面白かったです。
放送の終盤で、昌幸さんが信繁に自分との違いを説いていましたが、
とりときりにしても、同じ状況下にありながら騒ぐ・騒がないの差が出たのは、
まさに、人生経験と立場の差かなと思いました。
「この時代（戦国）の武家の女」という覚悟を幼い頃から持ち、
相応の振る舞いを求められ、それに度々応えてきたであろうとりと、
そういったことには縁の無い下級武士の娘であるきりでは、
考え方も経験の蓄積も違って当然です。
なので、愚痴ばかりをこぼしていたきりを責めるのは可哀相だと思いつつも、
大事な櫛だったとはいえ忘れ物を取りに帰ってもたもたしたり、
信繁を痛烈に批判したりしているのを見ていると、
きりに対して苛立ちました。


それと、面白いなぁと思いながら見たのが、薫とこうの食事のシーンです。
大事な娘の安否が知れないことに悲しみ、怒りながらも、
生きていれば腹が減るので、
食欲を満たす為に薫はちゃんと食べている……のが、
人間味に溢れていて面白かったですが、
薫はちょっと癖のある人物で、
通常であれば、嫁のこうは気苦労が絶えないであろうにもかかわらず、
病弱らしいこうの言動や雰囲気に薫が負けてしまい、逃げ出すというのが、
ちょっと滑稽でした。



信繁が滝川一益の陣に潜入する前半は緊張が絶えませんでしたので、
木曽義昌ととりの会話に安堵できた後半は、気楽に観ることができて、
この落差も心地よかったです。
信繁のおんぶ云々のエピソードも面白く、
きりやとりの表情に、つい笑ってしまいました。


（続きはこちら）
【感想@大河ドラマ「真田丸」第8回：調略*ネタバレあり】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2016-02-28