さくらもちモチ

感想@劇場版 PSYCHO-PASS（サイコパス）*ネタバレあり　[映画・舞台] [編集]

劇場版 PSYCHO-PASS（サイコパス）を観てきましたので、
感想を記します。

以下の記述にはネタバレを含みます。


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私が観たのは公開三日目の朝だったのですが、
プログラム（パンフレット）を含む主要グッズのほとんどが
ごっそり売り切れていることに、まず驚きました。
これで色相が濁っちゃうファンも多そうだなと思いましたw



私はテレビシリーズを楽しく見ていました。
第一期は、終盤のバイオテロ云々が唐突すぎて
ちょっと「ん？」と思いましたが、
宜野座さんと征陸さんに泣かされたのに誤魔化されて
面白く見ることができました。
二期は……中盤以降のグロさが気になってしまい、
肝心のお話がよく分からなかったのですが、
最終回を見た後で最初から見直すことで
理解できました。

こう言葉にすると、
あまり楽しんで視聴していなかったようですが、
「この後どうなるんだろう」とドキドキしながら
先を楽しみにしていましたし、
実際、楽しんでもいました。



そして映画。
私は予備知識を入れずに見に行ったので、
宜野座さんの同行を朱ちゃんが上から断られた時点で、
「あぁ、今回は私が見たいPSYCHO-PASSじゃないみたい」と
思いました。
そして“朱ちゃんの大冒険”的な内容が進んでいくにつれて、
「あぁやっぱり」とも思いました。

私は、公安一係の皆が、
霜月さんが奏でる不協和音に耐えながら
結束して頑張るところが見たかったんです。
勿論、映画でも、他の皆が良いところで朱ちゃんを助けますし、
彼らの間にある強い信頼の絆を度々感じることができましたが、
今回のお話は、それがメインではないんですよね。
朱ちゃんが単独行動をしなければ、
狡噛さんと再会する際に余計な問題が起きますので、
ああいう状況下でそれが叶ったのは良かったと思いますが、
寧ろ、そういう問題を皆の協力ではね除けて
やっとの再会を叶えるという展開も見たかったなと
思いました。

なので、もしちゃんとあらすじを知っていたら、
多分、これほど積極的には見に行かなかっただろうなと思います。
映画の良し悪しではなく、
「私が見たかったものを見られなかった」という点で
残念でした。



各キャラクターはよく描かれていると思いました。
朱ちゃんは相変わらず強くて格好良かったです。
終盤、狡噛さんを宜野座さんに任せるところは、
彼女が二人を本当に信頼しているのがよく分かり、
また、宜野座さんがそれに応えているのも素晴らしかったです。
善人は善人らしく、悪人は悪人らしかったので、
複雑な設定でありながらも話が分かりやすいのには
好感を持てました。

ただ……こう書くのは失礼かもしれませんが、
よくも悪くも“踊る捜査線”の映画みたいだなと感じました。
魅力的な各キャラクターが
新たなストーリーで再び生かされることによって、
その魅力をより深めていくのは、素晴らしいことです。
でも肝心のお話が単純で、少々退屈でした。
たとえば、
朱ちゃんが狡噛さんに連れられて訪れるゲリラの本部。
あそこが壊滅して二人だけが生き残る展開は、
お約束すぎて、誰でも先が読めたと思います。
終盤、朱ちゃんと狡噛さんが再三に渡って窮地を迎えた後、
一係の仲間によって救出される展開もです。
今回は、敵の謎も予想しやすい内容でしたので、
テレビシリーズを視聴していた時のような
「この先どうなるんだろう」というドキドキ感は
全くありませんでした。
「キャラクターはよく描かれているんだけど、
肝心のお話は……」というのは、
私が映画の“踊る捜査線”に対して抱いた感想と同じです。

ただ、シビュラシステムの輸出という案や、
酷いと思えた日本の現状は、世界と比べたらまだマシ
……と認識できた点は、
良かったと思います。
特に後者は、知ると知らないとでは、
テレビシリーズの見え方も少し違うと思います。



上記の通り、お話には不満を持ちましたが、
作品は丁寧に作られていたと思えました。
台詞や描写など情報量は物凄かったはずなのに、
混乱しないで観られたのは、
その辺がちゃんと整理されて脚本が作られたからでしょう。
音楽も迫力があって良かったです。

好きなシーンは、
朱ちゃんが無我夢中で狡噛さんを探すところ全般と、
宜野座さんが狡噛さんと再会し、別れるシーン。
主人公の外見がほぼ変わらないのに、
伊達眼鏡→眼鏡無し→ポニテという宜野座さんの変化も
グッジョブでした(*｀ω´)b
燃えました。

あと、雑賀教授も好きなので、
今回は全然活躍しませんでしたが、
出番がちゃんとあって嬉しかったです。
いつか殺されそうだと不安になる人物でもありますので、
「まだ生きてた」とホッとしました。



とりあえず、円盤が発売されたら
レンタルで細かいところをチェックしようと思います。
今回は番外編のような内容でしたので、
できれば続きを、テレビ版の三期として作って頂きたいです。